6月21日(火)
スポーツでは、バスケ中心の生活でしたが、
久しぶりにヨガのクラスに参加。
忘れていた筋肉が伸びたり
ゆっくりとした呼吸に気持ちを寄せたり
体幹に集中させたり
たくさんの再発見と癒しがありました。
ときどき、違うことをする
違うグループの方々に会う
違うモードの自分に出会うって
とても大切に感じました。
今日は高齢者福祉施設での
書道ボランティア。
たくさんの皆さんが待っていて下さいました。
みなさんのなかでの今日の
人気、力作は 「葛切」
湿気のある暑さを感じる日
みなさんの「食べたい」の気持ちが
立派に表現されていました。
私も葛切りは大好きで
自分でも1度だけ作ってみたことがあります。
鍋を二重にして湯せんで葛を煮溶かしますが
なべ底に円形に固まった透明な葛を
自分の好きな幅に切りそろえ
黒蜜をかけていただきます。
大きな幅のほうが、自家製の雰囲気がでます。
放置しておくとすぐにくすんでしまい
保存ができず、
できたてしかいただけないという
はかない水菓子の宿命も魅力のひとつです。
葛といえば奈良は吉野。
語源は、吉野郡の国栖(くず)の地名。
その土着民が、蔓草(かずらくさ)を食していたことから
くずかずら=>くずという名称になったようです。
万葉集では「まくず」と詠まれているとか。
そもそもは
鎌倉時代に宋に留学した僧が持ち帰ったようです。
根は葛根湯として漢方薬としても親しまれ
その効能も
体を温めたり、整腸効果、内臓強化も
注目されています。
葛は、大変希少であるため
他の、イモ類などのでんぷんが混ぜられることも
多くあるそうです。
が、
純度が下がると質も味も落ちてしまうため
100%のくず粉が珍重されます。
その「葛切」の文字を
あたかも「仏像」をあがめるかのような
畏敬の念の感じられる
重厚で丁寧な筆致でみなさん仕上げられたのが
とても素晴らしかったです。
食べ物のお手本は、これだから
やめられません
「さくらんぼ」も皆さん楽しげ。
粒ぞろいというよりは
大小さまざまな粒が
踊り出すような新鮮なさくらんぼ。
中には
昨日送られてきた産地の
「群馬 月夜野」と
書いて下さる方もありました。
私は月夜野という場所は
わかりませんでしたが
沼田と水上の間あたりの
さくらんぼ狩りでも有名なところのようです。
http://www.rurubu.com/season/summer/mikaku/list.aspx?KenCD=10&kc=1
北関東から甲信越は
いつか、近いうちに是非訪れてみたいです
「霊験あらたか」はテレビ番組の影響で
手本として選びました。
丁度、娘にテレビで「ぶっちゃけ寺」やってるよ」
と言われて観てみると
なんと伊勢神宮の特集のスペシャル版。
http://www.tv-asahi.co.jp/bucchakeji/backnumber/0033/
「土産」の語源は
当時、お伊勢参りに来られなかった人に
宮笥(みやけ)、神社の配りもの、
(笥は入れ物)を持ち帰り
たいそう喜ばれたとか。
伊勢神宮の参道を歩きながら
その木陰に癒される様子を
お坊様から
「おかげさま」の語源が
緑陰の陰にあったことなどの
お話があり、
楽しく、目から鱗でした。
何よりも
その森厳としたたたずまいに
テレビを通じてでありながら
心洗われる思いでした。
そのときに浮かんだ言葉でしたが
皆さんと森の神社に
お参りにでかけたような心持でした。
書の時間の間、数枚書いて
お隣のレクリエーションに参加したり
エアロバイクをこいだり
マッサージを受けてきたり
そのあとの講評にまた
戻って参加下さる方もおいでです。
何か
大学で必修科目を無理やり
「やらされる」大学生とは異なる
とても有意義な過ごし方を感じます。
もちろん、
高齢者のみなさんは
ある時期、必死に頑張り
特に戦争の一番厳しい現実を生きるという
壮絶かつ豊富な実体験をお持ちだからこそ
自由を得てなお
充実した時間の使い方ができるのでしょう。
今、知育幼稚園が
大人気ともいわれていますが
知識先行ではなく、
感受性をはぐくむこと
先に進まず、その場にたたずみ
気配を感じたり
五感を研ぎ澄ますことをなくして
人間たることはできないように感じます。
さくらんぼや葛切り
季節の食を喜び
霊験あらたかな
聖なる自然にひれ伏し
はかなげな命の象徴であるような
ほうたる 蛍 の生命力を感じ
日々の営みに
ふと一息
ただ
墨と筆とが織りなす文字に
触れただけなのに
その背後にある
高齢者のみなさんの積み重なる
生きざまや思いを受けて
得られた境地でした。