~温故知心~@観世能楽堂 | Maki Murakami Official Blog

6月10日(金)


梅東京青年会議所 「和のこころ」

 ~温故知~@観世能楽堂




凸凹 社団法人 東京青年会議所の月例会が



一般にも公開され、和文化をまちづくりの一環として



発信していきたいと活動をはじめた仲間と



今月2回目の渋谷の松濤は観世能楽堂キラキラ



① 和泉流狂言師の野村万作氏の基調講演



② パネルディスカッション


  (観世流能楽師 ・ 筝演奏家 ・ 日本サッカー名蹴会会長)



③ ダイジェスト版 能「羽衣」


と、かなり盛りだくさん、豪華版プログラムきらきら!!でした。


東日本大震災で延期になったそうですが


運営の側のみなさん、本当に大変だったことと思います。


そして一般公開にしていただけましとこと


心より感謝いたしております薔薇



ただ、全体を通して休憩がなく hghg、ちょっと


席を立って動けるとよかったです。遅れてきた


友人とも合流できず残念でした。


(第三部のみ入退室はご遠慮とあり、


他は自由という意味だったかもしれませんが


他の方がご覧の間に席を立つのが


はばかられる雰囲気で難しかったですね)


最近は、内容がかなり充実しているイベントが


多い反面、ゆとり、余裕、余白のような


遊び部分が望まれるのかもしれません。





凸凹 第一部では、野村万作氏の具体的な演目の演じ方についての



お話など大変興味深くお聞かせいただきました。



全部で254ビックリマークあるという狂言のうちのひとつ、



「川上」 のお話はとても印象に残りました。

  


http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc12/enmoku/kawakami.html



盲目の男が川上という霊験あらたかなお地蔵さまに参詣し、目が



ひらくようにしてもらい、大喜びで杖を捨てて帰宅。



ただ、お地蔵さまが、妻と別れなければ目がつぶれると警告。



しかし、二人は別れずにいると、やはり目が見えなくなる。



最後に妻に手をひかれるように去る演じ方に疑問をもたれた



万作氏は、夫婦ともに寄り添うように去って行ったそうです。



ローマでの上演の際、それをご覧になった観客席の



ご夫妻が手をとりあったことを聞かれ嬉しかったと話されました。


私は、杖を捨てた、とお聞きした時点で


奥様がその男の人の「杖」になるのだと感じました。



狂言を人間賛歌の劇と呼ばれ、世阿弥の



「幽玄の上階(じょうかい)のをかし」を引用されながら、



品格のある笑い、役に対するやさしさを説かれました。



凸凹 第2部のパネルディスカッションも


能舞台上で行われ、出演者が皆さん洋装でも


足袋を身につけておいででした。足袋の着用が


舞台上での規定であるようです。



凸凹 和のこころというテーマで


相手のことを思いやるということが


話題になりましたが、それでは、こんなにも


便利になり、お膳立てはされている、自分で


なにもかもコントロール出来る錯覚に陥る


文明の利器にかこまれ、どうやったら


相手のことを思いやることができるのか


という点が気になりました。


お三方のお話から、


自分の型をしっかり持つことが基本であると


感じました。




凸凹 サッカー選手としての「ベストを尽くして


相手に勝とうとすること」がそもそも


相手への礼であると語られた


金田喜稔氏のお言葉もしかり。


12-13歳までの神経系が発達するときに


ボールコントロールができるようにする。


名プレーヤーの真似をしながら自分の型を


つくる。そうしないと指導者によって左右されて


しまったりする。これはあらゆる芸能、


生活にも通しることですね。



凸凹 能楽師の山科彌右衛門氏からのお話では


子どもの稽古は「がまん」に尽きる。


初めから終わりまで真剣に稽古をする。


そうするうちに自然とできるようになる。


(大人ははじめはよくてもだんだんたらける)


プロの稽古では、大学卒業くらいまでに


基本を身につけなければならない。


師匠の内弟子となり、食事の作法など


生活での修行が舞台にあらわれる。


(師匠が口にするまで食べない。師匠よりも


先に食べ終わる・・・など)




凸凹 JCのOBで、筝演奏者、江戸しぐさなどを


教えておいでの酒井悦子氏は、


「稽古を通じ、ものの道理を学ぶ」と語られました。


舞台に上がるものとして、主役の人が失敗したら、


いなくなったら、自分が主役・・・のような気持ちは


皆もっているけれど、「舞台には魔物がいる」といわれ、


やはり、自分が、立場をわきまえる、足るを知る、


自分が一歩引き、心の中で相手を立てる


気持ちが重要であると話されました。




凸凹 「羽衣」の舞台では、先日の


「まちの縁側サロン:能遊び」@六本木一丁目で


小鼓をご披露くださいました住駒充彦氏がご出演で


嬉しいような、手を振って応援したいような心持ちで


おりました音符


足の運びをご覧ください・・・とご案内いただきましたとおり


静かで、余韻のある表現を堪能させていただきました❤


また、私たちは、いつものように


地謡、大鼓・小鼓・太鼓・笛・後見の皆さんが


相手の様子をうかがいながら順々に


静かな所作で立ち上がり退場されるお姿、


上演中の扇の扱いなど、惚れぼれキラキラと拝見しており、


是非、子ども(大人も)に伝えたいと話しました。



本日の経験を参考に、また私たちの活動でも


いい発信ができるよう心をこめてまいりたいと思います双葉