空よりも天高く -5ページ目

桜がさいたら

今年は桜が遅いと思っていたのに、
ふと気がつけば満開になっていました。

その後、肺の検査結果は問題なしでした。

それを当たり前のように受け入れ、
少し健康に気を使いながらも、またいつもの生活に戻っています。


3年前の今日は、病院の集中治療室で
首からたくさん管を出して、ほとんど寝ていました。

本来であれば、楽しいはずの3年前のこの日は
なんとも味気ない一日となったことでしょう。


熱にもうろうとしていたこともあってか
ICUにいた時の記憶は、とても断片的にしかありません。

しばらくして、個室病棟に移った時には、
桜はもう咲いていませんでした。



人は、つらいことを忘れるようにできていると
聞いたことがあるけれど

喜びもまた、時間と共に薄れていくものです。


"女の子なのに、気遣いが足りない!"
ブツブツいいながら、ベッドに寝たきりの私に
せっせとシャンプーしてくれたベテラン看護士さん


焼肉が一生食べられないといわれて、愕然としたこと


遠くから届いた仲間たちからのビデオラブレター


回診に来てくれる真面目な若手先生に、
「エラソール」と裏であだ名をつけて呼んでいる
看護士さんに大爆笑


人口鼻がとれて初めて声を出せた日、
自分の濁声が悲しくて号泣したこと


疎遠になりかけていた
とても大好きで大事だった人の
突然のお見舞い


鼻と喉を吸引されるのが、とてもしんどかったこと


疲れているのに
仕事帰りにしょっちゅう寄ってくれる同僚


注射はいいけど、点滴は大嫌いw


いつも励まし祈ってくれていた
言葉のいらない親友たち


それから、、、


"変われるものなら変わってやりたい"と言った、母の言葉


体調が悪くても、毎日看病にきて、
お腹が痛くなるほど、笑わせてくれた姉


* * *


長いようで短い一年は、
あっという間に流れていって、

私は生活していくために、
同じ毎日を繰り返し、
大事なことをどんどん忘れてしまう。





でも、もし、私が忘れそうになったなら

この季節がやってきた時に、また思い出そう。


つらくても、とても楽しかったあの頃を。


桜を見たなら思い出そう。


愛に満ち溢れて、とても幸せだったあの毎日を。






"お誕生日おめでとう”


笑いの数と同じぐらい
貴方にしあわせがふってきますように