ロシアの有力紙イズヴェスチャが21日、ウクライナ問題に関連して日本に対する興味深い報道をしている。
「ロシアから日本への穀物輸出増大」という見出しで「日本は政治的には米国と連携して厳しい対ロ制裁を行っているが、経済に関しては、ロシアからのエネルギー資源の確保を重視するとともに、穀物、医療など制裁
対象外の分野で積極的にロシアとの経済関係を展開している」という主旨の記事である。
「イズヴェスチャ」はロシアのエリート層に浸透しているメディアである。
イズヴェスチャ紙のこうした見方は今後の日露関係の展望を読み解く上で頭に入れておきたい。
イズヴェスチャ紙の一部を読者の皆さんに紹介したい。
2023年の最初の5ヶ月間で、日本はロシアからの穀物輸入を5倍以上、つまり509.7%増加させたと日本の財務省が報告した。日本が制裁政策において、多くの西側諸国よりもロシアに対して柔軟な立場を取っていることは明らかだと専門家は考えている。
低いベースによる効果
日本への穀物供給が数倍も伸びたのは、低いベースの影響によるものだと、ロシア国家経済・行政アカデミー国際貿易研究センターのアレクサンドル・フィランチュク上級研究員は述べた。
「供給総量は46,000トンで、前年は7,000トンであった。ロシアからの穀物輸出は数千万トンに上るにもかかわらず、日本の穀物市場におけるロシアのシェアはほぼゼロ(0.5%)にとどまっている」と専門家は計算した。
イヴァ・パートナーズICの専門家、アルテム・クリューキン氏も同じ意見である。彼によると、ここ数十年、日本はロシアの貿易相手国トップ10の最後尾に位置し、ロシアの対外貿易の約3%を占めているに過ぎない。さらに、ロシアの輸出の大部分は伝統的に鉱物原材料で占められており、日本はロシアに自動車を積極的に供給している。
「日本は、ロシアのガスと石油の供給を拒否しない権利をワシントンに交渉することができたが、一般的には反ロシア制裁を支持しており、すでに多くの複雑な事態を招いている。特に、ロシア側は、日本の漁民がロシアの領海で獲る魚介類の漁獲枠に関する合意を更新していない」と分析専門家は言う。
ロシア国民経済・行政アカデミー社会科学研究所政治学部国際政治・対外地域研究科のマキシム・ガマレイ准教授は、「このような大幅な成長率自体は、楽観も悲観もする理由にはならない」と付け加えた。
「今年起こった日本国内市場での小麦価格の上昇は、伝統的に米やトウモロコシの消費量の増加によって補われる。国民生活に根本的な影響を与えるものではない。同時に、5月にはアメリカからの供給品から遺伝子組み換え穀物が発見されたため、日本と韓国は主要輸出国からの購入を停止した」とガマレイ氏は振り返った。
ガマレイ氏によれば、日本は小麦やその他の穀物の主要な輸入国であるだけでなく、アジア市場への穀物や小麦粉の最も重要な供給国のひとつでもある。
「したがって、日本経済の利益のためには、他の供給国からの購入を増やすことで輸入不足を補う必要がある。今回のケースでは、ロシアである。日本がこれまでに購入した穀物全体の数字は、過去8年間に見られたような穀物輸入の大幅な増加を示していない。つまり、今起きていることは、両国間の関係の質的変化の結果ではなく、穀物市場の変動に適応するという日本の伝統的なメカニズムの結果なのだ」とマキシム・ガマレイ氏は付け加えた。
読者の皆さんとも、さまざまな情報を共有して行こうと思う。
24日のコメント
さださん、新聞各社は取り上げています。
sugibenさん、テレビ局の夜の報道番組では取り上げていました。
慎一さん、検察の身勝手な上から目線の判断で人生が狂わされることはあってはなりません。
ひでおさん、いつも貴重な歴史を有難うございます。