過日のこと。 地下鉄今出川駅から、一条通を西に入って、室町通りを下がると。
富岡鉄斎の終の棲家だった、旧邸が公開されていました。
京都市美術学校などで教鞭をとりながら、1万点以上の書画を残し、宮司でもあった、最後の文人。
大正時代の建築物が、京都府議会議員公舎として使われたあと、今年の1月に大改築が終了しました。
玄関は、網代天井と、竹を貼った床。
ほっほっほ、ゆっくりしてってや。
炉が切られていない茶室の、福寿庵です。 庭側の入り口には、腰障子。
茶道口の太鼓襖と、踏込床の床の間。 そうして、鉄斎の書画。
その奥の和室。 新しい畳に、会議用の机と椅子が置かれている。
「朝晴の雪図」です。
窓の向こうに、西の庭。
ランプシェードやドアノブなどに、モダンな清水焼が使われています。
実際に使われていた、「無量寿仏堂」との画室。 大改築で、和洋新旧の折衷です。
鉄斎下絵の、欄間の彫刻がしぶい。
二重の落掛床の間に、宇宙をのぞくような丸窓と八角窓。
そうして、豪快な「昇天龍図」。
日当たりのいい縁側、ずっと使われてきた踏み石で庭に出られます。
その庭には、鉄斎お気に入りの石燈籠と、ムベの木が。
現代に戻って、小会議室で陳列を拝見します。
更に、大会議室。 鉄斎さんのレクチャーを、聞いてみたい。