釣女で思う莟玉のこれから | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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NHKの日本の芸能、4月10日の再放送で、「釣女」を拝見しました。

 

昨年12月の、南座顔見世興行の映像です。 思い出しますね。

太郎冠者は愛之助、醜女は鴈治郎。 この息がぴったりです。

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鴈治郎の醜女、ぽっちゃりタイプで、情が深くて福がもらえそう。

 

嫌がる太郎冠者も、最後は釣り返されて、まんざらでもなさそう。

番組中でも、愛之助が「ピュアでプリティ、それで滑稽」とは、やっぱり惚れてるね。

 

今回ゲストの莟玉も、「可愛くて福々しい」とは、がんじろはんをよく見てはります。

 

対する、大名某と上臈が、美男美女なのが、いいんです。

「女蝶男蝶の仲も良く」(常磐津)だって。 そのお二人には、隼人と莟玉。

 

はい、今回の主役は、番組ゲストの莟玉です。

南座の遠い3階席ではなく、アップで演技が観られるのがうれしい。

 

あらためて間近で観ると、この人は丸くてやわらかいのが、特長です。

体の線がぶれずに、目線が落ち着いています。 なんといっても、肌がきれい。

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「釣女」のあとは、莟玉のお話。 8カ月、2歳、4歳の写真が、かわいい。

7歳の時、歌舞伎座で頬被りで遊んでいて、花柳福邑に誘われて、舞踊を始めたんです。

 

そうして、8歳の時に、梅玉の部屋子になったんですね。

師匠によると、「大らかな、大きな舞台姿になる役者」になってほしいそうです。

 

それから、「覚えがよくないけど、それも良いところで、教えると食らいついてくる」とか。

莟玉も、「自分がそうだったように、歌舞伎がいいなと思わせる役者になりたい」とは、いい言葉。

 

テレビで拝見しても、柔らかい物腰の中に、芯の強さを感じます。 やっぱり、肌がきれい。

 

さあ、どういう役者になっていくでしょうか。 扇雀さんのような位置取りも、いいと思います。

 

(南座で「釣女」を観た時のブログは、こちらで。)

https://ameblo.jp/munakatarei/entry-12560202056.html?frm=theme