【店長のうんちくコラム その21・コーヒーとスイーツの相性について】 | 丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

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おしゃべり好きな銀座のコーヒー屋店長が、仕事では伝えきれないコーヒーについての思いやうんちくや、たまにコーヒーとは関係ないネタ話などをアップします。
コーヒーとアソブ楽しさ、みなさんに届きますように。

余談ですが、今回のコラムを書くきっかけはお客様と「コーヒーにちょい足しして美味しいもの」の話をしたことでした。

紅茶や抹茶などのお茶類をちょい足ししたものは昔販売されているのを見たことがありますが、ラム酒やコーヒーカクテルでお酒を足すことは普通にありますし、ここ最近ではオレンジやレモンなどのフルーツ、ミントやエルダーなどのハーブを足すこともよく見かけるようになりました。

さらに当店では桑の実(マルベリー)のシロップをちょい足したコーヒーを現在お出ししています。

そう考えると、コーヒーっていろんなものと相性がいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが…。

 

コーヒーに本当に合わないものって存在するんです。

 

現時点で個人的に人生で最も衝撃的にまずかったちょい足しは「ピルクル」でした。

ピルクル自体はとても好きで、よく職場の冷蔵庫に入れているのですが、ある日ふと思い立ってコーヒーに入れてみたら、さぁ大変。

たぶんほとんどの人は口に入れられても飲み込めないと思います。

本当の本当に危険ですえーん

乳酸菌飲料は牛乳とは違うんだと改めて思い知らされた一幕でした。

※いないとは思うのですが…、万が一ピルクルコーヒーが好き!という人がいたらお詫びします。

 

というわけで、今回のテーマはフードペアリングについてです。

 

【店長のうんちくコラム その21・コーヒーとスイーツの相性について】
ネットや雑誌などでコーヒーの話題を追っていると、「フードペアリング」という言葉がここ数年でとてもよく見かけるようになってきています。
直訳すると「食べ合わせ」のことですが、たとえばワインと食事を合わせるように、コーヒーとスイーツなどを合わせることにもよくこの言葉を用います。
土日限定で提供している店長のセットもこのフードペアリングを重視してお茶菓子とコーヒーの相性を考えて提供しています。


※カフェセットを始めた当初、マスカットの求肥包みを出していたことがありました

そんなフードペアリング、現在ではAIを用いることがとても多くなってきています。
もちろんそういう技術を利用できるのは大きな企業がほとんどですが、スイーツの味わいをデータとして分析・入力すると、どんなコーヒーが合うかの提案が自動的に出てくるものです。

そうはいっても、相性というものは(特に嗜好品に関しては)それを口にする人の好みが大きく影響します。
だからこそ必ずしもそれらに正解があるわけではないのですが、コーヒーとスイーツの合わせ方を工夫することで、単一で味わうのとは違った味わいを生み出すことがあることがとても面白いです。

〇スイーツにコーヒーを合わせるコツ
スイーツに合わせるコーヒーをお探しのお客様に普段からお勧めしていることは以下の3項目です。

1.スイーツの「甘さ」とコーヒーの「苦み」の度合いを合わせる
スイーツの甘さが強ければ苦いコーヒーを、甘さが控えめなら苦みも控えめのコーヒーが相性が良いです。
さっぱりとしたクッキーに濃厚なコーヒーでは苦みが勝ちすぎますし、あんこやチョコのような甘いものに軽いコーヒーでは物足りなくなります。
スイーツが甘さとコーヒーの苦みを「比例させる」のがおすすめです。

2.スイーツの「味の濃さ」とコーヒーの「コク」の度合いを合わせる
例えば和菓子は甘さがあっても生クリームのような動物性油脂分由来の重さはないため、コク(味わいの複雑さ)が控えめのコーヒーを選ぶと相性がいいです。
具体的に挙げてみると、大福やどら焼き、団子などはブレンドしてあるコーヒーではなく、すっきりとした味わいのシングルの豆を。
逆にクリームたっぷりのケーキやモンブラン、ガトーショコラなどは重さが必要なので、たとえ甘さが控えめなスイーツでもコク(味わいの複雑さ)のしっかりしたものの方が相性が良いです。
コクのあるコーヒーとして分かりやすいのはブレンドされているものです。
複数のコーヒー豆を混ぜることで味わいに複雑さと厚みを持たせます。
ブレンドされていないシングルのコーヒーでもコクのあるものは多くあるのですが、良質なコーヒーであることが多く、少し値段が高くなる傾向があります。

3.スイーツの香りと共通点のある(もしくは相乗効果が期待できる)香りのコーヒーを選ぶ 
簡単なようで少し難しいポイントですが、例えばフルーツタルトにはフルーティーなコーヒーを、チョコケーキにはカカオのような香りがするコーヒーを合わせると相性がよくなります。
ただ、そういう単純な方法だけでなく、ミルキーなもの(例えば生クリームを使ったシュークリームやマリトッツォ)にミルキーな香りのタイプのコーヒーではなく、キャラメルや黒糖のような香りを持つコーヒーと合わせても美味しいです。

上にいろいろ挙げてはきたのですが、偶然見つかる相性もとても多いのがフードペアリングの面白いところです。
試しても試しても終わりがない、楽しいコーヒーのテーマの一つです。