コロナ禍のこと。その3 休業中のことと、休業明け直前の焦り | 丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

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おしゃべり好きな銀座のコーヒー屋店長が、仕事では伝えきれないコーヒーについての思いやうんちくや、たまにコーヒーとは関係ないネタ話などをアップします。
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初めての緊急事態宣言ではビルが休館したため店も開けられず、シャッターが下りた暗いビルの地下で細々と通販作業をしていたのですが、当初は1か月間で緊急事態宣言が終わると思い込んでいたため事態を軽く考えていました。

とりあえず協力金がもらえる見込みなこと、3月に先手を打って融資を受けていたこと、そして営業再開後はこの反動から忙しくなるだろうと考えていたので(しかもまだ繁忙期の5月)、この隙に店舗の補修をやれるだけ全てを詰め込もうと思っていました。

 

なぜかというと、その前年に店を全面リニューアルしたのですが、工事の不具合があまりに多く、今覚えているだけでも20か所以上も新装開店後に手を加えていました。

天井と壁の隙間から砂のようなものが落ちてきたり、壁から釘が出ていたり、床の塗装が1週間ももたず剥がれたり…

その中でも、カウンターテーブルの天板が飲食店とは思えないほど防水加工がされていない塗装だったため、剥げたり汚れたりと問題を引き起こしていました。

というわけで、まず真っ先に手を付けたのはこのカウンターテーブルの補修でした。

コロナ禍で外注できるか心配だったのですが、相談や見積もりは担当の方が丁寧に対応してくれて、さらに後日工務店さんがわざわざ天板をとりに来てくれてとても助かったことを覚えています。

※天板を外して業者に渡すところ。このままでは塗り直しができないので、工務店に持ち帰ってもらって薄い板をこの上から貼ってもらいました

※取り付けなおして塗装し直し。今はとても満足のいく仕上がりです

 

 

緊急事態宣言も明けると思っていた4月下旬、宣言の延長が発表されました。

感染者数が減らないことから、日に日にその可能性も考えていったのですが、不安な気持ちも高まってきました。

 

その大きな問題が資金でした。

 

これは家賃や雇っているスタッフの多さによってどれだけ影響するかはそれぞれですが、当店の場合は協力金では明らかに足りない状態で、なおかつ協力金は休業している間に支給されるのではなく休業明け2~4週間後に支給される予定だったため資金繰りはかなり悪化してしまいました。

簡単な例を挙げると、この時の協力金は1か月あたり50万円という定額でしたが、家賃と人件費で全て無くなってしまう計算です。(しかも休業期間にもらえない…)

通販に力を注いでいても、コロナ前には一日40人以上の来客があったのが、緊急事態宣言中の通販の注文は一日10~20件。

以前の半分も稼ぎ出せない状態でした。

さらに店の改装工事のために受けた融資返済が始まっていたため、毎日の生活費はほぼコロナ融資で賄うような状況でした。

 

そんな中、迎えた5月下旬の支払日。

実はほぼ資金がショートする見込みでしたが、なんとこの支払日当日に持続化給付金の支給が間に合ったのです。

 

「持続化給付金」といえば不正受給が横行して非難されることも多いのですが、実は申請から支給までがとても短く、当時ツイッターを見ていたら当店同様救われた店や企業も本当に多くあったようでした。

不正を警戒して支給が遅ければ、どれだけの店が廃業していたか…

本当に今でもこの持続化給付金には感謝しています。