【店長のうんちくコラム その16・コーヒーの味わいを決める組み合わせpart4】 | 丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

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おしゃべり好きな銀座のコーヒー屋店長が、仕事では伝えきれないコーヒーについての思いやうんちくや、たまにコーヒーとは関係ないネタ話などをアップします。
コーヒーとアソブ楽しさ、みなさんに届きますように。

台風の影響も考えられた土日ですが、今のところ比較的穏やかな雰囲気の銀座です。

ただ、少なくない数の常連様が千葉在住なのでとても心配です…。

一日も早い復旧を願っております。

 

栗のパウンドケーキやかぼちゃのラスクなど、秋限定商品の入荷も始まってきています。

コーヒーは秋ブレンドの「名月」が昨日から販売開始になりました。

 

 

まだまだ暑い日が続きそうですが、スーパーやデパ地下は秋の味覚が満載でとても魅力的です。

ちなみに、先週・今週とイートインの「店長のおまかせセット」のお茶菓子は栗でした。

 

※この時期のラスクは3種類です

 

【店長のうんちくコラム その16・コーヒーの味わいを決める組み合わせpart4】

※この記事はペーパードリップでの抽出を前提にしています。プレスやサイフォンなどはこの通りではありませんので予めご了承くださいませ

 

全4回でお届けしているコーヒーの味わいの決める要素についての解説、その最終回です。

すんなり納得できる方もいれば、難しくてよく分からないという方もいると思います。

難しいと思う方は、内容にあまりとらわれずいろいろと試すことを楽しんでほしいと思います。

ペーパードリップにおいては「最高の抽出の仕方」というものは存在しないので、あくまで「自分にとって一番良いやり方」を見つけてほしいです。

 

それではこれまでの総括として、分かりやすいポイントだけを抑えて解説します。

 

〇コーヒーの味わいを決める4つのポイント

1.       「コーヒーの焙煎度」

焙煎度とはコーヒー豆の焙煎時間による味わいの変化を大まかに8段階に設定したもので、それをさらにざっくり3つに分けた言葉が「浅煎り」「中煎り」「深煎り」です。

それぞれの特徴は以下の通りです。

浅煎り 酸味量が多く、苦みが少ない。また、味わいの成分が抽出しづらく、薄くなりやすい。香りが個性的

中煎り 酸味・苦みがバランス良い。比較的味わいが抽出しやすいため、味わいの出し方(味の取捨選択)の幅が広い

深煎り 酸味がほぼ無く、苦みが味わいのメイン。成分がとても出やすいため、濃く苦くなりやすい。香りが香ばしい

 

2.       「挽き目(粒度)」

コーヒーは抽出器具に合わせて推奨される挽き目が異なりますが、ペーパードリップで使用できる粒度はとても幅広いです。

細かくすればするほど成分が出やすく、粗くすればするほど成分が出にくくなります。

細挽き しっかりガツンとした味わいになる反面、雑味も一緒に出やすい

中挽き 比較的安定して成分が抽出され、雑味もある程度軽減される

粗挽き コーヒーの成分が抽出しづらいが雑味が比較的抑えられる。味わいを出すには抽出に工夫が必要

 

3.       「お湯の温度」

ペーパードリップに適したお湯の温度は一般的に90℃前後(85~95℃)といわれていますが、実際のコーヒー業界では極端な例も含むと60℃~98℃と幅広いです。

温度でどのような味わいの変化があるかというと、温度が低ければ低いほど成分が抽出される時間がゆっくりになるため味わいは軽い印象に、温度が高いほど全ての成分が出切るまでの時間が早まるため味わいは重い印象になります。

95℃以上 しっかり成分が抽出される。抽出しづらい浅煎りや、粗挽きを使用するときにおすすめ

85~95℃ 比較的安定して成分が抽出される温度。まろやか好きは85℃、しっかり好きは95℃で

85℃以下 成分が抽出しづらくなるが、口当たりがとてもまろやかに。苦みが苦手な方や、抽出に時間をかけたい(ゆっくりお湯を注ぎたい)人におすすめ

 

4.       「抽出のスピード(ドリッパーの性質と+お湯を注ぐ速さ)」

成分が出る速さ(お湯の温度が一定)だと仮定した場合、注ぐお湯の量が多ければ多いほど落ちるスピードも速くなります。

特に速く落ちやすい構造のドリッパーほど味わいに変化が起こりやすくなり、さらにお湯を注ぐスピードが遅ければ遅いほど成分量は多く重い印象の味わいに、速ければ速いほど成分量は軽くなりすっきりとした味わいになっていきます。ちなみに一般的にドリップ時間の基準の目安は「3分」です。

抽出スピードが遅い しっかり成分が抽出され、濃く重い印象になる。お湯の温度次第では雑味がやすい

抽出スピードが3分前後 バランスよく抽出され、口当たりや後口に柔らかさを出すことができる

抽出スピードが速い  雑味は出づらいが、コクや苦みが抽出されにくい。薄い印象になることも

 

この4つを“上から順に”(味わいに与える影響が大きい順に)どう組み合わせるかが、自分好みのコーヒーに仕上げるポイントです。

例えば「1焙煎度」を浅煎りにすると、成分が抽出されづらいので「2挽き目」では細挽きに、この時点で普通に落としても問題がないので「3お湯の温度」を90℃に、それでも苦みはいらないので「4抽出のスピード」を速めに2分ちょっとで落としてみる。

そんな組み合わせがコーヒーのペーパードリップを構成しているのです。

ちなみにコーヒーに飲みなれると自分の好みがだんだん分かってくるので、「1」と「2」がだいたい決まってくれば、その上で3と4で味わいの変化を楽しむ、という方も多いです。

 

みなさんもこれらを参考にぜひいろいろ試して楽しんでくださいね。