コロナ禍のこと。その1 緊急事態宣言前のお話 | 丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

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おしゃべり好きな銀座のコーヒー屋店長が、仕事では伝えきれないコーヒーについての思いやうんちくや、たまにコーヒーとは関係ないネタ話などをアップします。
コーヒーとアソブ楽しさ、みなさんに届きますように。

このブログが日に日にアクセス数が増えてきていてとても感謝しているのですが、「店長のうんちくコラム」は通販サイトのコラムと連動しているため、今後は週一ペースでの更新になります。

というわけで、今回から前々から書きたかったコロナの話を連載しようかと思っています。

 

良くも悪くも、僕ら飲食店の経営者は世論を気にしすぎているため、正直な意見や思いを長い間誰にも伝えられませんでした。

もちろん、以前はよくSNSで見かけたようにコロナで得をした人も少なくないです。

しかし、圧倒的多数は未だに苦しんでいるか、すでに廃業に追い込まれているかのどちらかです。

そんな銀座で起こっていた”リアル”を少しでも書き残しておきたいと思っています。

 

【緊急事態宣言前のお話】

多くの人、たとえば企業に勤めている方や、それこそ市役所や銀行の融資担当者でさえ、僕らが最も衝撃を受け、予想外の苦境に立たされるきっかけが緊急事態宣言前だということを知らずにいるかと思います。

 

コロナが広まり始め、世間でも注目されるようになってきていた2020年3月の下旬、27日の金曜日の夕方に突如、土日を休業するように要請が入ります。

3月は我々コーヒー業界だけでなく、ほとんどの飲食・物販業界が繁忙期真っ只中です。

その中の土日を2日間とも休業するとなると、恐ろしいほどの損失になってしまいます。

 

また、うちの店は賞味期限の比較的長い商品を扱っているためまだよかったのですが、生ものを扱っている飲食店は系列店が営業している場合はそこに野菜を移し、1店舗のみの個人店などは廃棄することに陥ります。

混乱のさなか、多くの人たちが作業している悪夢のような夕方でした。

 

しかし、百貨店業界をはじめ多くのお店は感染症対策としてこの休業要請を好意的に受け入れました。

その後も休業が続くことも予想せず…

 

28日・29日と休業した後、翌週末も休業要請が出て、そしてとうとう4月7日に緊急事態宣言が発令されました。

繁忙期の土日4日間の売上は、閑散期の月間総売り上げの約半分程度にのぼります。

そしてこの4日間については全く補償されないものでした。

 

この先も休業する可能性があると想定しないと万が一の事態を生き残れないため、コロナ融資(ゼロゼロ融資)が開始されるまでにこの時点で一度融資を申請しています。

実際にこれがなかったら、その後の持続化給付金や協力金が下りるまでに廃業に追い込まれていました。

 

※緊急事態宣言初日の銀座ファイブ

 

これからどうなるか分からない状態で、店を維持するのはもちろんですが、このころは自分と家族の生活を維持することに全力でした。