朝鮮半島緊迫の速度が加速している。
軍関係者や専門家の間で開戦の契機はICBMというミサイルを北朝鮮が実験したその時とされている。ICBMはアメリカ本土東海岸まで届く大陸弾道ミサイルのことで、トランプ大統領はこれを許容しないという見方が強いのである。ICBM発射が100%開戦の契機というわけではないが、この開戦確率は50/50ぐらいには見ておくべきだとされる。(※専門家の中には核実験の要素も加味するともっと高いと断言するという方も)
この場合、北朝鮮は真っ先に日本にある在日米軍基地を攻撃すると公言しているように日本も対岸の火事では済まされない。日本が戦後70年の間で最も戦争の危機が高まっているといっても過言ではない状況になっている。
【アメリカ大統領と閣僚の動き】
・アメリカは日本を100%絶対に支持する 日米首脳会談2017
・マティス国防長官の早々の来日
・トランプ大統領 北朝鮮の振舞いは悪質。中国はほとんど協力しない。@ツイッター
・ティラーソン国務長官来日(※日本でいう外務大臣)アジアを最初に訪問するのは異例
①「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」 @首相官邸
②「過去20年間努力してきたが、北朝鮮の非核化は失敗した。脅威は増大しており、違う
アプローチが必要だ」 @岸田外務大臣との共同宣言
③対北朝鮮「忍耐は終わった」 米国務長官、韓国で会見
④状況の展開によっては日韓の「核武装の容認」も考慮しなければならない@韓国から
中国へ向かう航空機内
⑤朝鮮半島の緊張が非常に高くなっていて「事態はかなり危険なレベルに達している」と
の認識を米中両国が共有し、北朝鮮の姿勢を転換させるべく「中国との協力を決意」
@米中共同宣言
一連の発言から北朝鮮に対して最後通告とも捉えられる再三の警告をしており、この警告を破った際に軍事オプションを明言しているのもオバマ政権下の姿勢とは明確に異なっています。
【緊迫化する情勢】
・3/1~過去最大規模の米韓合同軍事演習 爆撃演習や斬首作戦を含む
軍事演習から戦争へという流れは過去の例からしてもあることでロシアなどは常套手段としている。一般の日本人の感覚では演習は演習と区別する認識だが世界における認識は全く別物だと捉えておく必要がある。増してこのような強い警告が出ている緊迫した状況ではなおさらである。
日本でも秋田県が弾道ミサイルを想定した避難訓練が戦後初めて行われた。アメリカではTOPニュースで伝えるメディアもあったほどに強い関心を持たれたニュースであったが当事者の日本では扱いは小さい。
【昨年末から急加速する北朝鮮の核武装への道のり】
・北朝鮮、核弾頭小型化に成功か 米軍高官が分析 2016/12/8
・北朝鮮、新型中長距離弾道ミサイル「北極星2型」発射成功と発表 2017/2/12
・北朝鮮「在日米軍を攻撃する訓練成功」 ミサイル同時発射2017/3/7
・北朝鮮、新型ロケットエンジンを実験 数年でICBM実用か? 2017/3/19
・北朝鮮がミサイル発射 「失敗」と韓国 2017/3/22
・北朝鮮、24日にもエンジン燃焼実験 ICBM用か 2017/3/27
大陸弾道ミサイル ICBMへの実験へと急ピッチで進んでいるのが時系列から明らかである。ICBMを成功させ、潜水艦に搭載するに至った場合北朝鮮の潜水艦が未熟とはいえミサイル発射を未然に防ぐのは難しく、アメリカのリスク管理としても危機のレベルが変わるとされる。
そのためその一歩手前であるICBMの発射実験を北朝鮮が行った時が開戦のタイミングであると言われる理由である。このタイミングがアメリカとしてはリスクを最小限に抑える事ができる限界の一線とされる。保守リベラル関係なく一部の識者が警鐘をならしているのはこうした事情に鑑みた末の見解といえる。
【韓国大統領選5月9日 告示日4月16日前の開戦の可能性】
韓国の大統領選はいずれも親北候補が有力とされ世論調査1位の候補に至っては真っ先に北朝鮮を訪問すると明言するなど、親中親北の政権へとスイッチする可能性があるとされる。アメリカを始めとする自由主義陣営はこの動きを非常に危険視しており、日本としても北朝鮮が核武装を急加速する中で朝鮮半島が独裁政権や共産主義に傾倒する事態は危機的である。
高橋洋一氏を始め、宮崎哲弥氏、北朝鮮の評論家なども告示日4月16日前は開戦のリスクが非常に高いと解説する。
政治日程を考慮すると、近いうちに危険な事態が起きかねないと憂慮している。つまり、北朝鮮が在日米軍を名指しして、ミサイル4発の同時発射実験を行ったことを受けた、米軍による先制攻撃である。さすがに韓国の大統領選中に実行するのは厳しいだろう。
しかし、4月16日の告示前であれば、一応名目も立つ。反米政権の誕生を阻止できるかもしれない。しかも、米韓合同軍事演習中なので、実戦を仕掛けやすい状況だ。過去にも、米国は演習中に実戦へ移行したこともあった。 ~抜粋終わり~
つまり、韓国が独裁の北朝鮮と共産主義に傾倒する前にアメリカが動く可能性が十分に考えられるという事である。仮にこの可能性が20~30%というレベルであったとしてもプロ野球の3割打者がヒットをうつ可能性で置き換えると30%ぐらいでもとても無視できるレベルの話ではなくそれが戦争リスクともなればかつてないほどに緊張しているのが想像に容易い。安倍首相が言ったように新たなステージになっているという言葉の意味をしっかり認識する段階にきている。
【日本の安全保障】
日本には自衛力はあっても敵地攻撃能力はないとされる。これは軍の規模や軍備などから明らかであると軍事評論家の小川氏が指摘しているようにきっとそうなのであろう。
また北朝鮮のミサイル同時発射の持つ意味は単発のミサイルは迎撃できても、北朝鮮がミサイルを集中的に発射させ飽和攻撃をしてきた時に、残念ながら日本はこれを全て迎撃できる可能性は少ないともされる。それゆえ迎撃防衛システムの拡大と充実が急務とされるが、安倍政権下では防衛費は増額されてはいるものの日本の安全保障を十分に果たすにはまだまだ予算が足りていないのが現状だという。
日本の防衛予算は5兆円程度であるがこれがGDPの1%程度で世界水準は2%。日本でいえば10兆円がその目安となる。中国の尖閣への圧力増加に垣間見える東シナ海進出の意図も考えるとGDPの3%相当でようやくとみる専門家もいる。中国は公表していないものの軍事費は50兆円という説もあるように防衛するにはその程度は最低限必要であろうという解釈かと思われる。
また、北朝鮮有事の時に中国軍による尖閣占領や朝鮮半島からの避難民などの対応も考える必要があると江崎道朗氏が指摘するようにこれらの課題も政府は検討する必要があるとされる。先日国会でこの点について維新の足立氏が質疑を行っていた。他にも無所属の一部の議員も安全保障についての質疑を行っているが、一方で民進党共産党 社民党 自由党などは森友一色の質疑を行っている。こうした野党の危機感のなさや倒閣に専念する姿勢は本当に憂慮すべきである。
続報は下記記事に