けものフレンズ11話 感想とおさらい | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

 

 

 脚本が丁寧に作り込まれた作品は視聴者の側で自ら補完して楽しみを見つけだす。けものフレンズはまさにそんな作品ではないかと。

 

 

EDに入る直前の私の様子

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 やられた・・今回ばかりは本当にしてやられた気分である。 ここ最近は怒涛のごとく伏線や設定が明らかにされていたことから、専ら考察中心に楽しんで視聴していた。今回も重要な言い回しがあったが、全然それどころではなく、まったく頭に入ってこなかった。(笹食ってる場合じゃねーみたいな)

 


最初に全体の素直な感想から

 ラスト5分での畳みかけに頭が真っ白になり、頭が整理されるにつれて涙が。けものフレンズでまさかこんな展開を見せられるとは思っていなかった。心のどこかでは可能性は意識していたものの、なるべく考えないようにしていそんな展開に。

 

 

冒頭からセルリアンに襲われるハラハラドキドキの展開に始まり、ピンチに新しいフレンズが駆けつけ助けてくれる熱い展開。そして、待ちに待ったアライさんとフェネックとの遭遇。かばんちゃんは人間の知恵を発揮し、困難な局面を打開する。合間にはボスがお約束のポンコツぶりを発揮しコミカルを演出。

 

 

10話まで見てきて慣れ親しんだ、けものフレンズの世界観や演出が随所にふんだんに施されていて、これだけで十分に楽しめるようなエピソードだった。が、11話はそこから先があった。胸が熱くなる展開に、もうダメだと絶望すら感じるとこからの逆転、そして・・・悲しい結末を想起させるような涙の展開。そのような先が読めない状況での次週。やばい・・やばすぎる。

 

 

 たった一話二十数分程度の中に、これだけ浮き沈みのある話が詰め込まれた作品を見たのはいつだっただろうか。すぐには思い出せないほどに久し振りに見たような気がする。

 

 

展開こそ違えどシュタインズゲートのどん底の絶望からの起死回生の勝利フラグを思い出します。

   ・一流は客の期待に応えるものを提供する

 ✓・超一流は客の想像を超えるものを提供する

 


 

 

感想に入る前に、再視聴し重要と思えるポイントをおさらい。

けものフレンズ10話のおさらい

  •  サンドスターの山にいるセルリアンは黒い
  •  ハンターの登場(キンシコウ ヒグマ リカオン)
  •  ボスがガイドを中断し独自の行動を申し入れる
  •  セルリアンに食べられると、お話が出来なくなり記憶を失う
  •  サンドスター濃度=噴出と関係がある ボスはこれを検知警告できる機能を持つ
  •  ”かばん『達』は待っていて”  ボスはフレンズと会話こそしないが認識している事が確定。ロー プウェイで降りるくだりでそれらしい様子はあったがここで確定

 

◆四神 、黒いセルリアン関係

・大きい(黒い)セルリアンはサンドスターの供給が追い付かず自滅する

セルリアンのエネルギーはサンドスターであることが窺われ、不足するとエネルギー切れで消滅すると考えられる。サンドスターを求めフレンズを襲うのはこれゆえか

  

・山から噴出する黒い噴煙を吸収している様子があり、これにより回復・形態変化までが可能となっているようである

⇒未来「黒いセルリアンを倒すには山のフィルターを張り直す必要がある」

黒い瘴気はサンドスターと一緒に出ているが、サンドスターとは別の物質の模様

 
黒いセルリアンは太陽の方向に向かう。海を嫌がっている
⇒海水に弱い金属物質が元ののか

 

・四神は黒い瘴気をブロックする山のフィルターを張るための装置のようである。

→これまで四神は神聖なフレンズではないかと予測したが、フレンズではなく石版のようなもの

埋設された重要なもの=四神の石造そのもの

 

黒い瘴気はサンドスターローの粒子  

→四神の像(石板)がこれをフィルタリングしている島の宝といえる存在


未来さんは四神を無事並べ下山し、島内を彷徨っていると思しき巨大セルリアンの退治に向かう

未来「フレンズの皆さんを避難させてからとはいえこの島に”あんなもの”が

 ”あんなもの” とは、巨大セルリアン or 黒い瘴気を生みだす何か 後者かな。

 

 →未来さんは下山していることが明らかになる。これによりサバンナ地方まで移動していた可能性も十分に考えられ、『かばんちゃん=未来さんのフレンズ』説を補強する示唆といえる。しかし、容姿が全然違うことについての整合性はまだ説明はできない。

 

・黒いセルリアンは硬いが、フレンズを捕食する前後でゼリー状のように表面が軟化している様子

 

・サンドスターロー(黒い瘴気)が大量発生するとボスは緊急避難モードになる

→かばんちゃんを暫定パークガイドに認定、権限を付与

 

◆その他

・フレンズには野生解放という特殊能力があるようである

 

・(かばんちゃんの登山スピードがやばい)

 

五合目に戦闘機らしきものの残骸がある。未来さんが乗ってきたものとは別物か

 サンドスターの山を攻撃したのか、あるいは例の大きいセルリアンを殲滅するのに使ったのかは不明。いずれにせよ返り討ちにあってると考えるのが自然か。空母で来たのでないなら、わりと近くに軍事基地がある可能性も。

 

・未来さんの同行者にはカラカルという、人間?フレンズ?もう一人の同行者がいる

 カラカルというネコ科ぽい動物が存在するのでおそらくフレンズ

 

・かばんちゃんの頭にはバンダナのような髪留めがある?
 フレンズ化との関係でも少し気になる。

 

山頂からパーク外にもう一つの島が見える

 かばんちゃんがもっている地図にもそれらしき小島と大陸のようなものが記されている。

 

・アライさんとフェネックは、他のフレンズをセルリアンに近づかぬように避難させている

 来週フレンズの救援の可能性?

 

・アライさん『かばんさんは言ったのだ 困難は皆でわけあえ』 

 かばんちゃんに言った記憶なし → ??? 伏線ぽいが解釈が難しい。

・セルリアンに取り込まれたサーバルは救出されるが、どれほど記憶を失っているかは不明で不穏要素

 

・ボスの瞳が今までにないパターンで明滅 

 他のラッキービーストへの救援要請か、もしくは島内外に存在する人間への救援要請の可能性がある

 

・サーバルちゃん救出時に身につけた腰紐の存在が救出後にどうなっているのか不明

 

 

感想続き

 食べられる事に過度の恐怖を感じていたかばんちゃん。ライオン回で見せたように、サーバルちゃんを守る時には命を顧みない懸命な様子を見せたりもする。今回もサーバルちゃんの窮地を救うために、心の区切りをつけたかのような表情を見せる。

 

 

その表情は、他のヒーロー系作品のどんなヒーローよりも格好よく見える。サバンナ地方からスタートしたかばんちゃんと、それを心配し付き添ってくれたサーバルちゃん。二人の過ごした時間や、その間に築いた関係の深さを思うと本当に涙がでてくる。

 

 

 ボスが緊急避難を勧告をした際に、かばんちゃんは”僕はお客さんじゃないよ”と言い、パークのためにみんなのために出来る事をしたいと言った。その姿を見たボスの瞳には、かばんちゃんを誰か別の人と重ねて見ている節がある。

 

 

旅を通して培った意志がそうさせたのか、あるいはかばんちゃんの潜在意識に宿る何かがそうさせたのか、その両方なのかは想像によるが、かばんちゃんはパークやフレンズを守るための確かな強い意志を持っているとこの時確信できる。

 

 

そうした強い意志は、何かに食べられる恐怖という、かばんちゃんのトラウマらしきものさえも凌駕する。この強い意志は、本来臆病なかばんちゃんが自己犠牲さえ一顧だにしないほどの強靭な意志である。

 

 

 取り込まれたサーバルちゃんを助けに向かう際には、1話でサーバルちゃんに教えて貰った技で木登りするなど、こうした拾い直しのおかげで二人の関係の深さを自然と見せてくれる演出がよい。

 

 

かばんちゃんは、他の作品で描かれるキャラクターのように、何か突出した才能や異能力があったり、身体的に優れているわけでもない。本当に等身大の人間である。それゆえそのような平凡な人間が命を賭して、懸命に大切な存在を救おうとする姿は胸を強くうつものがある

 

 

 セルリアンから、気を失っているサーバルちゃんと一緒に逃げる事は不可能だと悟ったかばんちゃんが、サーバルちゃんへの感謝の気持ちを口にし始めた時、「これあかんやつだ・・」と思うと同時に、胸にこみあげるものを抑えられなくなった人は多かったのではないだろうか。私も鼻水がズルズルで、目がしらに熱いものが込み上げた。

 

 

お別れを口にしたかばんちゃんの凛々しい表情。他のアニメ作品にあるような綺麗だったり書き込みが凄いというような感じはないのに、見る者の感情に強く働きかけるものがある。この表情にどれほど心を揺さぶられたことだろう。

 

 

12話を展望するにあたり考察したいとこなのだけど・・・辛い。人の知恵をいかしつつ、わりとこそこまで重くならないような感じで大団円を迎えるだろうと、希望的観測をしていたこともあり、本当にまさかの心理状態での次週待ちになるはめに。

 

 

ツイッターでも阿鼻叫喚。トレンド上位をキープしている様子からも、この展開が予想外であるとともに素晴らしい一話だったというのが容易に窺える状況であった。

 

 

これまでの仮説をもとに組み立てると

 かばんちゃんがフレンズだった場合、フレンズの個性を失うとどうなるかがポイントとなる。

 

人のフレンズで、フレンズの個性を失った結果、本来の動物の姿たる人間(未来さんあるいは他の人間)として復活。サーバルちゃんは幸い動物に戻らずに済んだが、どれほど記憶を失っているかは不明である。

 

この場合、かばんちゃんと二代目サーバルちゃんの関係は終わってしまい、あらたに人間(未来)と三代目サーバルちゃんとして関係を築き始めるような展開になるのか。EDの歌詞にある合縁奇縁に始まる一連の詞もあいまって、どのような結果になるのかが本当に予測しにくい。 

 

一視聴者としては、かばんちゃんは無事救出され、二代目サーバルちゃんのまま関係が維持され、また二人の旅が始まるというような形で終わることを希望しているが、これまでの情報からすると他にも可能性がいくつか考えられるため気が重い。

 

それにアライさんがどさくさに紛れて言った、かばんちゃんとはまた別のかばんさんの存在の示唆。本当どうなるんだょ orz

 

 

気が重いのでちょっと時間を置いて考えよう・・・

 

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