昨年8月桝添前知事の辞任に伴い行われた都知事選挙はまだ記憶に新しいとこです。
世論調査からして当選圏内にいる候補者は下記三名で実質この三人の中から選択する
選挙となっていました。そして三名は次のような位置づけで認識していました。
①増田寛也 都議連自民推薦 桝添路線の踏襲
②鳥越俊太郎 和製リベラル（左巻）
③小池百合子 保守系自民（官邸とも明確に対立せず）
①増田寛也は都議連自民の推薦を受けており桝添路線の踏襲路線ということで親韓・親中
の色合いが強く、また腐敗した自民都議連というイメージが先行する中その後押しを受ける
彼を選択することは、都政の刷新を期待する支持層とはかけ離れていたことから私もこの
ように受け止め増田氏は選択肢から外しました。
②鳥越俊太郎氏に至ってはまったく検討対象にもせず選択肢から外しました。
③小池百合子氏の場合は都政の刷新をはかるとう強い意志があるようなイメージ戦略が
先行し、また首相官邸側の自民党との対立路線を鮮明に打ち出すこともなかったことから
①との対立構図の中では左寄りの自民と保守よりの自民である小池百合子のどちらを選択
するかという選挙というように都知事選を捉えていました。
従ってそもそも鳥越氏を旗頭とする和製リベラル層とは対極の位置関係にあり小池氏が
これに歩みよる可能性さえ考えることはなかったのが実情です。その後無党派層や保守
よりの自民支持層の票を取り込むことに成功し見事大差で小池氏が知事に就任すること
になったわけですが、小池旋風はメディアを巻きこみ連日テレビで見ない日はない状況で
朝からワイドショーに至るまで永遠と小池特集が取り組まれていたそうです。
このような話を知れば小池知事は都政の刷新を頑張っているのだなと、その行政手腕
を改めて確認するまでもなくしっかりやってくれているのだろうと思っていた次第です。
小池知事が掲げていた選挙公約について確認しますと豊洲問題は小池知事が以前より
興味を持っていた分野ではあるそうですが、選挙公約の各論には落し込まれているわけ
ではなく、分類上は５つのテーマのうちの都政の透明化にあたると考えられそうです。
あまり興味のある問題ではなかったので、そもそも築地移転て何で起きたのか知れたら
いいなあぐらいのかなり緩い認識しか持っていませんでした。
この豊洲問題は小池知事が就任直後から共産党が盛り土問題、ベンゼン・ヒ素の検出
などいかにも大問題にあるかのような問題提起を皮切りにメディアもこれに食い付き
連日のように報道をしていましたが、私が信頼して必ずチェックしている高橋洋一先生の
見解や分析を読んで豊洲の安全性には特段問題はなく、本来排出基準で考えるべき
問題を共産党の圧力に都の職員が屈する形で環境基準を採用することを認め石原都政
下でこれを決定したことにあるという点であると冷静に見ていましたので、そう長期化する
ようなこともなく沈静化するのと見ていました。また小池知事も誰かがそう提言するのを
受けて、議論を深める形でそちらの方向へと適切に向かっていくものと思っていました。
しかし先日
http://www.news24.jp/articles/2017/03/04/07355667.html
豊洲市場で９回行われた地下水のモニタリング調査の内、環境基準を大幅に超える
有害物質が検出された９回目の調査を担当した業者が、「都に指示され、適切ではない
方法で採水した」などと証言した。
というニュースが流れる中で、あり得ないという気持ちでこのニュースを受けとめました。
当日こそTOPニュースで流れましたが、翌日からは何事もなかったかのように沈静化。
いったいこれは何なんだという思いが拭えず都政は今どういう状況なのか自分で信頼
できる情報を集め調べ始めました。この都側が指示した方法そのものの妥当性は今月
中旬にクロスチェックの結果を待って明らかにされるわけですが、この件に関する小池知事
の対応については非常に不信を抱かざるを得ない対応でした。
都政の透明化を宣言している小池知事がともすれば意図的に数値をあげるように都に
指示したのではないかと疑念を抱かれても不思議ではないことを事前に明らかにすること
なく、業者が都側から不適切な方法を指示されたと明らかにした結果事後的に発覚してし
まったという点に大きな問題があります。
都の指示とありますが、（市場長の)独断によるものなのか、 それとももっと上の人から
指示され、そのような指示を業者に行ったのかいまだ明らかにはなっておらず説明責任を
しっかり果たしてるとは言い難く小池知事が隠蔽しているように想像してしまっても不思議
ではないニュースです。
加えて、築地からヒ素が検出されたニュースが流れた際には築地はコンクリートがある
から安全と言い切っており、それなら豊洲だって築地に適用されている基準で測るなら
まったく問題ないではないかとツッコミたくなるような発言を見て私の中では決定的に
小池知事に対する信頼は一度リセットせざるを得なくなりました。この点、橋本前大阪市長
も指摘していましたし、高橋先生も以前より同様の主張でいましたのでまったくもって理解
できない気持ちです。高橋先生は安倍総理が法整備を明文化することで小池知事が了承
しやすいような状況にしてくれるのではないかと考えているようですが、何とも小池知事の
このダブルスタンダードの論調は歯がゆい気持ちになってしまいます。
最近は築地の問題点もニュースで取り上げられるようになりましたが、築地の移転が
できないうちは五輪に関連して環状二号線の着工に業者が取りかかることができず
五輪開催までに工事を間に合わせる時間的余裕がもうあまり残されていないこと。
遅れた場合スクラムを組んで工事をやってもらった場合その予算は青天井で積むこと
になる。そしてそれでも間に合わない場合は最悪五輪にも間に合わず国際的な恥を
晒す危険があること。お隣の国の平昌五輪の開催が危ぶまれる中それを笑う嫌韓派
の人も多いようですが、それは日本の東京五輪も同じような状況になりつつある点は忘れ
てはいけないかと思います。１日1900万とも言われる賠償を含む維持管理費を要しており
桝添知事が浪費していた額とは比べにならない額が政治決断をせず保留にされること
で生じている点はあまり歓迎すべき事態と思えません。非合理的ともいえる環境基準を
排水基準に見直すことに力を注いでほしかった。
この問題はもはや都の問題に留まることなく日本全体に係る問題になりつつありその
危険性をいまだメディアでは大々的に指摘されることなく、豊洲に決めたのは誰かなど
魔女狩りのような犯人探しを繰り返しています。
仮にこの豊洲の保留を原因として本来発生しなかったはずの莫大な税金を投入する
結果になったことが後々になってわかった場合、今度は小池知事が魔女狩りにあい犯人と
していつかは公開処刑のような形でメディアによって裁かれることになるのでしょうか。
小池知事がそのようなことになるには望んでいませんし、説明責任をしっかり果たした上で
理性的に判断してほしいところです。
また、小池知事の共産党との結びつきや元民主党議員の都民ファーストの会への転向
などこの問題を調べる過程でにわかには信じられない話も数々挙げられていることから
知事選の時に小池知事によせていた保守寄りの自民党サイドという認識を一度リセット
して、この先の都政の様子を慎重に見ていく必要があるなと今回の一件で痛感している
ところです。
状況的に豊洲問題を人質に夏の都議選まで政局重視の政治をやっているのではないか
という見方や、小池ファースト、百合子レッドなどと揶揄した否定的な見方をする人も徐々
に増え始めてきているのは軽視できない状況といえそうです。
私自身、今回の件で小池知事支持を一度リセットしました。真の意味で都民ファーストを
実践してくれることを小池知事には願っております。
小池知事の知事選時の公約
１．都政の透明化
２．五輪関連予算・運営の適正化
３．行財政改革の推進
４．都知事報酬の削減
５．特区制度の徹底活用
各論では