“一息絶命”クンダリーニと共にあらん我がヨガ道
テレビで,格闘技の「RIZIN」を見ていました.
感銘を受けた試合は,クレベル・コイケ選手と,ホベルト・サトシ選手の試合です.
二人とも柔術をバックボーンとしています.
この試合や昨今のUFCをみましても絞め技によるKOがまた増えてきました.
柔術家の逆襲とも言われていますが,まさにその通りだと思います.
特に首への絞め技は,打撃や他の関節技とは異なり,我慢していると失神してしまいます.
つまり耐えることができないのです.
さらに柔術の技の恐ろしい所は,相手の方がいかに打撃でダメージを与えていたとしても,
首や関節をとった瞬間に今までのダメージの蓄積が全て無効化され,タップを奪われてしまう点です.
もちろん,打撃も顎やこめかみにもらうと脳が揺れ,ダウンを奪われてしまいますが,
柔術の技はもっと理詰めで,詰将棋のように常に一発逆転のチャンスがあります.
柔術をやっていないと首や腕への危機意識がありませんから簡単に一本を取られてしまいます.
また,柔術一辺倒になってしまうと,膝関節をひねる技が禁止のルールになっていますので,
足関節への対応がおろそかになってしまいます.
ですので,柔術着を着ないで行うノーギやグラップリングと呼ばれる練習も行う選手が多いです.
ノーギは膝関節をひねってもOKですので.
これも何も知らないと一瞬で足関節を極められますし,エスケープ法も知らないと何もできません.
私も足関節をバンバン取られます.
ただ,少しずつ足への危機管理能力やエスケープはうまくなってきている気はしますが,
それでも他の道場生が強すぎて極められる回数や時間が少し伸びただけで,結果的には極められるのですけどもね
まあ,それでも頭を色々と使いながらの運動は楽しいものなのです.
楽しく学びながら,RIZINのような試合では一撃必殺のような技へと変貌するのですから,
それだけ柔術の技は優れているという事だといえます.
(TOKYO HEADLINEさんのページから拝借)
首への三角締めは来ると分かっていても防ぐのが難しいです.
特に首は絞められたらそこで全て終わりになるので,一番死守するところなのですが,
うまい人は,防がれることを分かっていて,別の技へと変化,また変化,さらに変化していき,
結局,首を絞められて終わりなんて普通にあります.
◎クレベル・コイケ選手の試合後インタビュー(ネタバレ注意)↓
★2分30秒の辺り: 柔術は力じゃないテクニックが大事.
★6分50秒の辺り: MMAにおける柔術論について.
⇒ ヒクソンもそうですが,自分のスタイルを信じ切っている人は
何流,どんなスタイル,バックボーンであっても根本的な違い,力強さを感じます.
また,今日の様な試合が増えれば,20年前のグレイシー人気の時と同じような
柔術の効果,強さを求めて入門される方も増えそうですね.
今の総合格闘技だけを見ていれば,柔術だけではもう勝てないとか,古いとか言われそうですが,
柔術のテクニックがなければそもそも総合格闘技というジャンル,興行,試合は成り立たないのです.
もし,柔術のテクニックがなければ,上になった方が一方的に下にいる人を殴りつけて終わりです.
柔術のテクニックがあるおかげで,下にいる人間が打撃をある程度かわすことができ,
さらに下から腕十字や三角締めを狙うということで展開が流れるのです.
私が良く話す例え話に
もし,生まれてから一生のうちでたった1つの格闘技しか習ってはいけないという世界共通のルールがあれば,
どの格闘技が強いか?
私は間違いなくブラジリアン柔術が一番強いと思います(一対一のリング上において).
第一回UFCのような展開になることでしょう.
第一回UFCでは,まだ柔術を知っている人が誰もおらず,対戦相手は皆対策を知らないというシチュエーションです.
これを見てもらえば,身体が大きくても対策を知らなければ,柔術のテクニックの前にはなす術もないということが理解されます.
★4分30秒の辺りと,9分目以降を是非ご覧下さい.
………
余談ですが,ある医療関係者のツイッターで
三角締めでは,気道や頸動脈が圧迫されることで落ちるのではなく,
首の迷走神経が圧迫され,血圧が下がることが原因と述べておられましたが,
私はそれが事実上「落ちる」という現象だと思っています.
つまり,迷走神経反射による血圧の低下が脳への血流低下を招き,
(間接的にというか…)結果,落ちているのです(軽微な意識障害).
※迷走神経とは副交感神経とほぼ同意語です.
実際に,気道や喉仏をつぶす系のフロントチョークと,
迷走神経を含む頸動脈を圧迫させるチョークスリーパーを
かけてもらうとその違いが分かります.
喉仏つぶす系の技は苦しくてなす術もありません.
………
また,新人の研修医が初めての手術現場の立ち合いで気を失いやすいのも,
ストレス刺激により交感神経が一過性に活性化し,
人体を守るためにブレーキ機能である迷走神経が急ブレーキを踏み(反射),
脳への血流が阻害され,気を失う(落ちる)からです.
そういった意味では,三角締めによる失神と同じメカニズムといえるのかもしれません(あくまで広義において).
………
ちなみに,三角締めは,戦後,日本の高校生が編み出したと言われています.
今日のRIZINは,一本勝ちが多く,お互いの魂と魂のぶつかり合いを感じました.
選手の皆さんは毎日死に物狂いでトレーニングしてリングの上に上がっていますからね.
それでも勝者は一人なのですから,本当に厳しい世界です.
“May the Kundalini be with you” - Guru Prasad Singh -
P.S.
奥沢美咲さん
帯昇格のお祝いコメントありがとうございます!
はい,是非また近々ゆっくりお話ししましょう!!
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