“一息絶命”クンダリーニと共にあらん我がヨガ道

 

 
子供が親から新しいおもちゃを買ってもらったならば,
 
周りで何が起ころうが,時が止まったかのように,没頭状態になる.
 
その状態では,一切の不安がなくなる.
 
それは,思考のthinkではなく,感じる,feelの世界だから.
 
柔術でいえば,うまい人のスパーリングをみていると,身体が勝手に反応して,
 
つまり相手の動きに合わせて自然と身体がそれに反応しているようにみえる.
 
自分は,あーして,こーして,と考えながらやっているから脳はすごく活性化する.
 
なので,脳トレとしてはいいのかもしれない.
 
ただ,それだと集中力が相手より先にきれ,先にミスを起こすリスクが上がる.
 
以前にも書いたことがあるが,
 
東大の研究で囲碁の高段者と初心者の対局時にそれぞれの脳血流を測定したところ,
 
初心者の方がきまって,脳血流量が増加したというものがあった.
 
これは,高段者は,ある程度,手順が確立されているので,省エネモードで対局をしているという事らしい.
 
いずれにしても,どの分野でも思考優位になりがちな現代において,
 
どれだけ感覚優位に持っていけるかが大きなカギとなることは間違いなさそうである.
 
スリランカの仏教であるテーラワーダ仏教では,
 
日常の掃除なども含め,全ての所作をマインドフルネス的に行っているらしい.
 
なので,没頭状態をつくるには,何も特別な瞑想である必要はない.
 
かつての日本の茶道や華道,武道などの芸道が本来そうだった.
 
私達日本人は,西洋体育の導入によって,これらの内感覚,概念を忘れてしまったのだ.
 
(弓聖と称された阿波研造師範)
 
個人的には弓道だけ,その色合いが今なお濃く残っていると感じている.
 
弓道だけは,身体の使い方から概念に至るまで,他の武道とは異質を放っている.
 
臍下丹田の形成にも大変優れた身体動作と思える.
 
………
 
イチローの打席に入る際のルーティンも没頭状態をつくり出す準備のようだ.
 
スポーツ心理学的においては,「ルーティン」と呼ばれるテクニックだが,
 
西洋から逆輸入という形で入ってきたと思うと何とも複雑な気分.
 
マインドフルネスにしてもそう.
 
日本には世阿弥が打ち出した芸道文化,世界に誇る素晴らしい丹田(肚)文化があるではないか!?
 
………
 
ひとたび,没頭状態に入れれば,思考優位の大脳皮質の活動は抑えられるだろうから
 
現代人は何とも言えない心地よさを感じることになる.
 
なので,気の進まない事務作業や掃除でも没頭できれば,頭がクリアになった気になる.
 
もちろん,その中でもヨガは没頭状態をあらゆる角度からつくり出すエッセンスが詰まっているから
 
私自身この道から外れることはできない.
 
“May the Kundalini be with you” - Guru Prasad Singh -
 
P.S.
 
私が大好きなマインドフルネス?の決定版
 
阿波師範によれば,矢があたるかどうかを考えながら射るようでは駄目なようです.
 
⇒ 現代風に論理的に補足説明すれば,
 
結果を意識しなければ脳の扁桃体が興奮せず,イップスなどの硬直や震えがなくなる.
 
ちなみに,私は弓や弓道の研究も好きで,弓道の書籍は50冊近く持っています.
 
自分でもずっと習いたいと思っていましたが,ヨガで常に自己と向き合うことをしてきたので,
 
対人稽古のある柔術にしました.
 
宮本武蔵が好きなので,対人武術(格闘技)でつながっていたいですしね.
 

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