ヨガ修行は「理論」がなけりゃ「超」失敗する!
以前書いた記事が今もよく読まれているみたいですので,続編を書きたいと思います.
伝統的ヨガは,今から約4500年前に誕生したと推測され(原始ヨガ),
2~4世紀頃に天才的なパタンジャリ大師らによって8段階のプロセスに体系化されました(古典ヨガ).
しかしその革新的な体系化の後は,近代に至るまでそれほど進化している状態とは考えにくいといえます.
ヨガは様々な思想と哲学が混在し,素晴らしい教えや理論が宝の山のように眠っているのですが,
それに気づくのに個人の力量,センスが非常に問われる分野といえます.
例えば,最も古いラージャヨガは,呼吸法の数が約60種類ほどあり,アーサナも約280種類あります.
もちろん瞑想法もたくさんあります.
これを全て行うとなると学ぶ側は大変ですし,到底修行が成就するとは思えません.
つまり,この数多く存在する技法の中に際だって優れたものがあり,それを抽出して徹底的に反復練習することが望まれるのです.
あくまでも私の修行の経験上の考えですが,ラージャヨガで必要な呼吸法は8種類で,
アーサナはあまり重要度は高くないので省きますが,2種類だけ優れたものがあります.
瞑想は3種類で十分です.
結局,膨大な技法を整理するとこれら数種類の技法のパターンのアレンジに過ぎないからです.
おそらく元々,要となる型みたいなものが呼吸法,アーサナ,瞑想にあり,
そこからのアレンジ技法が時代の経過と共にどんどん増えていったのだと推測されます.
そのパターンに気づけば,当初のヨガ行者が何のためにこれらの技法を行うのに至ったのかということが少しずつ見えてきます.
ヨガの習得を困難にしているもう一つの理由は,
ヨガ分野独自の言語といえるコーシャ,チッタ,チェーンタンヤ,プラクルティなどの専門用語で説明しようとするところです.
例えば,ヨガの身体観として「人間五蔵説」というものがありますが,
これなんかは物理学の素粒子理論で簡単に説明できてしまいます.
当時は,物理学がまだありませんでしたから「プラーナ」という言葉を使って説明していましたが,これは仕方がないことです.
しかし,ヨガの世界観を物理学の言葉で置き換えて説明するのもあまり良しとされていないように感じます.
あくまでもヨガの言語で説明,完結すべきだという風潮をいまだ感じます.
また,個々の技法が何に役立つのか?何のために行うのか?
という純粋な疑問を抱くこともあまり良しとされていないですね.
しかし,昔も今もどの分野でも人より抜きんでている人たちの特徴は,
勉強やビジネス,スポーツにしてもきちんと目的意識を持って鍛錬していることです.
闇雲にトレーニングしてしまうとそれは単に根性論ベースの苦行となってしまいます.
…ある日,イチロー選手がバッティング練習しているときにそれを見ていた記者が
ストライクボールなのにほとんどバットを振らないことに気づき,調子でも悪いのかなと思ったそうですが,
実際は,ストライクボールの中でも高めのボールに合わせる練習をしていたとのことでした.
柔道創始者の嘉納治五郎師範も,固め技に優れ,型稽古中心の「天神真楊流」,
投げ技に優れ,乱取り主体の「起倒流」や,その他の柔術を徹底的に研究し,
投げがうまい人は投げる前にいったん相手のバランスを崩してから投げているのでうまくいっていることに気がつきました.
「崩し」の発見ですね(後に「崩し・作り・掛け」へと体系化).
そこからさらに「投げ技」を整理して「手技・腰技・足技」の3つに分類しました.
「投げ技」以外に「固め技」と「当て身技」も体系化しています.
結果,今までばらばらに存在していた技の目的,用途が浮かび上がり,
門弟は目的意識をもって鍛錬することができるようになりました.
当時は気合いを入れて稽古することが主でしたから,技を体系化して学ぶということは非常に珍しいことだったと思います.
このように優れたアスリートは自然と皆,目的意識をもってトレーニングしているので,
たとえ同じ練習時間であってもどんどん進化していくのです.
…なぜにヨガの世界では目的意識を持ってはいけないのでしょうか?
もちろん究極的には悟りたいという自我さえも消さないといけないということですが,
それは本当に最終段階の話であってそれまでは目的意識は必要なのです.
弓の名人の阿波研造師範が自分が弓を射るのではなく,「それが射るのです…」という供述の部分ですね.
山の頂まで登るのにきちんとした目的と手段がないと遭難してしまいます.
しかし頂上に登ってしまえば,それらの技法は必要ないものになります.
だからといって山に登る方法をはじめから放棄して良いというわけではないのです.
ヨガにも柔道のような同様の改革,体系化が必要だと強く感じています.
…クンダリーニヨガはヨガの中で最も体系化されているヨガだと思いますが,それでも約1000種類もの技法があります.
ただよくよく技法をみてみますと,
クンダリーニやチャクラ活性の技法か,それらを脳まで上昇される技法かに大きく大別されています.
「活性系」と「上昇系」の2つです.
(知ってしまえば単純な法則なのですが,これもまたなかなか気づけないものなのです.
臍下丹田とチャクラの関係性も理論の一つです)
つまり,クンダリーニの覚醒には,この2系統の技法をバランス良く行うことが必要なのです.
技法的にはわずか20個程です.
どんなに多く見積もっても30個は越えません.
たくさんテクニックを行った方が良いように思えますが,
ヨガのアーサナは単なる入れ物(型/情報)に過ぎず,修行を深めることでその中身はどんどん進化していくのです.
唯一,反復練習の欠点として,人間には“慣れ”という名の「適応力」があり,
優れたこれらのテクニックでも,どうしても効果の慢性化の懸念が出て来てしまうという点が挙げられます.
ただ,曜日ごとに交互に異なるセットメニューを行うことで,この“慣れ”に対する問題も限りなく防げることも分かってきました.
逆に一切,反復練習せず,日替わりで様々な事を行ってしまうのが最も多い失敗パターンといえます.
…長くなりましたが,要はいかに伝統的ヨガの修行といえども
きちんとした目的意識を持ち,「理論」と「実践」を繰り返しましょうということです.
私の所では,どなたでもステップアップできるように
クンダリーニヨガとラージャヨガのテクニックを体系化し,4種類(必要に応じて6種類)のセットメニューにまとめました.
伝統的ヨガのエッセンスが詰まっていると自負しております.
実際,参加していただいているお客様のほとんどが半年後には達人のようになっていきます
動きや集中の質,柔軟性などは当然ですが,特に呼吸音の進化は凄まじいですね
どんなに華奢な方や始めた当初はまったく「火の呼吸」ができなかった方でも爆音になっていきますよ
まあこれは表に現れる分かりやすい変化ですが,見えない内的世界のクンダリーニやチャクラも同じように進化しているのです.
P.S.
また今回も長文になってしまいました.
いつも何か乗り移ったかのように一気に書き上げています.
もちろん「目的意識」を持って書いていますよ…終…
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