神戸物産といえば業務スーパーが主力の企業。
業務スーパーといえば、卸価格並みの低価格で食品などを販売する店です。
最近ではガレオンという、カルディのような輸入食品専門の店舗も出店し始めています。
卸ならではの店舗といえるでしょう。
神戸物産が21年11月から22年1月の連結決算を発表しました。
売上高は968億円。前年比14%増です。
純利益は51億円。前年比11%増です。
純利益51億円は同期間内では過去最高の数字です。
絶好調です。
原価が高騰し、輸入コストが増加する中で、純利益を過去最高にあげるというのはなかなかのものです。
その成長を支えるものは何があるのでしょうか。
一点目は6次化を本格的に推進している企業であるということ。
畜産や水産、農産物などさまざまなものを自前で生産しています。
一次産業を本格的に手掛ける企業です。
そして、二次産業である、製造工場を多数持っています。
また、三次産業である小売りサービス業は業務スーパーが主軸です。
飲食店も多数展開しており、FCなども含めて展開しています。
食にかかわるさまざまな事業を展開する企業であるからこそ、原価高騰も会社全体のバリューチェーンの中で吸収することが可能なのです。
二点目は、業務スーパーの出店が急拡大していること。
FCも含めて店舗の出店エリアが拡大しています。
1月末時点で956店舗。
前年から56店舗増加しています。
今年の10月までに1010店舗に拡大するとしています。
今のペースであれば可能でしょう。
FC店になって店をだしたい企業が多いということは、それだけ儲かるビジネスモデルであるということです。
そのもとになるのは、安定した売上高と、低い販管費率です。
この3か月も売り上げは二桁増を続けていますし、販管費率は14%とコストコ並みの低さです。
ここまで低ければ、粗利が低くても利益をだせますが、同社ではさらにオリジナルのPB商品を拡大しています。
21工場をもっていますので、必要なものは作ることができます。
今や売り上げの34%をPB商品が占めています。
今は世界的な原料高、エネルギー高でコストが上昇し、輸入商品のコストも上がる中で原価が上がり、利益がだしにくい状況です。
また、人件費は上昇基調にあり、販管費も上がりつつあります。
こうなると、いかに利益のだせる商品を開発できるか。
また無駄な経費をいかに抑えられるか。
利益を出すためのビジネスモデルはシンプルです。
しかし、これを実現するには、トータルのバリューチェーンを作ることができなければ難しい。
その点で、神戸物産は、地道に、利益のだせる体制を作り上げてきた結果、今の経営実績になっていると言えます。
業務スーパーの経営に学んでいけるいける!!