日曜日の銀座を久しぶりに周遊しました。

銀座中央通りの歩行者天国は健在で、実に多くの買い物客が行き交っていました。

 

 

しかし通りすがる人たちを見ると、百貨店やブランドショップのショッピングバッグを持っている人と持っていない人に分かれます。

バッグを持っている人は通行客の半分。

その多くは訪日外国人 のようでした。

見た目ではわからないアジア系の観光客が今はとても多いから、はっきりとは分からないのですが、通りすがりに話をしている言葉を聞くと、中国語だったので、おそらく中国人か台湾人でしょう。

何かを購入している人は外国人という光景は、最近の日本の各地で見られるものです。

日本人にとっては「高く」、外国人にとっては「安い」という日本の物価の現状を示しています。

 

ソニーパークのあたりで写真を撮っているのも外国人。

向かいの不二家ぺこちゃんの写真を撮っているのも外国人。

ルイ・ヴィトンに行列をつくっているのも外国人。

そして、銀座の百貨店でがんがん買っているのも訪日外国人が多いようでした。

 

銀座に本店を構える百貨店のひとつ、松屋。

昨年7月の単月売り上げは121億円だったそうです。

なんと1992年12月以来、単月売り上げ過去最高を記録しています。

百貨店売上のピークだった91年から92年以降、全国百貨店売上は減少を続けていますが、松屋は過去最高。

 

これを支えているのは、訪日外国人です。

24年同月の免税売り上げはなんと6割。

70億円以上をインバウンドが支えているのです。

高いとは聞いていましたが、ここまでとは驚きました。

 

松屋銀座本店の24年上半期(3〜8月期)決算でもこの傾向ははっきりと見て取れます。

インバウンドによる免税売上高がおよそ2倍の314億円。

松屋全体の売り上げに占めるシェアは約49.6%です。

前年同期は約29.2%と増加しています。

館の売上高の半分が免税売り上げ。

なんと、半期で150億円以上増えたのです。

 

松屋で働くみなさんも、さぞ驚かれたことでしょう。

ここまでインバウンドのパワーがあるのかと。

しかしこの売り上げが加わっていなかったら、売り上げは300億強。年間600億です。

これでは経費を賄うことはできません。

インバウンドがのっかっているからこそ、大きな売り上げ、大きな利益をたたきだしているのです。

ここまでくると、もうインバウンドなくして店は成り立たないところまできています。

同社もこれには危機感を抱いています。

 

ラグジュアリーブランドや化粧品などの高額品の売り上げで、インバウンド売り上げが上がり、それによってでている利益はある意味、いつなくなってもおかしくありません。

 

コロナ前の免税売り上げは25%ほどでしたから、今は倍増しています。

これが新常態なのかもしれませんが、これはバブルなのかもしれません。

 

店としてはもっと買いやすい価格帯の商品も充実させて、高くなりすぎている店頭の品揃えを是正しようという動きもあると聞いています。

本当のお客さんは誰なのか。

そこを見失わないようにしないといけません。

 

誰に向けたどんな店なのか。

増え続けるインバウンドが店の方向を惑わす要因にもなります。

 

これからはますます、店のコンセプトとターゲットが大切になってくると実感した一日でした。

今日も店のあり方を考えていけるいける!!