【2705】大戸屋ホールディングス(東証STD) NT
現在値 5,180円/100株 P/E 28.3 P/B 10.9 3月配当株主優待 9月株主優待
定食専門店『大戸屋ごはん処』を直営・FCで首都圏中心に展開。
配当基準日は3月一括の年5円配当のため、配当利回りは0.10%を予想しています。
大戸屋ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末、9月末に100株以上を保有する株主に対して4,000円分のカードタイプの食事券を年2回進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約1.64%となります。
業績は以下の通りとなります。
■2022年3月期 売上高 188億円、営業利益▲5.9億円、EPS 249.5円
■2023年3月期 売上高 238億円、営業利益 2.7億円、EPS 23.8円
■2024年3月期 売上高 278億円、営業利益 16.4億円、EPS 179.1円
■2025年3月期 売上高 290億円、営業利益 16.7億円、EPS 168.1円 ce
□2024年6月1Q 売上高 74.0億円、営業利益 3.6億円、EPS 38.4円(8/8)
□2024年9月2Q 売上高 140億円、営業利益 8.0億円、EPS 85.6円 四e
2024年3月期の売上高はYoY+17.0%の278億円、営業利益はYoY*6.0倍の16.4億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。前期に実施した値上げが通期で寄与したほか、夏野菜や大判アジフライ、大粒牡蠣フライといった季節商材の好調等もあり、既存店売上高(SSS)については114.7%と高水準となりました。利益面については、売上増とメニュー改変による採算性改善のほか、水光費想定以下で大幅増益となりました。出退店については純減4となり、期末総店舗数は419となりました。
進行期である2025年3月期の予算については、売上高がYoY+4.2%の290億円、営業利益はYoY+1.8%の16.7億円を見込んでいます。大豆をテーマにした健康系商材や、筋肉系YouTuberとのコラボ、4月からのTV新CMの投入もあり、8月までの5ヶ月分が開示済のSSSは110.9%と好調に推移しています。出店については純増5~10店の計画としており、
8月8日開示済の1Qは、売上高74.0億円&営業利益3.6億円で推移しており、米価高騰等の懸念要素はあるものの、期初計画水準で推移しています。
この度当社は2027年3月期を最終年度とする3年中計で、売上高を278億円→315億円、EBITDAを19.6億円→30.0億円まで引き上げる計画です。従前中計の3ヵ年については、コロワイドグループ共同仕入れによる原価率改善(▲4.5ppt.)のほか、人件費率の抑制(▲7.2ppt.)、販管費の劇的な削減(▲14.9ppt.)等の取り組みにより、EBIDTA目標額20.7億円に対してほぼ達成圏まで到達しています。
新中計での取組事項は、①集客強化&価値見直し、②出店地域明確化&FC強化、③新業態創出、④中食強化、⑤海外強化、⑥人材強化の6点を挙げています。①の集客等はCM活用による離脱したマス層の取り戻しや、アプリ販促による再来店促進を図ります。②の出店等は、直営に関しては関東(≒首都圏)と関西(≒大阪圏)は駅前立地とロードサイド、FCは地方都市の駅前繁華街にエリアを再定義し、このほか館売上100億円超のSCのフードコートも出店対象とします。
このほか、③の新業態としてロードサイド型のそば業態を開発し、田無と淵野辺に2店を出店したほか、④の中食はお弁当の事前決済(モバイルオーダー)開始にくわえ、デリバリー稼働率を60%→85%への引き上げるため、Uberや出前館だけでなく、自社HPからのプロパー受注機能を拡充します。これら取組によりEBIDTA30.0億円を目指す計画ですが、コロワイドによる“荒療治”で費用の贅肉が無くなり、既に筋肉質な企業体質になっていることから、今次中計ではトップラインの伸長が肝要となります。
なお株主還元については、既に年5円の復配に踏み切っており、進行期も横ばいを予想しています。財務的には自己資本比率44.1%と余裕があるものの、累損(利益剰余金▲12億円)状態であるほか、コロワイドを相手先とする優先株30億円の優先配当金支払い(年3.5%/延べ1億円超)もあるため、普通株配当は当面抑制される見通しです。
*参考記事① 2023-10-04 4,880円 NT
【2705】大戸屋HD/既存店は顕著な回復傾向も、各種コスト増で採算性改善は道半ば。
*参考記事② 2021-09-10 2,842円 NT
【2705】大戸屋ホールディングス/3年でEBITDA約50億もの改善見込むが、過大感が強い。
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