【3563】FOOD&LIFE COMPANIES/水留社長退任も、北京店10時間待ちは好印象。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3563】FOOD&LIFE COMPANIES(東証プライム)  OP

現在値  2,707円/100株  P/E  24.0  P/B 4.10  9月配当株主優待 3月配当

回転ずし。スシローを全国展開し国内首位。海外は台湾、香港、タイ等。京樽も。
配当金は9月末一括の22.5円配当のため、配当利回りは0.83%となります。

FOOD&LIFE COMPANIESは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末時点で100株保有する株主に対して、年2回1,650円分の自社割引券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.05%となります。

業績を確認していきます。 

■2021年9月期 売上高 2,408億円、営業利益 229億円、EPS 113.6円 

■2022年9月期 売上高 2,813億円、営業利益 101億円、EPS 31.2円 

■2023年9月期 売上高 3,017億円、営業利益 110億円、EPS 68.2円

■2024年9月期 売上高 3,600億円、営業利益 220億円、EPS 112.3円 ce修正(5/10)

□2024年6月2Q 売上高 1,759億円、営業利益 123億円、EPS 62.9円 

□2024年9月3Q 売上高 2,646億円、営業利益 173億円、EPS 89.9円(8/2)

2024年3月中間期の売上高はYoY+22.8%の1,759億円、営業利益はYoY*2.3倍の123億円となり、対前・対計画で大幅な増収増益となりました。国内スシローは40周年記念の高額ネタ100円提供や人気IPとのコラボも奏功し、前提SSS108.5%に対して、実績SSSは118.7%と大きく上振れました。他方、海外スシローは処理水問題が尾を引く中国本土を除き、全ての展開エリアで予算過達となりました。


なお2024年9月期の通期見通しは2Q時点で増額しており、売上高はYoY+19.3%の3,600億円(期予:3,500億円)、営業利益はYoY*2.0倍の220億円(期予:115億円)に修正しており、まぐろ祭りやスシローの日、推しの子コラボ等が好評を博し、累計10ヶ月分開示済のSSSは112%程と強含みで進捗しています。海外スシローは台湾・香港・タイが絶好調となっているほか、中国本土も本格回復の兆しがみられます。尚、8月2日開示済の3Qは売上高2,646億円&営業利益173.4億円で進捗しており、上振れ着地が視野に入ります。

 

進行期は2026年9月期を最終年度とする3年中計の初年度に当たり、売上高を3,017億円→5,200億円、営業利益を110億円→350億円に其々引き上げる計画です。取組事項としては、①海外拡大、②国内改装&再編、③経営基盤構築の3点を挙げています。

 

①の海外拡大は売上構成比4割への向上を掲げ、中国本土への出店拡大や北米・尼市場へ参入します。出店数は中国を中心に年60~70店舗、海外店舗網を当初の135店から403店まで拡大させる計画としていたものの、処理水問題が燻る中国本土は厳選出店方針に切り替えていることから、出店数は想定を大幅に下回る公算が高い状況です(※そのため北京店10時間待ちのニュースフローは大変ポジティブ)。

 

➁の国内については、スクラップ&ビルドで不採算店閉鎖を進めるほか、スシローは船場が手掛けるワイドディスプレイ型・次世代店舗“デジロー”の導入や、吉野家から買収したままになっている店舗が多い京樽(持ち帰り寿司店・三崎丸)の改装を進めます。特に“デジロー”は都市・準都市・郊外いずれも投資回収が早まるほど好調な結果が出ていることから、リプレイスを推進します。他方で杉玉事業については、チェーン・ローカルともに寿司居酒屋の競合が大変激化しているため、出店より既存店の梃入れそ優先します。

 

今次中計期間では約900億円の投資(CAPEX)を計画しており、国内に約400億円/海外に約500億円で海外にリソースを振り向けます。足許の状況は顕著な良化が確認されるものの、目標の営業益350億円は海外の大量出店を前提とした計画のため非常に野心的であり、達成可視性はいまだ低い状況が続きます。なお株主還元に関しては、安定配当ポリシーから年22.5円配当(配当性向40.0%)の据置を見込んでいるものの、6月には75億円(2.85%)の自社株買いを別途実施しています。

 

*参考記事① 2024-02-13 3,106円 OP

【3563】FOOD&LIFE Co./新中計も野心的だが、国内復調鮮明で1Q滑り出しは順調。

 

*参考記事② 2023-09-25 2,681円 OP

【3563】FOOD&LIFE Co./トラブルと値上げで国内回復鈍いが、海外事業は順調に拡大。
 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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