【3563】FOOD&LIFE COMPANIES(東証プライム) OP
現在値 3,106円/100株 P/E 55.2 P/B 5.14 9月配当株主優待 3月配当
回転ずし。スシローを全国展開し国内首位。海外は台湾、香港、タイ等。京樽も。
配当金は9月末一括の22.5円配当のため、配当利回りは0.72%となります。
FOOD&LIFE COMPANIESは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末時点で100株保有する株主に対して、年2回1,100円分の自社割引券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.43%となります。
業績を確認していきます。
■2021年9月期 売上高 2,408億円、営業利益 229億円、EPS 113.6円
■2022年9月期 売上高 2,813億円、営業利益 101億円、EPS 31.2円
■2023年9月期 売上高 3,017億円、営業利益 110億円、EPS 68.2円
■2024年9月期 売上高 3,500億円、営業利益 115億円、EPS 56.1円 ce
□2024年12月1Q 売上高 855億円、営業利益 61.2億円、EPS 28.1円(2/9)
□2024年3月2Q 売上高 1,700億円、営業利益 55.0億円、EPS 25.9円 ce
2023年9月期の売上高はYoY+7.3%の3,017億円、営業利益はYoY+8.7%の110.0億円となり、期初計画どおりの増益となりました。国内スシローは値上げによる客離れやおとり広告・迷惑客問題といった各種マイナス影響が下期までに一巡し、SSSは1Hの84.8%から2Hで99.0%に回復しました。他方、海外スシローは全ての展開エリアで増収増益となり、店舗数の多い台湾・香港・タイを中心に絶好調だったほか、苦戦中の中国も黒字転換していました。
進行中の2024年9月期の予算については、売上高はYoY+16.0%の3,500億円、営業利益はYoY+4.5%の115億円を見込んでいます。国内スシローは40周年記念の高額ネタ100円提供や人気IPとのコラボも奏功し、予算前提のSSS108.5%に対して、開示済の累計4ヵ月分は同120%水準で進捗しています。海外スシローは台湾・香港・タイの好調持続が見込まれる一方、処理水問題が尾を引く中国は不透明な状況です。尚、2月9日開示済の1Q決算は売上高855億円&営業利益61.2億円で推移しており、通期上振れ確実な情勢です。
当社は進行期を最終年度とする従来3年中計で営業利益330億円を目指していたものの、新型肺炎禍で実態乖離が大きく達成不可となったことから、1年前倒しで新中計にロールしています。新中計では最終年度の2026年9月期までに売上高を3,017億円→5,200億円、営業利益を110億円→350億円に引き上げる計画です。取組事項としては、①海外拡大、②国内改装&再編、③経営基盤構築の3点を挙げています。
①の海外拡大は売上構成比4割への向上を掲げ、中国本土への出店拡大や北米・尼市場への参入、全ブランドの海外展開を図ります。出店数は中国を中心に年60~70店舗を計画しており、訪日客増加で日本食だけでなく日本酒(酒類のため好採算)の海外人気が高まっていることから、中長期的に杉玉の本格展開を目論んでいるものと解されます。
➁の国内については、スクラップ&ビルドによる不採算店閉鎖を進めるほか、スシローは船場が手掛けるワイドディスプレイ型発注店舗の次世代型店舗“デジロー”の導入や吉野家から買収して手つかずになっている店舗も多い京樽(持ち帰り寿司店・三崎丸)の改装を進めます。なお、国内杉玉事業については、寿司居酒屋の競合が激化しているため、出店よりは収益改善を優先します。
今次中計期間では約900億円の投資(CAPEX)を計画しており、国内に約400億円/海外に約500億円と配分も海外重視となります。中計計数の営業益350億円は非常に野心的であり、可視性は非常に低いものの、足許1Qの出来上がり自体はかなり順調と判断出来ます。なお株主還元に関しては、安定配当ポリシーから年22.5円配当(配当性向40.0%)の据置を見込んでいます。
*参考記事① 2023-09-25 2,681円 OP
【3563】FOOD&LIFE Co./トラブルと値上げで国内回復鈍いが、海外事業は順調に拡大。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。