【2798】ワイズテーブルコーポレーション(東証スタンダード) NT
現在値 2,970円/100株 P/E 22.9 P/B 17.9 2月無配株主優待 8月株主優待
配当基準日は2月・8月の年2回ですが、既に無配転落しています。
ワイズテーブルコーポレーション株主優待制度を継続しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主に対して5,000円分の食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約3.36%となります。
業績を確認していきます。2023年2月期より新収益基準に移行しています。
■2022年2月期 売上高 81.4億円、経常利益 3.0億円 EPS 106.1円
■2023年2月期 売上高 97.8億円、経常利益 1.4億円 EPS▲23.7円
■2024年2月期 売上高 112.8億円、経常利益 3.1億円 EPS 34.5円
■2025年2月期 売上高 119.3億円、経常利益 4.3億円 EPS 129.5円 ce
□2024年5月1Q 売上高 30.8億円、経常利益 1.4億円 EPS 39.1円(7/12)
□2024年8月2Q 売上高 59.0億円、経常利益 1.4億円 EPS 41.6円 ce
2024年2月期の売上高はYoY+15.4%の112.8億円、経常利益はYoY*2.1倍の3.1億円となり、3Q時の修正見通し並みで着地しました。予算上のSSSは平時水準奪回を前提としていたものの、訪日客や日本人観光客需要が増加や、年末年始のパーティー/忘年会需要が想定超で推移し、XEX事業SSSは107%となりました。他方でサルバトーレ他事業も平常化進展で回復したものの、逆にデリバリーは低調となりSSSは100%となりました。他方、経常利益については、協賛金や持分法利益(セラヴィ)の好調で大幅増となっています。
進行期である2025年2月期の予算については、売上高がYoY+5.8%の119.3億円、経常利益はYoY+39.4%の4.3億円を見込んでいます。XEX事業は高水準の訪日客取り込み一段増で、人件費(都心部高時給)・食材原価高騰の価格転嫁も順調が進み、予算上のSSSは105%を見込みます。他方でサルバトーレ他事業は、ランチ・ディナーともに底堅い推移が続いていることから、個店毎のきめ細かな販促でSSSは106%を見込みます。尚、7月12日開示済の1Qは売上高59億円&経常益1.4億円と上振れ圏で推移しています。
当社は中長期的な経営計画を外部開示していません。ラグジュアリーレストランのXEX事業は愛宕・東京駅・大阪・日本橋・六本木森本+The Kitchen(名古屋・京都)の体制で運営しており、特に六本木森本は鉄板焼&寿司業態のため訪日客による押し上げが進み、この4年で客単価は22,000円→37,000円に上伸しました。他方、2019年にJVのLVMHやPEファンドらとともに、持分法適用会社(50%)として開業した東急プラザ渋谷の「CÉ LA VI Tokyo(セラヴィ)」も、正常化の進展でパーティー需要の取り込みが進んでいます。
サルバトーレ他事業については、過当競争気味のピザ業界での差別化のため、世界的ピザ職人の大西誠氏プロデュースの高単価姉妹店「PIZZERIA MANCINI TOKYO」を永田町に開業する一方、平常化による都市偏重の店舗ポートフォリオを分散すべく、郊外SCへの出店を強化する方針です。郊外SCは価格帯的に消費者がついて来れない可能性が想定されるものの、大型施設に関しては“ハレの日”需要を確保出来ることから、テラスモール湘南や軽井沢プリンスSP等に出店を進めています。
財務状況については、資本性ローンで9億円と創業者等への第三者割当増資で延べ11億円程を追加調達したほか、足許の業績改善もあって自己資本比率は11.1%まで回復しています。既に昨年5月に債務超過による上場維持基準はクリアしているものの、本年4月には継続企業の前提に関する注記も記載解消となっており、財務面ではひと息ついた印象です。
*参考記事① 2024-02-02 2,872円 OP
【2798】ワイズテーブルコーポレーション/相次ぐ三者割当と既存店回復でひとまず債務超過を脱出。
*参考記事➁ 2022-07-27 1,964円 NT
【2798】ワイズテーブルコーポレーション/財務状況は最悪期を脱するも、債務超過状態が続く。
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