【3550】スタジオアタオ(東証グロース) OP
現在値 199円/100株 P/E 39.3 P/B 1.12 2月配当 株主優待あり
店舗、ネットで自社ブランドの婦人用バッグ、財布を販売。ネット比率、リピーター比率高い。
配当は2月末の年5円配当のため、配当利回りは2.51%となっています。
スタジオアタオは単元株を保有する2月末の単元株主に対して、3,000円割引券(自社ECにおいて10,000円以上購入の場合に利用可)を1枚進呈していますので、参考配当優待利回りは約17.5%となります。
業績を確認していきます。
■2022年2月期 売上高 36.1億円、営業利益 0.1億円 EPS▲1.5円
■2023年2月期 売上高 37.0億円、営業利益▲2.5億円 EPS▲16.3円
■2024年2月期 売上高 32.4億円、営業利益 1.2億円 EPS 3.6円
■2025年2月期 売上高 35.0億円、営業利益 1.5億円 EPS 5.0円 ce
□2024年5月1Q 売上高 8.6億円、営業利益 0.5億円 EPS 2.4円(7/10)
□2024年8月2Q 売上高 16.0億円、営業利益 0.6億円 EPS 2.9円
2024年2月期の売上高はYoY▲12.6%の32.4億円、営業利益はYoY+3.8億円の1.2億円となり、2桁減収したものの、期初計画線の利益を確保しました。実店舗売上は博多店出店による上乗せ等があったもののYoY横ばい圏に留まったほか、(旧提携先の外部でなく自前の)新ECサイトへの移行が想定より進まず、EC売上はYoY▲24.0%と低調に推移しました。他方で利益面については、トラブル対策費用の剥落のほか、新ECサイト販促費のコントロールにより黒字転換を果たしました。
進行期である2025年2月期の予算については、売上高YoY+8.0%の35.0億円、営業利益はYoY+21.3%の1.5億円を予想しています。新店の博多店(博多阪急)と楽天市場支店の通期稼働効果が見込まれる一方、新ECへの移行が想定以下(※後述)のため、本来的な顧客移行にはなお時間を要するとみられるほか、当面は高水準のネット販促投資が見込まれます。7月10日に開示済の1Qについては、売上高8.6億円&営業益0.5億円と概ね計画線の進捗が確認されます。
当社はローリング方式で中期目標(売上のみ)を公表しており、翌2026年2月期に売上高37.5億円、翌2期の2027年2月期に同40.0億円を計画値であるものの、1年前比では大幅に下方修正しています。当社はファブレスでバッグの生産を約20の工場に外注し、少量のEC販売で試験販売→量産化という“少量多品種”の低リスク手法を採っていたものの、ECサイト移行トラブルの長期化を受け、中期の売上高成長率目標を2桁成長から5%に下方修正しています。
当社のEC販売窓口兼大株主(17.54%)でったデジサーチアンドアドバタイジング(D&A)とは2022年7月で資本業務提携を解消しているものの、D&AはECにおける当社の従来顧客情報を全て握っているほか、同社は長財布等を売りにした競合類似ブランド“Her Schedule”の展開を進めているため、当社の露骨な商売敵になっている状況です。そのため、ECについては遅々として移行の進まない自社サイトに拘らず、出店料を払って楽天市場等のマーケットプレイスへの出店を始めているような状況です。
財務状況については、期末時点でネット現金10億円強を抱えており、自己資本比率7割強と良好な水準を維持しています。なお配当予想については、タコ配スレスレの水準ではあるものの、横引きの年5円配当(配当性向99%)を見込んでいます。
*参考記事① 2023-06-30 217円 OP
【3550】スタジオアタオ/EC顧客移行トラブルが影響が一巡、OMO施策で回復が見込まれよう。
*参考記事① 2022-07-26 263円 OP
【3550】スタジオアタオ/懸案のECサイトをついに自社運用に切替、経営の透明性が高まった。
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