【2685】アダストリア/中計ローリングも実質は据置圏、ゼットン(3057)を完全子会社化。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2685】アダストリア(東証プライム) OP


現在値 3,235円/100株  P/E 11.5  P/B 2.01 2月配当優待 8月配当

カジュアル衣料店をSC内軸に展開。グローバルワーク等ブランド多数。
配当金(実績ベース)は2月末・8月末の年2回で合計90円で、配当利回りは約2.78%となります。

アダストリアは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する2月末の株主に対して、3,000円分のお買い物券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.70%となります。なお、2年超の長期保有で優待額が5,000円になるので、その場合の同利回りは約4.32%となります。

業績を確認していきます。 

■2022年2月期 売上高 2,015億円 営業利益 65.6億円 EPS 108.7円 

■2023年2月期 売上高 2,425億円 営業利益 115.0億円 EPS 166.3円

■2024年2月期 売上高 2,755億円 営業利益 180.0億円 EPS 297.7円 

■2025年2月期 売上高 2,900億円 営業利益 190.0億円 EPS 280.4円 ce

□2024年5月1Q 売上高 740億円 営業利益 60.1億円 EPS 97.2円(6/28)

□2024年8月2Q 売上高 1,400億円 営業利益 105.0億円 EPS 146.5円 四e 

2024年2月期の売上高はYoY+13.6%の2,755億円、営業利益はYoY+56.4%の180.1億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。新型肺炎禍の一巡による外出需要が一段増となり、残暑や暖冬など苦戦する時期があったものの、SSSは109.1%と堅調に推移しました。業態別では「GLOBAL WORK(GW)」、「niko and ...(NK)」のほか成長業態の「LAKOLE(LK)」が好調に推移しました。利益面については、前年のシステムトラブル対応費用剥落のほか、プロパー価格維持と海外生産による効率化で円安影響を打ち返して増益を確保しています。

 

進行期である2025年2月期の予算については、売上高がYoY+5.2%の2,900億円、営業利益はYoY+5.5%の190.0億円を見込んでいます。予算上の(単体)売上高はYoY+4.1%に対し、既開示SSS(4ヶ月累計)は103.5%とまずまずの推移となっています。投資は国内・外出店費用(65億円・17億円)、自社EC「ドットエスティ(.st)」開発費(42億円)の延べ138億円の計画で、出退店数は出店114店&退店54店の純増57店を計画しており、期末1,620店を見込みます。なお、6月28日開示済の1Qは売上高740億円&営業利益60.1億円とやや弱含みの状況です。

 

当社は今般、翌2026年2月期を最終年度とする4年中計をローリングしており、売上高を増額して3,100億円(従予:2,800億円)とする一方、営業利益率を下方修正して7.2%(従予:8.0%)に見直すものの、営業利益の“グロス”は224億円と従来水準並みを維持します。取組事項は、①ブランド強化、②EC・コト消費強化、③海外強化、④飲食等新規事業、の4点であり、此方は内容を据え置いています。

 

①は主力業態「GL」が売上高500億円達成で広告効率が向上していることから、コア商材の開発と集中販促等で業態力の磨き上げを行うほか、成長ブランド「LK」の出店機会が順調に増加していることから、今後はOMO業態の「.st」も出店を加速させる方針です。他方、円安による仕入原価高騰への対応として、サンリオ等のIPコラボによる付加価値創出により、単純なコストプッシュを避けた形での価格転嫁を推進します。

 

③の海外は、主力市場の中国がロックダウン終了後も依然モタついていることから、赤字縮小を優先して、厳選出店に切り替えるほか、当面はECによる拡大を志向します。他方、前年22店を出店した台湾(市場規模は小)は好調に推移していることから、未出店業態の出店を推進するほか、横ばい圏の香港はスクラップ&ビルドによる生産性改善を図ります。④は、2022年にDDHD傘下だったゼットンを買収したほか、2024年には株式交換(1対0.36)で完全子会社化しているものの、追加買収による業績寄与は限定的です。

 

財務の状況については、当社は実質無借金経営を継続しており、足許時点でネット現金は135億円超、自己資本比率も54.8%と高水準を確保しています。株主還元については、純益自体は減益予想となるものの、YoY+5円の年90円配当(配当性向32.9%)を予想しており、事実上の累進配当制度に移行しているものと解されます。

*参考記事①  2023-07-19  2,693円 OP

【2685】アダストリア/1Qから順調な滑り出しが確認される、下限配当導入で還元強化路線か。

 

*参考記事② 2023-01-14 2,098円 BY

【2685】アダストリア/ららぽーと門真にFOREVER21を出店へ、増額後予算はなお保守的。

 

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