【2685】アダストリア(東証プライム) OP
現在値 2,693円/100株 P/E 13.0 P/B 1.95 2月配当優待 8月配当
カジュアル衣料店をSC内軸に展開。グローバルワーク等ブランド多数。
配当金(実績ベース)は2月末・8月末の年2回で合計65円で、配当利回りは約2.41%となります。
アダストリアは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する2月末の株主に対して、3,000円分のお買い物券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.52%となります。なお、2年超の長期保有で優待額が5,000円になるので、その場合の同利回りは約4.27%となります。
業績を確認していきます。
■2021年2月期 売上高 1,838億円 営業利益 7.6億円 EPS▲14.8円
■2022年2月期 売上高 2,015億円 営業利益 65.6億円 EPS 108.7円
■2023年2月期 売上高 2,425億円 営業利益 115.0億円 EPS 166.3円
■2024年2月期 売上高 2,600億円 営業利益 140.0億円 EPS 207.2円 ce
□2023年5月1Q 売上高 684億円 営業利益 62.7億円 EPS 89.4円(6/30)
□2023年8月2Q 売上高 1,200億円 営業利益 58.0億円 EPS 83.8円 四e
2023年2月中間期の売上高はYoY+20.3%の2,452億円、営業利益はYoY+75.4%の115.0億円となり、3Qの増額見通し比未達も、大幅な増収増益となりました。まん防終了とGW人流の回復に始まり、期末にかけて概ね尻上がりに売上が回復し、上海ロックダウンによる商品調達影響をこなして、SSSは112.4%と堅調に推移しました。業態別では「GLOBAL WORK(GW)」、「LAKOLE(LK)」、高額帯のエレメントルールが好調を維持しました。利益面については、システムトラブル対応費用(▲14億)や為替の不利影響を、売上増と値引き販売の抑制等で打ち返して、大幅増益を確保しています。
進行期である2024年2月期の予算については、売上高がYoY+7.2%の2,600億円、営業利益はYoY+21.6%の140.0億円を見込んでいます。予算上の(単体)売上高はYoY+4.3%に対して、累計4ヶ月分が既開示のSSSは108.2%と堅調な推移が確認されます。投資は延べ140億円を計画しており、出店費用(62億円)のほか、自社EC「ドットエスティ(.st)」の開発費(42億円)、海外開拓(28億円)を投じる計画です。出退店は出店110店&退店54店の純増56店を計画しており、期末1,565店となる予定です。なお、6月30日開示済の1Qは売上高684億円&営業利益62.7億円と高進捗が確認されます。
当社は2026年2月期を最終年度とする4年中計で売上高CAGR5%(最終的に2,800億円)、営業利益率8%、ROE15%を目指す計画です。注力施策としては①ブランド強化、②EC・コト消費強化、③海外強化、④飲食等新規事業、の4点を挙げています。①は好調な「GL」でマス向け廉価商品を投じるほか、「niko and」はカフェや家具、アウトドア等も含めた提案型大型店を展開します。また「LOWRYS FARM」にはキッズ、メンズライン拡充のほか、「studio CLIP」から自然型高品質ブランド「daily CLIP」を派生業態として独立させ、駅ビル・体験型業態という新フォーマットへ磨き上げる方針です。
③の海外は主に中国であり、ロックダウン終了にともない本格的な出店に舵を切ります。昨夏に大型モールの南京水游城に300坪級の「niko and」を開業させたほか、上海以外の1級都市である成都、重慶にも出店エリアを拡大し、ドミナント展開を図ります。④は、DDHD傘下のゼットンの第三者割当増資(12.9億円)の引受と公開買付(15.8億円)で、子会社化・連結開始しています。
他方、米国発のFFブランド「FOREVER21」の展開を開始しており、本邦での販売権所有者兼マスターライセンシーである伊藤忠商事の下、3月よりEC販売を開始したほか、1号店をららぽーと門真に出店し、2028年2月期に上代売上高で100億円を目標とします。以上から、成長ドライバーが豊富ではあるものの、(特に利益予算の)計数目標がかなり野心的であるため、1年経過したものの、依然として達成可視性はあまり高くないものと考えます。
財務の状況については、当社は実質無借金経営を継続しており、足許時点でネット現金は150億円超、自己資本比率も52.8%と高水準を確保しています。株主還元については、配当性向30%を目途に5円増配となる年65円配当を見込んでいるほか、今般これを“下限配当”として固めており、かような還元姿勢の変化から、実質的な累進配当政策に変化したものと評価しています。
*参考記事① 2023-01-14 2,098円 BY
【2685】アダストリア/ららぽーと門真にFOREVER21を出店へ、増額後予算はなお保守的。
*参考記事② 2022-07-14 2,106円 OP
【2685】アダストリア/自社EC「.st」の会員数が順調増、他社商材の取扱いも開始。
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