【4432】ウイングアーク1st(東証プライム) BY
現在値 2,566円/100株 P/E 15.2 P/B 2.27 2月・8月配当 株主優待なし
帳票・文書管理ソフトと企業内データ活用支援の2本柱。間接販売が主。MBOで再上場。
配当は2月・8月の年2回、合計84.0円のため、配当利回りは3.27%となります。
ウイングアーク1stは株主優待制度を導入していません(※再上場前はクオカード優待が存在)。
業績を確認していきます。
■2022年2月期 売上高 198億円、営業利益 59.8億円、EPS 132.2円
■2023年2月期 売上高 223億円、営業利益 59.4億円、EPS 129.5円
■2024年2月期 売上高 257億円、営業利益 73.0億円、EPS 158.0円
■2025年2月期 売上高 276億円、営業利益 80.0億円、EPS 168.5円 ce
□2024年5月1Q 売上高 71.2億円、営業利益 24.1億円、EPS 50.8円(7/11)
□2024年8月2Q 売上高 155億円、営業利益 53.0億円、EPS 113.4円 四e
2024年2月期の売上高はYoY+15.2%の257億円、営業利益はYoY+22.9%の73.0億円となり、3Q時点の増額見通しを上回って着地しました。帳票・文書管理のBDS事業(SVF/SPA)が電帳法・インボイス対応といった仮需のほか、“2027年問題”と云われるERPシステム切れ需要でSVFのライセンス販売が高水準となりました。データ活用のDE事業についても、主力のMotion Borad(MB)でオンプレの大型案件獲得が進み、想定超で推移しました。各種KPIについては、ストック比率は61.8%、クラウド成長率は+36.4%、保守継続率は94.0%と良好に推移しました。
進行期である2025年2月期の予算については、売上高がYoY+7.2%の276億円、営業利益がYoY+9.5%の80.0億円を見込んでいます。BDS事業のinvoiceAgentは法令改正特需が一巡するものの、公共系の積み上げやERP更新需要で続伸が見込まれます。他方、DE事業のMB、Dr.Sumについてもデータ活用需要増のほか、海外競合品値上がりの代替需要取り込みが進みます。利益面については、広告宣伝費・人件費・開発費等の戦略投資(▲17.5億円)を織り込んでおり、直近2期並みと同水準を見込みます。
当社は2022年初に開示した中計で、約5年後の2027年2月期に①クラウド成長率CAGR40%(全社売上高198億円→320億円)、②リカーリング比率75%、③調整後EBITDAを73億円→120億円に引き上げる計画です。進行期までの3ヵ年は広告費や人件費等の戦略投資(非CAPEXの費用性投資)に55億円を投じるため、営業益が年▲17~18億円押し下げられているものの、目下のEBITDA86億円に達しています。
今後は電帳法改正とインボイスの“追い風”終了後の成長確度が論点となるものの、BDS事業についてはSAPに代表されるERPの更新需要が足許でもなお高水準で推移している状況です。DE事業についても、クラウド上でのデータ活用ニーズの高まりで主力のMBの引き合いが漸増傾向にあるだけでなく、円安影響で海外競合品が軒並み値上がりしており、その受け皿としてのニーズが増大しています。今後はBoxとの連携や、ローコード化等による使い勝手の改良に取り組む方針です。
なお株主還元については、既に総還元性向50%水準にまで踏み込んでおり、基本的に配当還元とするため、進行期は5円30銭の増配となる年84円配を見込んでます。
*参考記事① 2024-01-15 2,815円 OP
【4432】ウイングアーク1st/電帳法・インボイス特需で増額、総還元性向50%変更で大増配へ。
*参考記事② 2023-07-12 2,269円 OP
【4432】ウイングアーク1st/改正電帳法関連特需続く、先行投資負担こなし想定外の増配。
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