【7512】イオン北海道(東証スタンダード) NT
現在値 904円/100株 P/E 19.6 P/B 1.76 2月配当株主優待
北海道のスーパー大手、アークス・生協と3強。マックスバリュ北海道と経営統合。
配当金は2月一括の16円配当のため、配当利回りは1.77%となります。
イオン北海道は株主優待を実施しており、2月末の単元株主に対して、2,500円の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.53%となります。
業績を確認していきます。新収益認識基準に切り替えています。
■2022年2月期 売上高 3,216億円、営業利益 66.1億円 EPS 27.5円
■2023年2月期 売上高 3,172億円、営業利益 83.4億円 EPS 33.8円
■2024年2月期 売上高 3,316億円、営業利益 103.6億円 EPS 44.4円
■2025年2月期 売上高 3,510億円、営業利益 110.0億円 EPS 45.9円 ce
□2024年8月2Q 売上高 1,830億円、営業利益 40.0億円 EPS 15.1円 四e
2024年2月期の売上高はYoY+5.0%の3,316億円、営業利益は同+24.2%の103.6億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。正常化の一段の進展で衣料品・住居余暇のSSSが101%強となったほか、PB商品の伸長やからあげ(ザンギ)がヒットした食品SSSは104.8%と大きく伸長し、全社SSSは104.2%と高水準を確保しました。利益面では従業員賃上げ(+18億円)を実施したものの、水光熱費が想定以下だったほか、PB構成比増で一段増となりました。
進行期である2025年2月期の予算については、売上高がYoY+5.4%の3,510億円、営業利益がYoY+6.1%の110.0億円を予想しています。生活防衛意識の高まりから、トップバリュPB商品へのトレードダウンが進む見通しであり、構成比の大きい食品分野の牽引により全社SSSは103%でセットしています。出店は横ばいの3店を計画する一方、西友からの店舗譲受(※後述)が下期から寄与するものの未織込となっています。利益面については、好採算のPB構成比増によるミックス改善が継続するものの、概ね増収幅並みの伸びを見込みます。
当社はMV北海道(7465)との統合2年度目を計画始期とする5ヵ年中計で、最終年度の2026年2月期に売上高を3,199億円→3,800億円に、営業利益を93億円→157億円に其々引き上げる計数目標としています。MV北海道との統合にかかる一過性費用は既に消化済で、この5ヵ年で顕在化させていく仕入・物流等のシナジー効果は年8億円程となります。
本中計期間の方針として、①付加価値向上、②顧客化推進、③地域連携、④収益構造改革の4点を挙げています。①は道内の強い生活防衛意識に対応すべく、PB商材“トップバリュ”のMD拡充に取り組むほか、2020年新設の石狩PC(延床9,000坪)の活用により、各店の取扱い惣菜の充実化を図ります。➁については、ネットスーパーとして小樽・札幌藻岩・札幌麻生・紋別の4拠点を開設し、配送時間を5時間→3時間(最短)に短縮させています。
なお、当社は本年4月に西友の事業整理により、道内の9店(旭ヶ丘、元町北二十四条、平岸、清田、西町、手稲、宮の沢、厚別、福住)を10月で譲受・地位承継することを公表しています。売上高は260億円強・譲受対価は170億円で、当社FAであるシティーグループ証券の試算では進行期に営業益▲12億円(統合一過性費用)/年、巡行する翌期に同+6億円/年の営業益寄与を見込んでいるものの、正のれん発生額を仮に100億円とすれば、業績寄与はほぼ軽微となる公算です。
財務状況については、自己資本比率45.8%と安定した水準を維持しており、株主還元については終わった期で4円積み増した水準を横引きし、年16円配当(配当性向34.8%)を見込んでいます。上述したとおり、西友道内事業の買収に巨費を投じることから、財務悪化が不可避とみられ、当面は表記還元水準が据え置かれるものと解されます。
*参考記事① 2023-07-31 867円 NT
【7512】イオン北海道/中計序盤の投資効果発現期待かかるが、予算はやや過大気味。
*参考記事② 2023-01-25 955円 NT
【7512】イオン北海道/STD市場の流動性基準充足のため大規模売出、完全子会社化期待は後退。
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