【7512】イオン北海道(東証スタンダード) NT
現在値 955円/100株 P/E 29.5 P/B 2.05 2月配当株主優待
北海道のスーパー大手、アークス・生協と3強。マックスバリュ北海道と経営統合。
配当金は2月一括の12円配当のため、配当利回りは1.26%となります。
イオン北海道は株主優待を実施しており、2月末の単元株主に対して、2,500円の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.87%となります。
業績を確認していきます。新収益認識基準に切り替えています。
■2020年2月期 売上高 1,859億円、営業利益 81.0億円 EPS 36.6円
■2021年2月期 売上高 3,199億円、営業利益 93.6億円 EPS 42.1円
■2022年2月期 売上高 3,216億円、営業利益 66.1億円 EPS 27.5円
■2023年2月期 売上高 3,170億円、営業利益 90.0億円 EPS 32.3円 ce新収益
□2022年8月2Q 売上高 1,553億円、営業利益 32.1億円 EPS 13.1円
□2022年11月3Q 売上高 2,310億円、営業利益 42.5億円 EPS 18.1円(1/13)
2022年8月中間期の売上高はYoY▲2.9%の1,553億円、営業利益は同+53.8%の32.1億円となり、新収益認識基準を考慮した実質ベースでは増収増益となりました。経済正常化で衣料品が好調に推移したGMSセグの既存店売上高(SSS)が103.2%、節約志向が追い風となったDS事業も同103.0％と好調に推移し、巣ごもり反動減となったSM事業の穴を埋めて、全社SSSは101.9%を確保しました。利益面については、水光熱費増があったものの、高採算のテナント収入の増加や、従業員向けの一過性給付金の剥落により大幅増益となりました。
2023年2月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高はYoY▲1.4%の3,170億円、営業利益がYoY+35.1%の90.0億円を見込んでいます。“巣ごもり特需”の反動減により、食品中心のSM事業が弱含むものの、回復基調が継続するGMS事業と、物価高を背景とした節約志向でDS事業が更に好調に推移していることから、トップラインは実質ベースで増収を確保する公算です。利益面では、原価の水光熱費増の影響が強く出ているものの、増収効果と節電・DX等の各種生産性向上策により、3割程度の増益確保を見込みます。
当社はMV北海道(7465)との統合2年度目から5ヵ年中計を公表しており、2026年2月期に売上高を3,199億円→3,800億円、営業利益を93億円→157億円に其々引き上げる計画としています。既に統合にかかる一過性経費は剥落しており、計画期間の5ヵ年で顕在化させるシナジー(仕入規模効果、物流費用削減等)は年8億円を見込んでいます。
本中計期間の方針として、①付加価値向上、②顧客化推進、③地域連携、④収益構造改革の4点を挙げており、目玉は2020年に竣工させた石狩PC(延床9,000坪)です。道内で競合するアークスや生協は既にPCを抱えており、当社が出遅れていたものの、石狩PCの稼働開始でMV北海道との統合規模効果が生きるような形となりました。実際に石狩PCでは道産コーンを使用したコロッケといった道産素材を活用した惣菜開発の強化に取り組んでおり、店舗側の改装投資に合わせて高付加価値商品(デリカ・惣菜)を送り込み、相乗効果拡大を図っています。
財務状況については、相対的に財務脆弱なMV北海道を飲み込んだ後も40%強の安定した水準を維持しています。配当は据置となる年12円を予定しており、計算上の配当性向は37%となりますが、かような財務状況を鑑みれば余裕残しとみられます。
他方、去る1月20日に東証スタンダード市場上場維持にかかる流動性基準の維持のため、株式売り出し(161万株)を公表しており、オファリングレシオは15％に上る大規模な売り出しとなっています。売出人はイオンを筆頭に、北洋銀、道銀、加藤産業、北陸銀が名前を連ねており、当面の需給軟化が想定されます。また、本件取組の際に合わせて株主優待制度の拡充も実施していることから、イオン本体による完全子会社化の目は後退したものとみられます。
*参考記事① 2021-07-03 1,122円 NT
【7512】イオン北海道/MVとの統合効果発現には要時間、石狩の大規模PCが稼働開始へ。
*参考記事② 2018-06-13 809円 NT
最高益更新続くが、マックスバリュ北海道との統合は？イオン北海道(7512)。
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