【3063】ジェイグループホールディングス(東証グロース) NT
現在値 672円/100株 P/E 30.3 P/B 41.8 2月優待配当 8月優待配当
名古屋地盤に飲食、ブライダル、不動産展開。居酒屋『芋蔵』が主力。
配当基準日は2月末・8月末の年2回ですが、年4円のため配当利回りは0.6%となります。
ジェイグループHDは単元株以上の株主に対し、食事優待券2,000円分を2月末・8月末に年2回進呈していますので、配当優待利回りは約6.54%となります。
業績を確認していきます。
■2022年2月期 売上高 47.0億円、経常利益▲19.0億円 EPS ▲63.3円
■2023年2月期 売上高 80.1億円、経常利益▲9.0億円 EPS▲57.7円
■2024年2月期 売上高 104.3億円、経常利益 3.0億円 EPS 21.0円
■2025年2月期 売上高 105.5億円、経常利益 3.1億円 EPS 22.1円 ce
□2024年8月2Q 売上高 53.0億円、経常利益 1.7億円 EPS 13.2円 四e
2024年2月期の売上高はYoY+30.2%の104.3億円、経常利益はYoY+12.0億円の3.0億円となり、対前・対予算で大幅な増収増益となりました。全店SSSは経済活動再開にともなう人流正常化のほか、積極的な店舗改装策が奏功し、平時比ベースでも107.6%と大増勢となりました。利益面についても、メニューミックスの改善、DX化、不採算店閉鎖効果による損分点引き下げが寄与しました。出退店については、店舗譲受の吉珍摟を含む計4店を出店した一方、不採算店11店を閉鎖し、期末の店舗数は純減7店の111店となりました。
進行期である2025年2月期通期予算については、売上高はYoY+1.1%の105.5億円、経常利益はYoY+3.3%の3.1億円と僅かながらも増収増益を見込みます。不採算店閉鎖の一巡から、店舗純増を7店舗ほど見込むほか、繁華街店舗でのインバウンド獲得を志向し、外国人採用を積極化する方針です。このほか、リニューアル済店舗の既存店売上高が有意に向上していることから、老朽化店舗の改装を推進します。
当社は中期的な取組として店舗PFの変革を進めており、大型店→小型店、都心店→郊外店、総合居酒屋業態→専門業態へシフトさせています。新型肺炎禍以降32店の出店と37店の業態転換、62店の閉鎖を実行しており、好調な専門業態を強化します。寿司居酒屋の「寿司と串とわたくし」「寿司と天ぷらとわたくし」「すしつま」、日本酒業態の「吟醸マグロ」「十八代光蔵」は何れも好調に推移しており、寿司居酒屋は競合激化しつつあるものの、訪日客の取込を当て込んで出店を加速することとしています。
高速道路SAの土産店を含めたフードコート等の一括受託や、有力地場ブランドの「昔の矢場とん」のFC、ナショナルブランドである「大阪王将」のエリアFCといったネームの強い業態のフランチャイジーとして収益の地盤を固めます。不動産事業については、「EXIT Nishiki」を含めた栄三丁目の本社ビル、名駅3丁目「ジェイチル名駅」、「jG金山」、「ジュール則武」の計5物件の保有を継続しています。
財務面の手当については、2018年にSMBC日興証券でMSワラント発行で10億円を調達したほか、2022年に政投銀(飲食・宿泊支援ファンド)にB種優先株式で10億円分、東海東京証券にMSワラント(最大11億円)を追加的に発行し、行使が完了しています。目下の自己資本比率は16.9%まで回復しており、復配した配当も年3円→年4円に増額する方向ですが、更なる財務体質改善のため、不動産事業の物件売却を視野に入れているものとみられます。
*参考記事① 2023-07-14 563円 NT
【3063】ジェイグループHD/小型店化奏功で本業底入れの兆し、株式希薄化も一巡。
*参考記事② 2023-01-05 440円 NT
【3063】ジェイグループHD/MSワラントにより再度希薄化、痛みを伴う財務改善が進む。
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