【3295】ヒューリックリート投資法人(東証REIT) OP
現在値 146,000円/1株 P/E 21.0 P/NAV 0.79 2月分配 8月分配
ヒューリックをスポンサーとする総合型J-REIT。東京圏のオフィスと商業施設が主体。
予想分配金は2月末・8月末の年2回合計7,060円配で、分配金利回りは約4.84%となります。
業績を確認していきます。
■2023年2月期_第18期 営業収益 106.7億円、経常利益 48.8億円 DPU 3,480円
■2023年8月期_第19期 営業収益 112.2億円、経常利益 50.9億円 DPU 3,480円
■2024年2月期_第20期 営業収益 113.2億円、経常利益 51.6億円 DPU 3,583円
□2024年8月期_第21期 営業収益 114.3億円、経常利益 51.5億円 DPU 3,580円ce修正
□2025月2月期_第22期 営業収益 108.9億円、経常利益 48.2億円 DPU 3,480円ce
2024年2月期_第20期の着地については、営業収益が第19期比+0.2%の113.2億円、経常利益は同+1.2%の51.6億円、分配金は同+103円の3,583円となり、予想を上振れました。第19期末取得の小舟町ビル(109.7億円/鑑定NOI4.0%)がフル寄与したほか、銀座7丁目ビルの残り半分売却による譲渡益(3.6億円)を計上しました。他方、計画外で3棟(相鉄イン六本木、雷門ビル、駒込ビル)を取得してこれが一部寄与したほか、オフィス稼働率(期末)も99.3%と想定超となりました。
進行期である2024年8月期_第21期の見通しも修正しており、営業収益は第20期比+1.0%の0.8%の114.3億円(従予:111.3億円)、経常利益は同▲0.1%の51.5億円(従予:50.1億円)、分配金は▲同3円の3,580円(従予:3,480円)に増額しています。銀座7丁目ビルの譲渡益剥落も、東日本橋ビルの売却で5.8億円の譲渡益を計上するほか、実勢見合いで稼働率の想定も98.4%→99.1%に引き上げる計画です。
初開示となる翌2025年2月期_第22期の営業収益は第20期比▲4.8%の108.9億円、経常利益は同▲6.4%の48.2億円、分配金は同▲100円の3,480円を予想しています。東日本橋ビルの譲渡益の剥落影響が大きいだけでなく、オフィス稼働率も99.1%→98.2%へ低下を見込み、ホテル歩合賃料の剥落を織り込んで減収減益を見込みます。なお、本年6月取得の亀戸ビル(90%、30億円/NOI4.3%)は計画外で未織込ではあるものの、内部留保取崩(▲1.8億円)を実施しても減配予想となります。
当法人のP/NAVは0.79倍に沈んでおり、POは困難な状況です。そのため低利回り物件の売却による譲渡益顕在化と、比較的高利回りのシニア物件やホテルへの入替を進め、ポートフォリオの組替と分配金維持を図っています。目下45.4%のLTVも上限の50%(取得余力残り371億円、1%辺りDPU+50円)まで活用する方針としています。金利の先高感が気掛かりですが、そこはスポンサーが銀行系ということもあり、アグレッシブな姿勢となっています。
他方、スポンサーコミットメントとして、本年5月にも親会社のヒューリックが本法人株を追加取得しており、昨年の27,350口(45億円相当)に続き、今回は最大28,800株(42億円相当)を取得する計画です。ヒューリック側としてはP/NAV0.7倍台の当法人株を拾う方が物件を買うより合理的であり、本件取組により持分は上場時を上回る14.5%まで引き上がる公算です。
*参考記事① 2024-01-25 156,200円 NT
【3295】ヒューリックリート投資法人/稼働率は底入れ気配、積極的な物件入替により分配金を維持。
*参考記事② 2023-07-15 162,400円 NT
【3295】ヒューリックリート投資法人/スポンサーが投資口追加取得、まずは稼働率回復が待たれる。
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