【2762】SANKO MARKETING FOODS(東証スタンダード) OP
現在値 159円/100株 P/E ‐‐.‐ P/B 9.18 6月無配優待 12月優待
居酒屋や焼肉を展開。水産事業を育成中。急拡大の焼き牛丼屋や「金の蔵」は大量閉店。
配当基準日は6月末・12月末ですが、今期は無配予想となっています。
SANKO MARKETING FOODSは株主優待制度を導入しており、1単元を保有する6月末・12月末の株主に対して、飲食料金が30%引きとなる優待券を年2回・各2枚進呈しています。なお保有株数に応じて、東京チカラめしカレーや海鮮せんべい、海鮮瓶詰、金目鯛煮つけ等を進呈しています。
業績は下記の通りです。
■2021年6月期 売上高 21.0億円、経常利益▲14.2億円 EPS▲114.8円
■2022年6月期 売上高 23.0億円、経常利益▲3.0億円 EPS▲18.9円
■2023年6月期 売上高 71.9億円、経常利益▲7.4億円 EPS▲40.9円
■2024年6月期 売上高 93.5億円、経常利益▲6.4億円 EPS▲29.6円 ce修正
□2023年12月2Q 売上高 44.1億円、経常利益▲3.0億円 EPS▲13.8円
□2024年3月3Q 売上高 71.6億円、経常利益▲4.5億円 EPS▲18.8円(5/14)
2023年12月期の売上高はYoY+51.6%の44.1億円、経常利益はYoY+0.4億円の▲3.0億円となり、予算比は無いものの増収増益となりました。主力の“アカマル屋”は大衆酒場から水産系業態への業態転換が奏功し、平時比SSSは130％水準で推移したほか、買収した綜合食品とジーエスサンヘイのフル連結効果で大幅増収となりました。他方、利益面については各種原価高騰はこなしたものの、店舗承継や先行投資にかかる一過性コストが嵩み、増収幅のわりに赤字改善額は限定的となりました。
なお2024年6月期の通期見通しは3Qで大幅減額しており、売上高がYoY+31.4%の93.5億円(期予:110億円)、経常利益はYoY＋1.0億円の▲6.4億円(期予:0.2億円)に修正しています。主力の“アカマル屋”については9店を出店するほか、店舗地位を承継した牧原鮮魚店(※後述)の9店が計画外で上乗せとなるものの、水産業の対中向け輸出が原発処理水問題を受け想定以上に苦戦している状況です。利益面もグループ内最適化にともなう一過性費用が大きく、赤字幅縮小は非常に限定的となる見通しです。
当社は2026年6月期を最終年度とする中計において、向こう3年で売上高を21億円→115億円に、営業利益を▲17.4億円→7.0億円まで引き上げ、新型肺炎禍前の水準を奪回する目論見です。主な取組事項としては、①店舗収益基盤再構築、②新規事業参入、を掲げています。①魚業態の“アカマル屋”を中心に年8店ペースで増店するほか、コントラクト(運営受託)も農水省を中心とした官公庁群で出店先が拡大しています。また、本年3月に自己破産した牧原水産より、イオンモールをはじめとするSC内の飲食9店舗を地位承継で獲得しています。
②は主に水産事業であり、2020年に我入道漁協(沼津)との提携を皮切りに、沼津漁港の買参権取得、浜松の鮮魚類卸の海商、豊洲大卸7社の一角である綜合食品(年商30億円超/利益僅少)を相次いで買収しています。このほか自社運用の一本釣り漁船「辮天丸(三光丸)」を筆頭とした漁船群は5隻体制となっているものの、2026年には100隻体制を目指す計画です。水産事業のエクスポージャー拡大が裏目に出る形で、処理水影響を大きく受ける格好となったものの、今後は対中だけでなく北米向け販路を開拓する方針です。
財務状況については、EVO FUNDを相手先とする転換社債で2億円を調達したほか、行使確約型の第5回MSワラント(最大10.5億円分)の行使を1月までに全て済ませています。そして本年4月には同様のスキームで転換社債2億円＆第6回MSワラント(最大5.0億円分)を発行しているものの、此方の行使は殆ど進んでいない状況です。それでも自己資本比率は17％と一定水準を維持しているものの、財務面よりも強烈なエクイティの希薄化影響の方が意識されます。
*参考記事① 2023-12-15 165円 OP
【2762】SANKO MARKETING FOODS/優待拡充でMSワラント全行使に目途。
*参考記事② 2023-06-09 179円 OP
【2762】SANKO MARKETING FOODS/水産業へ順調な移行進むが、希薄化影響大。
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