【2762】SANKO MARKETING FOODS/水産業へ順調な移行進むが、希薄化影響大。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2762】SANKO MARKETING FOODS(東証スタンダード)  NT

現在値  179円/100株  P/E --.-   P/B 32.6  6月無配優待 12月優待

居酒屋や焼肉を展開。水産事業を育成中。急拡大の焼き牛丼屋や「金の蔵」は大量閉店。
配当基準日は6月末・12月末ですが、今期は無配予想となっています。

 

SANKO MARKETING FOODSは株主優待制度を導入しており、単元株を半年以上保有する6月末・12月末の株主に対して、飲食料金が30%引きとなる優待券を年2回・各1枚進呈しているほか、特製カレーを各2食進呈しています。なお、保有株数に応じて、上記進呈が年2回・各5枚/各5食分までアップします。

業績は下記の通りです。 

■2020年6月期 売上高 73.9億円、経常利益▲19.9億円 EPS▲174.6円 

■2021年6月期 売上高 21.0億円、経常利益▲14.2億円 EPS▲114.8円 

■2022年6月期 売上高 23.0億円、経常利益▲3.0億円 EPS▲18.9円 

■2023年6月期 売上高 72.0億円、経常利益▲6.7億円 EPS▲36.0円 ce修正
□2022年12月2Q 売上高 29.1億円、経常利益▲3.5億円 EPS▲19.2円 

□2023年03月3Q 売上高 52.1億円、経常利益▲5.2億円 EPS▲28.8円(5/15)

2022年12月中間期の売上高はYoY*3.1倍の29.1億円、経常利益はYoY▲4億円の▲3.5億円となり、予算比は無いものの増収減益となりました。主力の“アカマル屋”は大衆酒場から水産系業態に順次転換したことも奏功し、月次の既存店売上高は感染第7波の8月を除き、何れも平時比100%超えで推移しました。また、昨年買収した綜合食品の7月‐9月の業績を取り込んで全社で大幅増収となった一方、助成金収入剥落で赤字幅が拡大しました。なお総店舗数は、YoY▲5店の43店(受託・FC含む)となりました。


なお2023年6月期の通期見通しは3Q時点で減額しており、売上高は72.0億円(期予:99.0億円)、経常利益は▲6.7億円(期予:0.2億円)に修正しています。主力の“アカマル屋”の3Q期間の既存店売上高は120%~130%と平時を超える水準で好調に推移している一方、従来型業態の“金の蔵”を相次いで閉店しているため、トップラインとしては想定以下となります。連れて利益面についても、助成金剥落だけでなくエネルギー価格上昇や、閉店費用、食材原価高騰の影響により、赤字幅が拡大します。

 

当社は2024年6月期を最終年度とする中計において、向こう3年で売上高を21億円→115億円に、営業利益を▲17.4億円→7.0億円まで引き上げる計画であり、新型肺炎禍前の水準を奪回する目論見です。主な取組事項としては、①店舗収益基盤再構築、②新規事業参入、を掲げています。①は都心型不採算店の閉鎖が完了したことから、低投資業態の“アカマル屋“と“焼肉万里”の両業態に絞って厳選出店する計画でしたが、食肉調達環境の悪化もあり、水産の“アカマル屋”に絞って年8店程増店することとしています。

 

②の新規事業は、水産分野が特に進展しており、2020年の我入道漁協(沼津)と提供し、沼津港に競落魚の直販の“まるが水産”を、横須賀中央に本格寿司等食べ放題の”まるがまる“を相次いで開業しています。これらにくわえ、沼津漁港の買参権取得、浜松の鮮魚類卸・海商の買収、自社運用の一本釣り漁船「辮天丸」の取得したほか、昨年7月には豊洲市場で大卸7社の1社である綜合食品(年商30億円超/利益僅少)を買収しています。また、国内事業を縮小した“東京チカラめし”は、香港・タイ王国にてライセンス方式で展開しており、延べ5店舗まで拡大しています。

 

財務状況については、2019年に食肉卸大手のエスフーズ(2292)への三者割増資で5億円を調達したほか、本年初にEVO FUNDを相手先とする転換社債2億円を発行し、この5月までに全て転換が完了しています。また、行使確約型の第5回MSワラントにより最大10.5億円を追加的調達しており、足許では発行数の1割程(0.75億円)の行使が進んでおり、急ピッチで希薄化が進んでいます。会社側では本件取組により、“アカマル屋”の出店資金に7億円超を投じるほか、運転資金とDX投資にも資金充当する計画としており、当面は財務温存路線が採られるものと解されます。

 

*参考記事① 2022-06-03 265円 NT

【2762】SANKO MARKETING FOODS/水産エクスポージャーは拡大、中計は過大。

 

*参考記事② 2021-10-30 266円 NT

【2762】SANKO MARKETING FOODS/浜松の海商株式を取得、水産事業が拡大。

 

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