【6078】バリューHR/大和総研・日本生命と資本業務提携、ネームの強い協業先の開拓が進む。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6078】バリューHR(東証プライム)  NT

現在値 1,492円/100株 P/E 39.4  P/B 6.46  6月・12月配当 株主優待あり

健保の保険事業や企業の健康に関するサービスをネットで提供。
配当は6月末・12月末の合計25円配当のため、配当利回りは1.68%となります。

バリューHRは株主優待制度を実施しており、12月末時点の単元株主に対して、2,500円分のカフェテリアポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.35%となります。(別途、長期優遇制度あり。6,000円のカフェテリア年会費も無料扱いとなります)

業績を確認していきます。  

■2021年12月期 売上高 55.2億円、営業利益 10.0億円 EPS 27.6円  

■2022年12月期 売上高 61.6億円、営業利益 11.9億円 EPS 33.5円  

■2023年12月期 売上高 71.0億円、営業利益 13.8億円 EPS 37.0円 

■2024年12月期 売上高 81.6億円、営業利益 14.5億円 EPS 36.5円 ce 
□2024年3月1Q 売上高 19.3億円、営業利益 2.7億円 EPS 5.9円(5/15) 
□2024年6月2Q 売上高 39.8億円、営業利益 7.0億円 EPS 18.2円 四e 


2023年12月期の売上高はYoY+15.1%の71.0億円、営業利益はYoY+16.1%の13.8億円となり、予算には届かなかったものの15%の増収増益となりました。主力のバリューカフェテリア(VC)事業は、健診代行サービスと特定保健指導の受注が加速し、ユーザー数はYoY+18%の207万人に拡大しました。健保組合設立・運営支援のHRマネジメント事業の健保数はYoY+1件の64件に伸び悩んだものの、既設健保のBPO・人材派遣サービスは順調に拡大しました。


進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+15.0%の81.6億円、営業利益はYoY+3.6%の14.3億円を見込んでいます。VC事業は終わった期の大幅なユーザー増が通期寄与するほか、提携先協業による更なる拡大で期末ユーザー数はYoY+16%の240万を見込みます。HRマネジメント事業も新設組合の受注も5~6件見込むものの、平均10%の大幅な賃上げや新卒採用強化を含めた人員拡充で増益幅は小幅に留まります。尚、5月15日開示済の1Qは、売上高13.4億円&営業益2.7億円とやや低調な進捗です。

 

当社の中長期的な成長戦略としては、ストック型のVC事業をベースに①シェア拡大、②DX投資による収益性向上、③派生事業による収益獲得、の3軸の推進により、当面の売上高成長率目標「年率15%+」を目指します。①の契約健保数は124組であり、国内健保総数(約1,387組合)のうち8.9%のシェアを有しています。TAMは国内企業500万社/ユーザ数5,700万人、うちSAMとして認識する社員300人超企業は1.3万社/ユーザ数900万人存在し、現契約社数の800社/176万人との比較ではなお成長余地が確認されます。

 

②のDXは人事労務ソフトのSmartHRや、タレントマネジメントのカオナビとのシステム連携により、“広義HR関連”の一元管理を可能にし、商品性能向上を図っています。③の派生事業は、2022年から開始したオンライン診療(決済・薬の処方)サービスを提携組合に対して拡販を進めるほか、既提携先である東京海上との協業により健診データのAI解析&疾病予測、健診時の病院送客支援等を推進します。

 

また直近では2023年11月には健保向けシステムシェア首位(400組合超)の大和総研と資本業務提携(持分2.55%)し、当社システムとの連携強化によるソリューション拡大に取り組むほか、3月には日本生命との資本業務提携(持分2.83%)に踏み切っています。これにより生保最大手である同社の顧客基盤を活用した当社サービスの拡販が見込まれるほか、豊富な人的データを活用した新サービスの開発等も期待されます。これらの資本提携といった各種取組が急進捗していることから、当面は年率2桁の成長幅が維持出来る公算が高いと解されます。

 

財務状況については、代々木の自社ビル新設(65億円)により有利子負債が膨らんだものの、東京海上や大和総研・日本生命らへの相次ぐ増資・自社株売りにより、自己資本比率は37.4%まで改善しています。配当は上場来12期連続の増配の年25円(3円増)を見込んでおり、計算される配当性向は68.4%水準となります。


*参考記事① 2023-06-08 1,451円 NT

【6078】バリューHR/正常化により健診受診数が回復、当面は2桁成長基調が持続しよう。

 

*参考記事② 2022-05-02 1,397円 NT

【6078】バリューHR/ 東京海上日動と資本業務提携、オンライン診療もサービスローンチ。 

 

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