【6061】ユニバーサル園芸社/進行期で6社を買収、新規借入によるM&Aで業容拡大意向は強い。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6061】ユニバーサル園芸社(東証STD) OP

現在値 3,430円/100株 P/E 10.6  P/B 1.39  6月配当優待 12月優待

オフィスなどへの観葉植物レンタル大手。園芸・生花などの小売を拡大。
配当金は6月末の年1回24円のため、配当利回りは約0.70%となります。

 

ユニバーサル園芸社は株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末の株主に対しての株主に対して2,000円分、12月末の株主に対して1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.57%となります。

業績を確認していきます。   

■2021年6月期 売上高 95.7億円、経常利益 13.4億円 EPS 152.5円 

■2022年6月期 売上高 115.9億円、経常利益 19.6億円 EPS 288.5円 

■2023年6月期 売上高 138.1億円、経常利益 21.8億円 EPS 315.3円 

■2024年6月期 売上高 173.3億円、経常利益 23.0億円 EPS 321.7円 ce修正

□2023年12月2Q 売上高 71.6億円、経常利益 7.5億円 EPS 85.7円 

□2024年3月1Q 売上高 118.8億円、経常利益 16.6億円 EPS 229.7円(5/14) 

2023年12月中間期の売上高はYoY+11.5%の71.6億円、経常利益はYoY▲20.3%の7.5億円となり、2桁増収ながらも予算割れとなりました。主力のグリーン事業については、マーケティングの奏功で計画線で進捗したものの、人件費が想定超で膨らみ減益となりました。卸売事業・小売事業についてもXmasや正月等の季節性商材の伸長で増収したものの、M&Aにかかる取得費用増により大幅減益となりました。


なお2024年6月期の通期見通しは中間時点で修正しており、売上高はYoY+25.5%の173.7億円(期予:158.8億円)、経常利益はYoY+5.7%の23.0億円(期予:24.6億円)を見込んでいます。グリーン事業、卸売事業は概ね計画線の売上を確保しているほか、小売事業で3月買収のインナチュラルが一部寄与するため増収幅が拡大します。他方で利益面についてはベア実施による人件費増のほか、一過性のM&A費用で増益幅が縮小します。5月14日に開示済の3Qは、売上高118.8億円&経常益16.6億円で持ち直し傾向が確認されます。

 

当社は昨年8月に中計を増額ローリングしており、2028年6月期までの延べ5年間で、売上高300億円&最終利益30億円(当初は「営業利益」で30億円目標)まで引き上げる計画としています。今次中計での取組事項については、①シェア拡大、②M&A活用、③新商材・販路拡大、④小売拡大、⑤海外事業展開の5本柱となっています。

 

当社の成長は特に②のM&A活用に特徴があり、2020年に植木・花卉・種苗生産の小林ナーセリーを事業譲受したほか、2022年には江戸川区、横浜市、川口市で園芸店やカタログ販売会社を相次いで買収しています。また2023年には米国現法がオハイオ州のインナーグリーン・インクを傘下に収めており、M&Aを通じた海外の業容拡大も進捗させています。

 

進行期では延べ6社ものM&Aを繰り出しており、フラワーボックスの“ハシリ”として有名なNicolai Bergmann(売上高22億円/営業利益1.5億円、のれん償却で利益寄与僅少)を4億円で買収しています。このほか、造園業の泰成緑栄、園芸レンタルの東海フラワー、樹木リサイクルの日生ウッドワークス、不動産会社のイントランス(3237)から大多喜ハーブガーデンなどを買収しています。会社側ではグリーンレンタル市場のTAMを400億円と推計しており、園芸事業者の相続等を足掛かりに現状7%程度のシェアを引き上げる目論見です。

 

なお配当は据置となる年24円配当を見込んでいます。当社はネット無借金で良好な財務状況(自己資本比率は73.9%)ながら、予想配当性向は7%程と還元不足の状況ですが、足許のM&Aでは借入を起こしてまで買収していることから、当面は積極買収に備えた財務温存策が採られる可能性が高そうです。

*参考記事①  2023-11-18  4,070円 OP

【6061】ユニバーサル園芸社/中計は事実上の上方修正、ニコライ・バーグマンを買収。

 

*参考記事② 2023-05-11  3,105円 OP

【6061】ユニバーサル園芸社/経済正常化で順調な回復進む、中計後ろ倒しはコンサバな印象。

 

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