【6061】ユニバーサル園芸社(東証STD) OP
現在値 3,105円/100株 P/E 10.1 P/B 1.49 6月配当優待 12月優待
オフィスなどへの観葉植物レンタル大手。園芸・生花などの小売を拡大。
配当金は6月末の年1回22円のため、配当利回りは約0.71%となります。
ユニバーサル園芸社は株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末・12月末の株主に対しての株主に対してそれぞれ1,000円分のクオカードをそれぞれ進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.35%となります。
業績を確認していきます。
■2020年6月期 売上高 91.1億円、経常利益 11.6億円 EPS 140.8円
■2021年6月期 売上高 95.7億円、経常利益 13.4億円 EPS 152.5円
■2022年6月期 売上高 115.9億円、経常利益 19.6億円 EPS 288.5円
■2023年6月期 売上高 134.5億円、経常利益 20.0億円 EPS 305.3円 ce
□2022年12月2Q 売上高 64.2億円、経常利益 9.4億円 EPS 130.2円(2/14)
2022年12月中間期の売上高はYoY+18.7%の64.2億円、経常利益はYoY+8.7%の9.4億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。主力のグリーン事業・国内については、新型肺炎禍の一巡でプロモーション効果が素直に発現し、オフィス回帰の流れも相俟って法人レンタルを中心とした契約数が増加したほか、懸念の海外事業も均衡圏まで回復しました。他方、卸売事業・小売事業については“巣ごもり特需”が剥落しつつあるほか、燃料費等のエネルギー原価高騰もあり、増収減益となりました。
なお2023年6月期の通期見通しは据え置いており、売上高はYoY+16.0%の134.5億円、経常利益はYoY+2.0%の20.0億円を予想しています。グリーン事業については、経済活動正常化によりオフィス・ホテル(商業)向けが期を通じて堅調な推移が見込まれるほか、特需剥落の卸売/小売事業についても横ばい圏の売上は維持する見通しです。利益面については、エネルギーコストの上昇により生花等の製造原価が上昇するほか、小売事業の店舗では人件費等の運営経費も嵩みます。
当社は中長期の目標として、2028年6月期までの向こう5年間で売上高300億円&営業利益30億円まで引き上げる計画を掲げています。但しこちらは順調な計数推移にも拘らず、直近で終期を2年ほど“後ろ倒し”しており、かなり保守的な計画運用が目につきます。今次中計の取組方針については、①シェア拡大、②M&A、③新商材・販路拡大、④小売拡大、⑤海外事業展開の5本柱となっています。
当社はこれまで好財務を原資とした②のM&Aによる成長を遂げており、2015年・2016年にアメリカで一部事業譲受を含む3社、2018年に園芸ネット、SGのミラージュを相次いで買収しています。また、2020年には植木・花卉・種苗の生産を行う川口市の小林ナーセリーの事業譲受により生産分野に進出したほか、昨年8月には江戸川区の園芸店(WORLD GARDEN)と横浜市の金子園芸を買収し、11月には川口市で植物カタログ通信販売を営む改良園を買収し、周辺ドメインの拡張を順調に進めています。
会社側では本業のグリーンレンタル市場の国内TAMを推計404億円として認識し、現状7%程度のシェアを引き上げていく方針であり、園芸事業者の相続等を触媒に事業拡大を目指します。なお、④の小売事業については専ら新規出店による拡大を志向しており、昨年11月はららぽーと堺に新店を開業しており、有力SCで大型店を展開しています。
なお、配当については横ばいの年22円配を見込んでいます。当社は無借金で良好な財務状況を維持していることから、配当性向2割水準すら大きく下回っている現状(今期予想7.2%)は明らかな還元不足となっています。自己資本比率は82.0%という空前の高水準であり、3月には発行済株式数の1%程の1.5億円の自社株買いを実施したものの、もう一段踏み込んだ株主還元が望まれます。
*参考記事① 2022-11-19 3,390円 OP
【6061】ユニバーサル園芸社/レンタルグリーン回復強く増配も、株主還元の不足感は根強い。
*参考記事② 2022-05-09 2,400円 OP
【6061】ユニバーサル園芸社/巣ごもり需要持続で上方修正、配当性向8%台で増配待ったなし。
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