【6061】ユニバーサル園芸社/レンタルグリーン回復強く増配も、株主還元の不足感は根強い。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6061】ユニバーサル園芸社(東証STD) OP

現在値 3,390円/100株 P/E 11.1  P/B 1.70   6月配当優待 12月優待

オフィスなどへの観葉植物レンタル大手。園芸・生花などの小売を拡大。
配当金は6月末の年1回22円のため、配当利回りは約0.65%となります。

 

ユニバーサル園芸社は株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末・12月末の株主に対しての株主に対してそれぞれ1,000円分のクオカードをそれぞれ進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.23%となります。

業績を確認していきます。   

■2020年6月期 売上高 91.1億円、経常利益 11.6億円 EPS 140.8円 

■2021年6月期 売上高 95.7億円、経常利益 13.4億円 EPS 152.5円 

■2022年6月期 売上高 115.9億円、経常利益 19.6億円 EPS 288.5円 

■2023年6月期 売上高 134.5億円、経常利益 20.0億円 EPS 305.3円 ce

□2022年9月1Q 売上高 29.8億円、経常利益 4.1億円 EPS 56.4円(11/4)

□2022年12月2Q 売上高 62.3億円、経常利益 7.4億円 EPS 110.4円 ce 

2022年6月期の売上高はYoY+21.2%の115.9億円、経常利益はYoY+46.4%の19.6億円となり、中間の増額見通し比でも上振れて大増勢となりました。主力のグリーン事業については、新型肺炎影響で低調だったオフィス・ホテル向けの契約が顕著に復元したほか、クリスマスや正月といった季節性商材の受注も回復しました。また、懸案の海外事業も赤字が縮小し、卸売事業・小売事業についても、巣ごもりで喚起された個人向け需要が継続し、ネット販売・小売販売ともに堅調に推移しました。


進行期である2023年6月期の予想については、売上高はYoY+16.0%の134.5億円、経常利益はYoY+2.0%の20.0億円を見込んでいます。グリーン事業については、赤字の続く海外事業の回復こそモタつくものの、オフィス回帰の流れが続く国内事業は主力の法人レンタルを中心とした契約増加が見込まれます。他方、卸売/小売事業については、巣ごもり需要の沈静化や、小売店舗における人件費・水道光熱費の増加により、やや苦しい事業環境となる見通しです。なお11月4日に公表済の1Qの売上高は29.8億円&経常益4.1億円と超過ペースで推移していますが、先行き不透明要素は多く、実勢は計画線程度とみています。

 

当社は中長期の目標として、2028年6月期までの向こう5年間で売上高300億円&営業利益30億円まで引き上げる計画を掲げていますが、当初は2026年6月期の目標額だったため、足許の業績モメンタムは好調であるにもかかわらず、2年程“後ろ倒し”されたことになります。取組方針については、①シェア拡大、②MA、③新商材・販路拡大、④小売拡大、⑤海外事業展開の5本柱となっています。

 

これまで当社の成長ドライバーとなってきた②のMAについては、2015年、2016年にアメリカで一部事業譲受を含む3社、2018年に園芸ネット、SGのミラージュを相次いで買収しています。2020年には植木・花卉・種苗の生産を行う川口市の小林ナーセリーの事業譲受により生産分野に本格的に進出したほか、本年8月にも江戸川区の園芸店を1店舗買い取っています。会社側では本業のグリーンレンタル市場の国内TAMを推計404億円として認識し、現状7%程度のシェアの引き上げ余地も鴻大としていますが、引き続き国内外でMA(特に相続案件)の獲得による非オーガニック成長が無い限り、目標の数字感に届かないとみられます。

 

なお、配当については2年増配の年22円配を予想しています。当社は無借金で良好な財務状況を維持していることから、配当性向2割水準すら大きく下回っている現状(今期予想7.2%)は明らかな還元不足となっています。自己資本比率は84.0%という空前の高水準のため、自社株買いを含めた更なる還元強化が望まれます。


*参考記事① 2022-05-09 2,400円 OP

【6061】ユニバーサル園芸社/巣ごもり需要持続で上方修正、配当性向8%台で増配待ったなし。

 

*参考記事② 2021-11-06  2,027円 OP

【6061】ユニバーサル園芸社/法人向け低調も、巣ごもり個人で巻き返す。資本政策の改善に期待。 

 

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