【5842】インテグラル/予算非公表&IFRSで実態見え辛いが、5号ファンドレイズが寄与しよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5842】インテグラル(東証グロース) OP

現在値 3,910円/100株  P/E --.-   P/B 3.06  12月配当 株主優待なし

日本特化型PEファンドの組成・運用、ファンド資金と自己資金を併用


配当金は12月一括の24円予想のため、配当利回りは0.61%となります。

なお、インテグラルは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。インテグラルは2023年9月のIPO、IFRS採用となります。  

■2021年12月期 収益 38.6億円、純利益 11.7億円 EPS 44.0円 

■2022年12月期 収益 54.3億円、純利益 20.2億円 EPS 74.5円 

■2023年12月期 収益 140.8億円、純利益 75.7億円 EPS 262.4円 

■2024年12月期 収益 (未定)億円、純利益 (未定)億円 EPS (未定)円 ce

★2024年12月期 収益 210.0億円、純利益 150.0億円 EPS 331.9円 四e
□2024年3月1Q 収益 50.0億円、純利益 25.2億円 EPS76.0円(5/9)

□2024年6月2Q 収益150.0億円、純利益 90.0億円 EPS 271.5円 四e


2023年12月期の収益はYoY*2.6倍の140.8億円、純利益はYoY*3.7倍の75.7億円となり、上場時見通しとの比較は無いものの、大幅な増収増益となりました。新規投資は4号FでUPT、TCS-HDに実行したほか、投資回収は2号のコンヴァノ(TOB)、スカイマーク(鈴与・エアトリに譲渡)、3号FのJRC(GRT上場)、日東エフシー(イチネンに譲渡)するなど案件が積み上がりました。なお、IFRSのため公正価値評価による変動分が58億円が含まれています。

 

2024年12月期の予算は非公表ながら、外部予想によれば、収益はYoY*1.5倍の210.0億円、純利益はYoY*2.0倍の150.0億円が見込まれています。新規投資は2020年組成の4号Fの出資消化率が7割に達しているほか、更に大型となる5号Fのファンドレイズに着手します。既に回収期間に入っている2号F・3号Fの管理報酬こそ漸減するものの、2号Fのスカイマーク(残分も鈴与に売却)とJRC(創業家に売却)は1QでフルExitしており、キャリー収益が積み上がります。5月9日に開示済の1Qは純利益25.2億円ながら、うち公正価値変動分が35億円含まれるため、計画通りながら実態低進捗と解されます。

 

当社は中計等を特段公表していないものの、収益性AUM成長率10~20%、リカーリング利益率30~40%、自己投資リターン3倍、ROE15%/5y平均を目標KPIとしています。目下のAUM2,179億円で、内訳は2号Fが442億円(2014年組成/回収中)、3号Fが730億円(2017年組成/回収中)、4号Fが1,238億円(2020年組成/投資中)などとなっています。


当社の収益構造は①ファンドからの管理報酬、➁キャリードインタレスト(成功報酬)、③プリンシパル投資収益(自己資本によるセイムボート投資)の3本柱となっています。2号Fは上述のスカイマーク売却でファンドライフは終盤にかかっているものの、3号Fは昨年6月にDXコンサルのBTCをキャップジェミニに売却するなど順調にExitが進んでおり、ダイレクトマーケティングミックス(7354)や2020年にMBOした豆蔵HD(3756)等が控えています。

 

本年募集の5号Fについては、5月に最終クローズを迎えており、強い運用ニーズから4号Fの倍以上となる2,500億円(上限)を集めており、一定程度織込済であはあるものの、進行期からの管理報酬が発生します。また、将来収益の源泉となる各ファンドの簿外キャリードインタレストは1Q時点で287億円(うち54億円が実現済)積み上がっており、潜在的な含み益が順調に拡大しています。

 

財務の状況については、ネットキャッシュが130億円程、自己資本比率は70.8%で他人資本活用型ビジネスモデルということもあり、大変盤石な状況です。株主還元については、ファンドのExit時期にムラがあることから、DOE2.0%基準で年24円の初配を予定していますが、自己投資の資金ニーズを考慮してもキャッシュがダブつき気味のため、増配含みと解されます。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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