【2932】STIフードHD/セブン向け“さばの塩焼き”が高水準で推移、当面は2桁成長が続こう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2932】STIフードホールディングス(東証プライム)  OP

現在値 4,575円/100株 P/E 16.9  P/B 3.66  12月配当・株主優待 6月配当

水産食品やおにぎり具材の製造。セブン向け8割強。国内一貫生産による品質に強み。
配当は12末一括の年90円配当のため、配当利回りは約1.97%となります。

STIフードホールディングスは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に単元株を保有する株主に対して、3,000円分の自社製品(缶詰)を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.62%となります。

業績を確認していきます。 

■2021年12月期 売上高 262億円、経常利益 17.4億円、EPS 200.0円  

■2022年12月期 売上高 275億円、経常利益 15.2億円、EPS 174.1円  

■2023年12月期 売上高 317億円、経常利益 23.3億円、EPS 263.7円 

■2024年12月期 売上高 340億円、経常利益 24.0億円、EPS 269.9円 ce 

□2024年3月1Q 売上高 80.3億円、経常利益 7.1億円、EPS 82.5円(5/14)

□2024年6月2Q 売上高 166億円、経常利益 12.0億円、EPS 135.0円 四e

2023年12月期の売上高はYoY+15.3%の317億円、経常利益はYoY+52.5%の23.3億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。前期の船橋工場の火災影響の剥落や宮城工場の本格稼働開始による上乗せにより、セブン向けデイリー商材の年間販売数量がYoY+1千万個の1.1億個まで好伸したほか、価格改定効果も寄与しました。利益面については、原材料費・人件費・物流費が軒並み高騰したものの、トップライン増収で飲み込みました。


進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+7.0%の340億円、経常利益はYoY+7.1%の24.0億円と増収増益を見込んでいます。関西新工場の稼働開始が4Qとなるため一部寄与となるものの、セブン向けの“さばの塩焼き”が同社の販促施策もありヒット商材に育っているほか、価格改定効果が通年寄与します。利益面については、関西新工場の立ち上げ費用が嵩むものの、増収率並みの増益幅となる見通しです。なお、5月14日に開示済の1Qの売上高は80.3億円&経常利益7.1億円と好進捗が確認されます。

 

当社は中期的な成長イメージとして、2019‐2023年の売上高CAGR11.4%の成長モメンタムを向こう3年程度は維持する目標としています。今般稼働を開始する関西新工場(OUGHDより買収)の巡行は翌期からとなるものの、会社側では稼働率60%~70%でも年商50億円の売上増を試算しているほか、既存工場との位置補完性が強く、物流費観点での利益寄与も期待出来ます。なお、2022年に素地を購入した滋賀土地(5千㎡)は売却見込みです。

 

当面の取組事項として、①セブン取引拡大、②新規チャネル開拓、③新製品開発の3点を挙げています。①は海外(北米)セブン向けの商品供給拡大を志向しており、足許では米国水産系企業価値が下落していることから、同業の買収を検討しています。②はAmazonでのPB品の直売を開始したものの、他商流(セブン)へ安定供給の観点から、販売量を抑制しています。③は販売機会の増加とフードロス対策を兼ねた賞味期限延長技術(ガス置換)の開発を推進しているものの、どちらかというと工場拡充による物流効率の改善等で賞味期限対策が図られる見通しです。

 

ロシア要因による供給不足(※当社は原則ロシア産不使用)と二次的な魚価高騰影響は既にピークアウトしており、今後の原価増は限定的と解されます。そのほか燃料調整費の上昇一服で水道光熱費も安定的な推移が見込まれるほか、依然高騰する物流費も工場立地改善で相当程度吸収できることから、販売数量増が利益に直結しやすい状況となっています。

 

財務状況については、自己資本比率47.2%と更に良化しており、工場の新設・ライン増設やM&Aといった資金需要が想定されるものの、デット調達も容易とみられることから、公募増資懸念は一段と後退しています。株主還元については、記念配だった20円分を普通配に切り替え、配当性向33%基準で年90円配の据置を予想しています。


*参考記事① 2023-04-26 3,030円 OP

【2932】STIフードHD/値上げ後も数量増で順調、滋賀新工場の稼働開始が待たれる。

 

*参考記事② 2022-11-10  2,738円 OP

【2932】STIフードホールディングス/売上成長の可視性は高いが、原価増は想定超とみられる。

 

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