【2678】アスクル(東証プライム) NT
現在値 2,405円/100株 P/E 13.0 P/B 3.03 5月配当 11月配当 株主優待あり
オフィス用品配達で先駆、ヤフーと個人向けEC『ロハコ』等で連携。
配当金は5月末・11月末の年2回の合計36円で、配当利回りは1.50%となります。
アスクルは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末の株主に対して、2,000円分のクーポン(※買上500円超につき、500円使用可)を進呈しているため、配当優待利回りは約3.16%となります。
業績を確認していきます。2022年5月期から新収益基準に移行しています。
■2022年5月期 売上高 4,285億円、営業利益 143.0億円 EPS 90.8円
■2023年5月期 売上高 4,467億円、営業利益 146.2億円 EPS 100.4円
■2024年5月期 売上高 4,700億円、営業利益 165.0億円 EPS 184.6円ce修正(3/15)
□2023年11月2Q 売上高 2,312億円、営業利益 72.4億円 EPS 47.5円
□2024年2月3Q 売上高 3,500億円、営業利益 124.9億円 EPS 165.6円 (3/15)
2023年11月中間期の売上高はYoY+5.0%の2,312億円、営業利益はYoY+7.4%の72.4億円となり概ね外部予想水準で進捗しました。柱のB2B事業は検査キット等の新型肺炎禍関連商材剥落で医療用品が反落したものの、“ソロエルアリーナ”のサイト刷新効果にくわえ、正常化に伴い生活用品が2桁の伸びを示しました。他方、B2C事業のLOHACOについては黒字基調こそ維持したものの、大型販促の下期後ろ倒しで計画未達となりました。
なお2024年5月期通期見通しは3Qで微修正しており、売上高はYoY+5.2%の4,700億円(期予:4,820億円)、営業利益はYoY+12.9%の165億円(期予:UNCH)を予想しています。“日並び”による休暇長期化影響や医療用品の特需剥落でB2B事業が想定以下となることから、トップラインこそ減額するものの、無料配送バー改定施策等による効率化と利益率改善で利益予想は据置きます。3月15日開示済の3Qは売上高3,500億円&営業利益124.9億円ながら、入間三芳倉庫の火災賠償金94億円(確定)を特別利益で認識し、EPSは一段増となります。
進行期は2025年5月期を終期とする4ヵ年中計の3年度目であり、最終的に売上高5,500億円(CAGR6%)、営業利益275億円(CAGR18%)を目指すほか、ROE20%(実績14%)、B2B事業売上高4,135億円(最終年度2桁成長)、LOHACO単独売上高743億円(CAGR9%)を計数目標としています。中計当初はトップライン成長を志向していたものの、B2CのLOHACOは途中で黒字化の方を優先としたほか、柱のB2Bも想定ほど伸びていない状況です。
今次中計での取組事項は、①品揃え拡大、②B2Bサイト強化、③ZHD協業、④PF改革の4点が挙げられています。①は“取扱商品2倍“、“在庫商品4倍”、“オリジナル商品1.4倍”を掲げ、ロングテール戦略で医療・介護や製造業MROを強化し、首位のMonotaROとの差を詰めるべく、アドバンテッジから歯科用品通販ECのフィード(年商125億円)を買収しています。②は一括購買の“ソロエル”のオープン化を実現し、新ASKULサイトへの一元化で効率化を図っています。上述のとおり、これら取組による売上成長は想定以下であるものの、逆に効率化は一層進捗し、一足先に利益率の改善が進んでいます。
③のZHD協業については、LINEヤフーの個人情報に関する混乱もあり、LYPプレミアムの活用といった部分的なものに留まるものの、④のPF改革については、2021年竣工の葛西のASKUL東京DCに77億円を投じてAIと高性能マテハン設備を実装したほか、り災した入間三芳倉庫の代わりとなる上尾倉庫には180億円を投じ、目下最大の吹田倉庫に匹敵するDCを2025年6月に竣工させる計画です。
他方、株主還元については、2円増配の年36円配を予想しています。自己資本比率は30.3%(買掛金でB/Sが重い)ではあるものの、実質無借金で470億円超のネット現金を保有しており好財務を維持しています。
*参考記事① 2023-11-11 2,031円 OP
【2678】アスクル/LINEヤフーの販促変更影響受けるも、一旦はLOHACOが黒字化。
*参考記事② 2023-04-07 1,726円 OP
【2678】アスクル/子会社のアルファパーチェスが上場、経済活動再開で概ね計画線の推移。
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