【9286】エネクス・インフラ投資法人(東証インフラ) NT
現在値 85,200円/1株 P/E 27.9 P/B 1.05 5月分配 11月分配
伊藤忠エネクスをメインスポンサーとするインフラファンド。サブスポンサーはSMTBなど。
予想分配金は年2回の合計6,000円配のため、分配金利回りは約7.04%となります。
業績を確認していきます。
■2022年05月期_第5期 営業収益 27.8億円、経常利益 8.56億円 DPU 3,030円変
■2022年11月期_第6期 営業収益 26.7億円、経常利益 6.50億円 DPU 3,000円
■2023年05月期_第7期 営業収益 28.2億円、経常利益 5.07億円 DPU 3,000円
■2023年11月期_第8期 営業収益 42.0億円、経常利益 8.64億円 DPU 3,000円
◇2024年05月期_第9期 営業収益 43.0億円、経常利益 9.10億円 DPU 3,000円ce修正
◇2024年11月期_第10期 営業収益 42.4億円、経常利益 7.90億円 DPU 3,000円ce
2023年11月期_第8期の実績については、営業収益が第7期比+48.7%の42.0億円、経常利益は+70.5%の8.64億円と増収増益ながらも計画線着地となりました。偶数期のため季節性要因により発電量が増加したほか、6月PO(※後述)で取得した高崎Bが一部寄与しました。ケーブル盗難による非営業減収もあったものの、発電量は計画比101%となる137,096MWhを確保しました。DPUを巡行水準の3,000円に戻すものの、業績未達分の8円はOPDの積み増し(1,139円)で補填しています。
進行期である2024年5月期_第9期の予想も修正しており、営業収益は第8期比+2.4%の43.0億円(従予:42.0億円)、経常利益は同+5.4%の9.11億円(従予:8.37億円)に増額しています。6ヵ月“期分け”の奇数期に該当するため、季節性要因で発電量が減少するものの、6月30日取得の高崎Bが巡行化し、DPU3,000円(EPS1,635円/OPD1,365円)を維持します。
今回公表の翌2024年11月期_第10期の予想については、営業収益が第9期比▲1.3%の42.4億円、経常利益は同▲13.3%の7.90億円を見込んでいます。6ヵ月“期分け”の偶数期に該当するため、季節性要因で発電量が上昇するものの、減収予想のため前提が保守的な可能性があります。なお、地代負担軽減のため本年4月に高萩の借地(一部の地上権付土地)を取得していますが、未織込となっています。DPUは巡行の3,000円を維持し、その内訳はEPS1,417円・OPD1,583円となります。
当法人は2023年2月の3rd_POで約113億円(@87,945円)を調達し、高崎Bを252億円で取得しています。国内インフラファンドの保有物件では、当法人の松坂に次ぐ2番目の発電設備容量を誇る特別高圧物件であり、本件取得により出力制御影響を受ける九電管内比率は1%まで低下させています。なおFIT単価については、32円(隣接の高崎AのFITは40円)と松坂水準の低さとなります。
また本件取組により中長期的目標はであったAUM1,000億円を突破(1,012億円)し、上場インフラファンド首位に踊り出ています。スポンサーパイプラインは水力・太陽光合算で依然25.8MW程有しているものの、足許LTVは57.0%とかなりの水準に達しているだけでなく、(アセットバックではない)非常にコストの高いメザニンローン(基準金利+200bps.)での借入れも実施しており、特有のレバレッジの高さが割引要素となります。
*参考記事① 2023-04-15 92,100円 NT
【9286】エネクス・インフラ投資法人/国内初の風力発電所取得も、ローン負担が重い。
*参考記事② 2022-10-1 95,700円 NT
【9286】エネクス・インフラ投資法人/インフラ資産高騰で、外部成長はスポンサーの態度次第か。
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