【1419】タマホーム/中間→3Qで利益半減で見栄え悪いが、年185円の配当予想は守られよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1419】タマホーム(東証プライム) NT

現在値 4,090円/100株  P/E 12.8 P/B 3.91   5月配当・株主優待 11月優待

注文住宅会社。ロードサイド型独立店を積極展開し大々的な広告で集客。
配当金は5月末の年1回185円のため、配当利回りは約4.52%となります。

タマホームは株主優待制度を実施しており、5月末・11月末に単元株以上を保有する株主に対して500円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.25%となります。また、3年以上保有を継続する株主に対しては、長期優遇制度によりクオカード進呈額が倍の1,000円となりますので、この場合の配当優待利回りは約5.01%となります。

業績を確認していきます。  

■2021年5月期 売上高 2,180億円、営業利益 109.9億円 EPS 243.3円 

■2022年5月期 売上高 2,407億円、営業利益 118.9億円 EPS 282.2円  

■2023年5月期 売上高 2,560億円、営業利益 132.6億円 EPS 298.4円 

■2024年5月期 売上高 2,570億円、営業利益 141.0億円 EPS 317.3円 ce 

□2023年11月2Q 売上高 1,127億円、営業利益 30.0億円 EPS 65.6円

□2023年2月3Q 売上高 1,525億円、営業利益 14.5億円 EPS 26.3円(4/11)

2023年11月中間期の売上高はYoY▲10.0%の1,127億円、営業利益はYoY▲55.5%の30.7億円となり、大幅な減収減益となりました。注文住宅・戸建分譲事業については、期初時点の受注残高はYoY▲13.0%の1,277億円と例年以上に発射台が低かったことから、引渡棟数は同▲804戸の合計3,514棟に減少し、受注単価の増加でカバー出来ませんでした。不動産事業についても、小規模宅地分譲こそ好調が持続したものの、マンション分譲の下期偏重等もあり、同様に減収減益となりました。


なお2024年5月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高がYoY+0.4%の2,570億円、営業利益はYoY+6.3%の141.0億円を見込んでいます。10ヶ月分が開示済の受注速報は96%ながら、ギフトカード販促の奏功で期末までに引渡可能な秋口の受注が膨らんでいるほか、不動産事業は期末に“グレンドール五反田”の分譲・引渡を控えています。4月11日開示済の3Qは、売上高1,525億円&営業利益14.5億円と2Q累積利益が半減しているものの、会社側はなお計画線の旨アナウンスしているため、(未達公算が高いものの)ある程度“見れられる”数字で仕上がるものと考えられます。

 

進行期は5年中計の3年度目であり、最終年度の2026年5月期に売上高3,200億円(CAGR8%)、営業利益200億(CAGR13%)を目指す計画としています。「新築住宅着工棟数No.1」を目標に、主要4セグの底上げで成長を図る計画です。周辺領域への業容拡大よりは、スケールを活かしたコスト削減と価格競争力によるシェア増を目指します。ただ策定時点~中計序盤こそ新型肺炎禍で戸建市況が大活況だったものの、2023年頃から市況の調整局面が続いており、この事業環境の悪化影響が大きく、達成不可能圏と解されます。

 

注文住宅事業は、受注戸数が頭打ちとなっていることから、単価増を志向しています。従来型の高断熱商品「大地の家」にくわえ、夏涼しく・冬温かい「笑顔の家」という新機能性商材も投入し、割高な省エネ住宅へのアップセルを進めています。リフォーム事業は年間1万棟の供給積み上げで築10年超の住戸も相応に増えてきたことから(総販売16万戸のうち6割程度)、保証期間延長工事の受注を図ります。不動産事業は、ボルテックスさながらのオフィスの区分分けによる投資商品化を進めていますが、金利上昇下でエンド需要が鈍っており、成長は期待薄です。


他方、株主還元については、近年の空前の好業績を背景に劇的に増配してきた経緯があり、6年前に年15円だった配当金は、実績ベースで180円まで膨らんだほか、進行期も更に5円積み増して年185円配当を予想しています。計算上の配当性向は58.3%に上るほか、未達公算も燻るものの、自己資本比率約3割&資金繰りしやすい業種のため、予想通りの配当が守られる公算が高そうです。


*参考記事① 2023-11-13 3,615円 NT

【1419】タマホーム/好調だった戸建市況の風向きが変わりつつあり、受注動向を注視したい。

 

*参考記事② 2023-04-12 3,555円 NT

【1419】タマホーム/販売棟数は減少基調だが、記念配を普通配に切り替え大増配。

 

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