【3244】サムティ(東証プライム) OP
現在値 2,693円/100株 P/E 11.0 P/B 1.26 11月配当優待 5月配当
関西軸に投資用マンション開発、不動産再生販売等を行う。賃貸が安定収益柱。
配当金は5月・11月の年2回、合計94円のため、配当利回りは3.49%となります。
サムティは株主優待制度を実施しており、11月時点の2単元保有株主に対して、当社が運営(運営予定含む)12ホテルの共通宿泊券を1枚進呈しておりますので、1枚10千円として換算した場合の、2単元保有時想定配当優待利回りは約7.20%となります。
業績を確認していきます。
■2021年11月期 売上高 904億円、営業利益 94.6億円、EPS 242円
■2022年11月期 売上高 1,284億円、営業利益 140億円、EPS 233円
■2023年11月期 売上高 1,986億円、営業利益 195億円、EPS 221円
■2024年12月期 売上高 2,050億円、営業利益 210億円、EPS 244円 ce変則
□2024年2月1Q 売上高 217億円、営業利益 4.5億円、EPS▲55.8円(4/15)
□2024年5月2Q 売上高 650億円、営業利益 67.0億円、EPS 30.1円 四e
2023年11月期の売上高はYoY+54.6%の1,986億円、営業利益はYoY+38.7%の195億円となり、3Qの増額見通し並みで着地しました。不動産事業の再生転売は60物件、開発・分譲については上場予定の傘下REITにホテルを拠出したほか、その他機関投資家を中心に計66物件を売却して好調に推移しました。ホテル事業も飛騨高山と羽田空港にメルキュールを開設し、既存施設も旅行支援や訪日客復元で回復が進んだ一方、ストック性の賃貸事業については売却物件の増加により僅かながら減収減益となりました。
進行期である2024年12月期は13ヵ月変則決算のため単純比較出来ないものの、売上高はYoY+3.1%の2,050億円、営業利益はYoY+7.5%の210億円と実質横ばい圏を予想しています。不動産事業の開発・分譲事業は案件数減少で後退するものの、再生転売はレジやホテル(羽田メルキュール持分)のREITへの拠出等が想定されるほか、運営物件や訪日客増でホテル事業は大幅な増収増益を見込みます。なお、4月15日に開示済の1Q決算は売上高が215億円&営業利益4.5億円で低進捗ながら季節偏重で計画線と解されます。
2022年に当社は従来中計の「サムティ強靭化計画」を“アフターコロナ版”の現中計にロールしています。修正中計の期間は5ヵ年で、最終年度の2025年11月期に売上高2,200億円(CAGR17%)、営業利益350億円(CAGR15%)を目指します。譲渡益依存のP/L重視のフロー型経営から、アセット品質の確保や賃貸売上の増加、財務余力維持のB/S温存のストック型経営への切替を志向する一方、進行期の営業益予想はなお210億円程に過ぎず、目標計数の達成はハードルが高い印象です。
ストック資産維持の方向性から、傘下REITへの拠出は抑制し、当初17%(足許15%)のインカム比率を50%まで引き上げる方針です。実際に足許のレジREITへの拠出は従前よりかなり抑制的となっているものの、上場を延期していたホテルREIT(サムティ・ジャパンホテル投資法人)については、IPO接近のため拠出が多くなっています。
持分法適用(32%)としていたホテル開発・運営のウェルス・マネジメント(3772)とは提携解消したものの、2022年には大和証券Gが出資する森岡毅氏のマーケ会社「刀」と協業し、ネスタリゾート神戸の経営権を取得しています。今後は向こう5年で同施設に100億円を投じ、賃貸マンションやホテルに次ぐ“第三の柱”として、テーマパークを事業化する方針としており、神戸に続く第2弾として沖縄北部でJUNGULIAを2025年に開業予定(当社は一部出資)です。
財務面は2018年に149億円をライツで調達し、2019年にも大和証券Gが自社株買取と転換社債(CB)引受で127億円を出資したほか、2021年にも同様にCBで120億円を調達し、目下の自己資本比率は21.1%となっています。株主還元は配当性向を30%基準としながらも、4円増配となる年94円配当(配当性向38.4%)を見込んでいます。
*参考記事① 2023-11-07 2,476円 OP
【3244】サムティ/ホテルREITの上場延期が奏功、中計達成に向けた業容拡大も進む。
*参考記事② 2023-04-17 2,147円 OP
【3244】サムティ/不透明取引による決算延期明けだが、公募ホテルREITが上場へ。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。