【2198】アイ・ケイ・ケイHD/タメニーとの資本業務提携解消、配当性向は最大50%に切り上げ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2198】アイ・ケイ・ケイHD(東証プライム) NT

現在値 821円/100株  P/E 16.7  P/B 2.57  10月無配 4月株主優待

九州・北陸・四国・東北など地方中核都市でゲストハウス型挙式等展開。
配当金は10月末の年1回・24円配のため、配当利回りは約2.92%となります。

 

アイ・ケイ・ケイは株主優待制度を導入しており、4月に単元株以上を保有する株主に対し、2,000円相当の特選菓子を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.35%となります。

業績を確認していきます。 

■2021年10月期 売上高 115億円、経常利益▲6.1億円 EPS▲14.0円

■2022年10月期 売上高 190億円、経常利益 20.9億円 EPS 47.4円

■2023年10月期 売上高 219億円、経常利益 20.0億円 EPS 45.9円 

■2024年10月期 売上高 233億円、経常利益 21.4億円 EPS 49.5円 ce

□2024年1月1Q 売上高 51.1億円、経常利益 4.4億円 EPS 9.9円(3/14) 

□2024年4月2Q 売上高 108億円、経常利益 5.8億円 EPS 10.6円 ce

 

2023年10月期の売上高はYoY+15.4%の219億円、経常利益はYoY▲4.3%の20.0億円となり、増収ながらも計画未達で着地しました。ペントアップ需要消化で当初受注残高はYoY▲5.9%の5,223組減少していたものの、期中の新規受注組数はYoY+8.5%の5,166組、施行単価もYoY+5.3%の3,798千円に増加しました。他方で利益面については、水光熱費の高騰や積極的な販促費投下、従業員向けのESOP信託終了に伴う費用確定もあり、減益となりました。


進行期である2024年10月期の予算については、売上高がYoY+6.2%の233億円、経常利益はYoY+7.0%の21.4億円を見込んでいます。期初の受注残高はYoY▲6.7%の4,874組とペントアップ剥落により続落しているものの、招待客数の増加で施行単価(見込)は3,914千円と回復傾向が続きます。利益面については、人件費・広告費が増加基調も、開業費がゼロとなるほか、減価償却費の減少により増益を見込みます。3月14日に開示済の1Qは売上高51.5億円&営業益4.3億円であり、非繁忙期ながらまずまずの進捗が確認されます。

 

当社は毎回10~20億円を投じる大型新店を軸とした外部成長を志向しており、立地厳選の上で出店をすべく、中計は意図的に非開示としているほか、売上高や業界順位の目標を定めずに展開しています。当社は競合のT&GやツカダGH、AOKIといったゲストハウス系挙式他社とは異なり、三大都市圏外に出店を偏重させており、人口30万人以上の85都市の中から市況勘案の上で45都市を出店候補地としています。

 

外部成長については年1店の開業を目安としており、新型肺炎禍では出店ゼロが続いていたものの、昨年3月に茨城県が星野リゾートを起用して再活性している偕楽園の一角にThe迎賓館・別邸(人口27万人)を開設しています。他方、今後の開設予定については2026年の有明支店まで予定がなく、既存式場(鳥栖・富山・森岡)の大規模リニューアルに留まるため、当面は挙式単価の回復による内部成長重視となります。

 

周辺事業の多角化については、フォト事業や食品通販事業などを推進しており、2021年に経営再建中のタメニーに1億円程(4.26%)を出資して資本業務提携し、結婚仲介事業(ララ・クゥール)の育成を進めていたものの想定以下で推移しており、本年2月には提携解消と株式の全量売却を公表しています。他方、デコルテHD(7372)に代表される専業との競合が激しいフォト事業は立地による差別化を志向しており、大阪城公園に1号店を出店したほか、昨年3月に2号店を名古屋(錦2丁目)に出店しています。

 

財務状況については、これまで株主還元を極力絞ってきたことから、目下の自己資本比率は49.8%と婚礼事業者としては高水準を維持しています。そのため、足許の挙式催行により資金回収も進んでいることから、配当性向を40%~50%に変更し、年24円(配当性向48.5%)と高水準の株主還元へと舵を切っています。
 

*参考記事① 2023-03-28 666円 OP

【2198】アイ・ケイ・ケイHD/高水準の受注残高と消化が両立、年12円配当に完全復元。

 

*参考記事② 2022-10-13 615円 OP

【2198】アイ・ケイ・ケイHD/ペントアップ需要が大きく顕在化、足許受注数・単価も回復が鮮明。

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