【2198】アイ・ケイ・ケイHD/高水準の受注残高と消化が両立、年12円配当に完全復元。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2198】アイ・ケイ・ケイHD(東証プライム) OP

現在値 666円/100株  P/E 13.0  P/B 2.23  10月無配 4月株主優待

九州・北陸・四国・東北など地方中核都市でゲストハウス型挙式等展開。
配当金は10月末の年1回・12円配のため、配当利回りは約1.80%となります。

 

アイ・ケイ・ケイは株主優待制度を導入しており、4月に単元株以上を保有する株主に対し、1,500円相当の特選菓子を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.05%となります。

業績を確認していきます。 

■2020年10月期 売上高 87.4億円、経常利益▲35.2億円 EPS▲143.2円 

■2021年10月期 売上高 115億円、経常利益▲6.1億円 EPS▲14.0円

■2022年10月期 売上高 190億円、経常利益 20.9億円 EPS 47.4円

■2023年10月期 売上高 217億円、経常利益 22.3億円 EPS 51.0円 ce

□2023年1月1Q 売上高 49.1億円、経常利益 3.6億円 EPS 6.1円 

□2023年4月2Q 売上高 98.9億円、経常利益 4.3億円 EPS 7.7円(3/13)

 

2022年10月期の売上高はYoY+26.0%の190億円、経常利益はYoY+27億円の20.9億円となり、1Qの増額見通しを上回って着地しました。婚礼事業における期ズレのペントアップと低位のキャンセル率により、当初受注残高はYoY▲48組の5,550組と高水準を確保していたこともあり、挙式催行(受注の消化)が順調に進捗し、V字回復となりました。また新規受注組数もYoY+42.8%の4,761組に増加したほか、施工単価もYoY+12.2%の3,608千円に回復しました。


進行期である2023年10月期の予算は売上高がYoY+14.3%の217億円、経常利益はYoY+6.5%の22.3億円を見込んでいます。終わった期の途中から期ズレの受注消化が急進捗しているものの、期初の受注残高はYoY▲5.9%の5,223組と高水準を維持しているほか、正常化による招待客数の増加等により施工単価も3,685千円に一段と回復を見込みます。また利益面についても、受取助成金が消失するものの、4月開業の水戸支店の開業費用(▲2億円)を飲み込んで増益を確保します。

 

当社は毎回10~20億円を投じる大型新店を軸とした外部成長を志向しており、立地厳選の上で出店をすべく、中計は意図的に非開示としているほか、売上高や業界順位の目標を定めずに展開しています。当社は競合のT&GやツカダGH、AOKIといったゲストハウス系挙式他社とは異なり、三大都市圏外に出店を偏重させており、人口30万人以上の85都市の中から市況勘案の上で45都市を出店候補地としています

 

外部成長については年1店の開業を目指しているものの、会社側では“2年で1店の開業が現実的”としているほか、正常化への回復途上のため、当面は既存店の人繰り再構築といった梃入れが優先されるため、成長ペースは緩やかになるとみられます。新型肺炎禍では出店ゼロが続いていたものの、この4月には茨城県が星野リゾートを起用して再活性している偕楽園の一角に水戸支店(人口27万人)を開設し、1式場ながらも久々に新規開業します。

 

当社はフォト事業や食品通販事業といった周辺事業の多角化を進めているほか、2021年には経営再建中のタメニーに1億円程(4.26%)を出資して資本業務提携し、結婚仲介事業(ララ・クゥール)の育成を進めます。また同業他社だけでなく、デコルテHD(7372)といった専業との競合が激しいフォト事業は立地による差別化を志向しており、昨年大阪城公園に1号店を出店し、年2~3店程を展開する計画です。

 

財務状況については、これまで株主還元を極力絞ってきたことから、目下の自己資本比率は45.1%と婚礼事業者としては高水準を維持しています。そのため、足許の挙式催行により資金回収も進んでいることから、進行期の株主還元から年12円の完全復元配当を見込んでいます。


*参考記事① 2022-10-13 615円 OP

【2198】アイ・ケイ・ケイHD/ペントアップ需要が大きく顕在化、足許受注数・単価も回復が鮮明。

 

*参考記事② 2022-04-01  621円 OP

【2198】アイ・ケイ・ケイHD/1Qは閑散期ながらQonQ増収、タメニーと資本業務提携。

 

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