【9279】ギフトHD/既存店成長のモメンタム強く1Qではや増額圏、中計も事実上の増額修正。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9279】ギフトHD(東証プライム) OP

現在値 3,465円/100株 P/E 39.4  P/B 9.53  10月配当優待 4月配当優待

横浜家系ラーメン「町田商店」の運営と、麺やスープ等を提供するプロデュース事業。
配当は4月・10月年2回の計18円配当であり、配当利回りは約0.52%となります。

 

ギフトは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末現在の単元株主に対して、食事券を年2回・2枚進呈(1年超保有の場合は3枚)しておりますので、1枚1,000円換算した場合の配当優待利回りは約1.67%(1年超保有の場合は約2.25%)となります。


業績を確認していきます。 

■2021年10月期 売上高 134億円、営業利益 9.3億円 EPS 54.1円 

■2022年10月期 売上高 170億円、営業利益 15.7億円 EPS 77.2円

■2023年10月期 売上高 229億円、営業利益 23.5億円 EPS 80.1円 

■2024年10月期 売上高 276億円、営業利益 27.0億円 EPS 87.7円 ce

□2024年1月1Q 売上高 68.1億円、営業利益 9.0億円 EPS 31.1円(3/15) 

□2024年4月2Q 売上高 133億円、営業利益 13.1億円 EPS 44.1円 ce 


2023年10月期の売上高はYoY+35.1%の229億円、営業利益はYoY+49.7%の23.5億円となり、対前・対計画で大幅な増収増益となりました。予算前提のSSS(既存店売上高)は平時比102.0%で組んでいたものの、1月・7月に実施した2度の値上げによる客離れは発生せず、人流回復による客数増加で同実績115.2%をマークしました。利益面についても、原材料・水光費・人件費等の高騰影響を受けたものの、トップライン増で飲み込みました。他方で出店については、物件選定の厳格化が裏目に出た形で、計画40店(直営)に対して実績28店に留まりました。


進行期である2024年10月期の予算については、売上高がYoY+20.1%の276億円、営業利益はYoY+14.6%の27.0億円を予想しています。予算前提のSSSは105.0%、出店は純増87店(内外直営+39店、OEM+48店)を其々見込んでおり、期初時点で直営30店の契約を締結しています。なお既開示の5ヶ月累計の月次SSSは113.2%と上振れているほか、3月15日開示済の1Qは売上高68.1億円&営業利益9.0億円と好進捗しており、既に通期で増額濃厚とみられます。

 

当社はローリング方式の3年中計を公表しており、最終年度の2026年10月期までに売上高を229億円→400億円に、営業利益を23.5億円→38.0億円に引き上げる計数とし、中計を事実上増額修正した格好となります(KPI:売上高CAGR20%&営業利益率9.5%)を定めています。計数の前提となる出店については、向こう3年で直営・OEM店合計で1,057店舗展開(直近期末時点は726店、直営店332店/OEM668店/海外75店)まで拡大させる計画としており、大量出店による外部成長路線を維持します。

 

本中計期間の取組事項としては、①既存事業拡大、②人材確保、③出店力強化、④海外展開、⑤製造体制強化等を掲げています。特に成長のドライバーとなる➁の人材確保が最注力事項となっており、退職率は18.3%(業界平均:26.8%)と離職を抑えられているものの、更なる拡大のために採用サイトの刷新や社員登用、OB登用にくわえ、抜本的な採用力強化のため、新築のサクラステージ(渋谷)に本社を移転しています。

 

⑤の製造体制強化については、昨年11月に国内4工場目となる製麺工場(神栖)を稼働開始させています。現状、麺とチャーシューの多くを内製化しているものの、今後はスープやタレについても内製化を進め、品質維持とコスト削減を図る方針としています。なお、本年3月に同業の幸楽苑HDが関東圏を中心に展開する21店の店舗賃借権をそのまま承継する契約を締結しているため、直営店舗数は一段増が見込まれます。

 

なお株主還元については、配当性向20%基準を目安に1.5円の増配となる年18円配当(配当性向20.5%)を予想しています。足許ベースの自己資本比率は57.8%と引き続き高水準を確保しており、既に自社工場等への投資も一巡していることから、M&Aのために資金を温存しているものと解されます。

 

*参考記事①  2023-03-31 2,295円*分割調整済株価 OP

【9279】ギフトHD/既存店推移は想定超で、当面は年率2割超の高成長が継続しよう。


*参考記事② 2022-10-18  1,610円*分割調整済株価 OP

【9279】ギフトHD/計画比ビハインドも増配公表、中長期での高成長基調が維持されよう。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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