【9279】ギフトHD(東証プライム) OP
現在値 3,320円/100株 P/E 25.8 P/B 6.45 10月配当優待 4月配当優待
横浜家系ラーメン「町田商店」の運営と、麺やスープ等を提供するプロデュース事業。
配当は4月・10月年2回の計25円配当であり、配当利回りは約0.75%となります。
ギフトは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末現在の単元株主に対して、食事券を年2回・2枚進呈(1年超保有の場合は3枚)しておりますので、1枚1,000円換算した場合の配当優待利回りは約1.95%(1年超保有の場合は約2.56%)となります。
業績を確認していきます。
■2019年10月期 売上高 90.5億円、営業利益 10.0億円 EPS 53.6円
■2020年10月期 売上高 109.8億円、営業利益 4.6億円 EPS 11.3円
■2021年10月期 売上高 134.7億円、営業利益 9.3億円 EPS 108.2円
■2022年10月期 売上高 170.0億円、営業利益 17.0億円 EPS 128.5円 ce
□2022年4月2Q 売上高 78.9億円、営業利益 7.7億円 EPS 82.0円
□2022年7月3Q 売上高 122.2億円、営業利益 11.2億円 EPS 123.9円(9/14)
2022年4月中間期の売上高はYoY+25.2%の78.9億円、営業利益はYoY+152.6%の7.7億円となり、計画を下回ったものの大幅な増収増益を確保しました。1~3月に計画外の時短営業を強いられた店舗が多かったものの、計画の既存店売上高(SSS)114.4%に対して112.3%とまずまずの水準を確保しました。他方、積極的な出店施策により、通期計画の純増80店に対して純増34店となり、受取助成金(4.5億円)を営業外で計上したことにより、経常利益段階からは大幅な計画超過となっています。
2022年10月期通期の見通しは据え置いており、売上高はYoY+26.2%の170億円、営業利益はYoY+81.6%増の17.0億円を見込んでいます。時短営業等が緩和されているものの、累計11ヵ月分が既開示のSSSは110.5%と上期末時点から潜っているほか、出店も3Q終了時点で通期計画の半分強の純増47店に留まっています。9月14日開示済の3Qも、売上高122億円&営業利益11.2億円で進捗しているため、計画比ビハインドとみられます。他方、受取助成金は6.6億円まで膨らむため、経常利益段階からは過達となる見通しです。
進行期は2024年10月期を最終年度とする中計初年度となっており、向こう3年で直営・OEM店合計で1,000店舗展開(直近期末時点618店;直営140/OEM468)を目指すほか、売上高CAGR20%&経常利益率10%を業績KPIとして定め、売上高を1.86倍の250億円、経常利益を1.47倍の25億円にまで伸長させる計画としています。
本中計期間の取組事項は大量出店による“量的拡大戦略”が中心であり、直営店は「人口集中エリア+高消費地」、スープ等具材等提供のOEM店は「地方エリア」に定め、徐々に直営割合を上げていくことで利益額最大化を図る方針です。特にラーメン市場は国内TAM6,000億円ながら、他の外食業態と比べて個人店割合が非常に多いため、“プロデュース店”と称するOEM供給による効率化余地も甚大に残されているような状況です。
展開業態は主力の家系「町田商店」、二郎インスパイア系の「豚山」の二枚看板を中心に、醤油業態の「長岡食堂」についても多店舗展開に踏みきる方針であり、本年6月には八重洲地下街に当社オリジナル業態を中心とする7店を横丁方式で一挙に開業しています。原価低減策としては、RPA活用によるシフト運用の最適化、DX活用による精算自動化や順番・予約受付、チャーシュー工場新設によるセントラルキッチン強化やトッピングの共通化等により、直近1年半で人件費率を2割程カットしています。
株主還元についてはは、配当性向20%基準で5円の増配を予想していましたが、足許で2円積み増して年27円配当に増額しています。足許ベースの自己資本比率は54.2%と引き続き高水準を確保しており、既に生産限界を迎えていた自社チャーシューの生産についても、この7月に綾瀬新工場の稼働を開始したばかりのため、当面は纏まった資金需要が発生しないものとみられます。
*参考記事① 2022-03-26 2,388円 BY
【9279】ギフト/ 新型肺炎禍の“ルールチェンジ”で躍進、増店続き年2割超の高成長路線が継続。
*参考記事② 2021-09-24 2,985円 OP
【9279】ギフト/時短助成金効果高く経常益2.9倍増に増額、出店も想定超で大攻勢。
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