【9279】ギフトHD/既存店推移は想定超で、当面は年率2割超の高成長が継続しよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9279】ギフトHD(東証プライム) OP

現在値 4,590円/100株 P/E 33.1  P/B 7.98  10月配当優待 4月配当優待

横浜家系ラーメン「町田商店」の運営と、麺やスープ等を提供するプロデュース事業。
配当は4月・10月年2回の計30円配当であり、配当利回りは約0.65%となります。

 

ギフトは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末現在の単元株主に対して、食事券を年2回・2枚進呈(1年超保有の場合は3枚)しておりますので、1枚1,000円換算した場合の配当優待利回りは約1.52%(1年超保有の場合は約1.96%)となります。


業績を確認していきます。 

■2020年10月期 売上高 109.8億円、営業利益 4.6億円 EPS 11.3円 

■2021年10月期 売上高 134.7億円、営業利益 9.3億円 EPS 108.2円 

■2022年10月期 売上高 170.0億円、営業利益 15.7億円 EPS 154.4円

■2023年10月期 売上高 205.0億円、営業利益 20.5億円 EPS 138.5円 ce

□2023年1月1Q 売上高 52.0億円、営業利益 5.3億円 EPS 38.1円(3/15) 

□2023年4月2Q 売上高 97.0億円、営業利益 9.7億円 EPS 68.2円 ce 


2022年10月期の売上高はYoY+26.3%の170億円、営業利益はYoY+67.0%の15.7億円となり、計画を下回ったものの大幅な増収増益を確保しました。1~3月に計画外の時短営業を強いられた店舗が多かったことから、計画の既存店売上高(SSS)114.4%に対して109.9%に留まりました。他方で利益面については、値上げによる採算性改善があったものの、原材料・水光費等の原価高騰影響を受けました。出店については、物件選定基準の厳格化や人手不足がにより計画の純増80店に対して、純増64店止まりとなったものの、高水準の出店を果たしました。


進行期である2023年10月期の予算については、売上高がYoY+20.5%の205億円、営業利益はYoY+30.4%の20.5億円を予想しています。予算前提のSSSは104.7%(平時比102.0%)、出店は純増62店(内外直営+39店、OEM+23店)を其々見込んでおり、直営出店はうち半分が“出店名有り”となっています。既開示の4ヶ月累計の月次SSSも117.6%と上振れているほか、3月15日開示済の1Qは売上高52.0億円&営業利益5.3億円で進捗しているため、引き続き順調な状況が確認されます。

 

当社はローリング方式の3年中計を公表しており、最終年度の2025年10月期までに売上高を170億円→300億円に、営業利益を15.7億円→30.0億円に引き上げる計画であり、主要KPIとして売上高CAGR20%&営業利益率10%を定めています。計数の前提となる出店については、向こう3年で直営・OEM店合計で1,033店舗展開(直近期末時点682店、直営店300店/OEM800店/海外33店)まで拡大させる計画であり、基本的に大量出店による外部成長路線を維持します。

 

本中計期間の取組事項としては、①既存事業拡大、②新業態展開、③海外展開、④出店力強化、⑤MD強化等を掲げています。①については、海外店舗を国内直営店同様のオペレーションに統一するほか、OEM店への食材提供も麺・タレ・スープに限らず直営店と同様に幅広く提供することで、全体的に品質の底上げを図ります。②については、2019年に味噌ラーメンの「ラーメン天華」を展開するケイエイケイフーズを買収したように、M&Aによる新業態獲得を積極的に推進します。

 

⑤のMD強化は主に原価低減策であり、RPA活用によるシフト運用の最適化、DX活用による精算自動化や順番・予約受付だけでなく、チャーシュー工場新設によるセントラルキッチン強化やトッピングの共通化等や、OEM店への物流網の整備やセンター機能強化に取り組みます。

 

なお株主還元についてはは、配当性向20%基準を目安に3円増配となる年30円配当(配当性向21.7%)を予想しています。足許ベースの自己資本比率は54.8%と引き続き高水準を確保しており、既に自社工場等への投資も一巡していることから、かかる財務余力については積極的なM&Aへの活用を志向しているものと考えられます。

 

*参考記事①  2022-10-18  3,220円 OP

【9279】ギフトHD/計画比ビハインドも増配公表、中長期での高成長基調が維持されよう。


*参考記事②  2022-03-26  2,388円 BY

【9279】ギフト/ 新型肺炎禍の“ルールチェンジ”で躍進、増店続き年2割超の高成長路線が継続。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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