【3476】投資法人みらい/2年振りのPOで分配金3.0%成長も、取得3ホテルは全て固定賃料。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3476】投資法人みらい(東証REIT) NT

 

現在値 46,100円/1株 P/E 20.1  P/NAV 0.89  4月分配優待 10月分配優待 


三大都市圏を中心とする総合型。スポンサーは三井物産とイデラCP。
予想分配金は年2回の合計2,335円配で、分配金利回りは約5.07%となります。

 

投資法人みらいは投資主優待制度を導入しており、「ホテルウィングインターナショナル」「EN HOTEL」「コートホテル」等の公式サイト価格比10~12%割引券を進呈しています。なお、当投資法人以外の保有物件でも使用可能です。

業績を確認していきます。

■2022年4月期_第12期 営業収益 52.7億円、経常利益 22.4億円 DPU 1,291円

■2022年10月期_第13期 営業収益 56.6億円、経常利益 23.2億円 DPU 1,313円

■2023年4月期_第14期 営業収益 63.0億円、経常利益 25.2億円 DPU 1,305円

■2023年10月期_第15期 営業収益 57.4億円、経常利益 21.6億円 DPU 1,215円

□2024年4月期_第16期 営業収益 58.1億円、経常利益 21.1億円 DPU 1,150円ce修正

□2024年10月期_第17期 営業収益 60.3億円、経常利益 22.6億円 DPU 1,185円ce
 

2023年10月期_第15期の実績については、第14期比▲9.0%の57.4億円、経常利益は同▲14.3%の21.6億円、DPUは同▲166円の1,215円となり予想を上振れました。マイスクエアや博多の譲渡益剥落影響や、ポート全体の稼働率も98.2%→98.5%と想定以下だったものの、北上野・町田イースト・フィール城北の3物件が巡行稼働入りにくわえ、燃料調整費ピークアウトによる水光熱費収支の改善が寄与しました。


進行中の2024年4月期_第16期の見通しも修正しており、営業収益は第15期比+2.0%の58.1億円(従予:57.3億円)、経常利益は▲19.1%の21.1億円(従予:20.3億円)、DPUは▲65円の1,150円(従予:UNCH)を見込んでいます。オフィスの大型FR/RFの下押し影響があるものの、那覇や博多駅前といったホテルの歩合賃料の一段増が見込まれるほか、ポート全体の稼働率も98.5%→99.2%まで更に回復を見込みます。また、11月PO(※後述)によつ希薄化があるものの、内部留保取崩で分配金を維持します。

 

また今回公表された翌2024年10月期_第17期の予想については、営業収益は第16期比+3.0%の60.3億円、経常利益は同+6.9%の22.6億円、DPUは+35円の1,185円を見込んでいます。収入面で第16期PO取得物件のフル寄与のほか、商業施設やホテルの歩合賃料増が見込まれるほか、修繕費の減少等も寄与し、固都税費用化開始をこなして増収増益予想となります。なおポート全体稼働率については、品川のベンツ退去等で99.2%→98.6%に反落を見込みます。

 

当法人は2025年を終期とする3年中計「堅守共攻」において、DPUを1,285円→1,300円へ、NAVを50,670円→53,000円へ、AUMを1,639億円→2,000億円まで其々引き上げる目標です。前中計「みらいリバイバルプラン」では、ホテル歩合賃料の平時7割水準復帰を前提にDPU1,400円を目指していたため下方修正となるものの、ホテル割合減少による賃料アップサイドの減少と、品川SS・天王洲周辺の“安貸し”によるFR/RFによる基礎収益力の低下が要因となります。

 

他方で、昨年11月に2年振りとなるPOで55億円(@42,363円)を調達し、120億円で計5物件を平均NOI4.8%で取得しています。NAV割れ増資となるものの、インプライドCR4.4%をクリアする水準でのディールとなり、改めて固定賃料割合のホテル(名古屋納屋橋、名古屋栄、広島大手町)を増やして基礎収益を固めています。本件取組により分配金も3.0%成長するものの、今次取得ホテルについては、変動賃料への切替は当面難しいとされているため、アップサイドに乏しいことは割引材料と捉えられます。


*参考記事① 2023-10-31   47,700円 NT

【3476】投資法人みらい/稼働率の緩やかな回復続くが、脈略のない入替戦略が気になる。

 

*参考記事② 2023-03-27 43,600円 NT

【3476】投資法人みらい/ホテル割合低下、天王洲オフィスの稼働低調で回復鈍い。

 

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