【3199】綿半HD/PB好調で底堅い、民事再生した征矢野建材(松本市)の全株式を取得。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3199】綿半ホールディングス(東証プライム)  NT

現在値 1,545円 P/E 16.6  P/B 1.39  3月配当 9月株主優待

長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の23円配当のため、配当利回りは1.49%となります。

綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する9月末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.78%となります(※権利確定半年前までに株主名簿確認あり)。

業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 1,147億円、経常利益 35.2億円 EPS 96.5円 

■2022年3月期 売上高 1,145億円、経常利益 29.3億円 EPS 111.0円 

■2023年3月期 売上高 1,342億円、経常利益 30.5億円 EPS 83.1円

■2024年3月期 売上高 1,380億円、経常利益 31.2億円 EPS 92.9円 ce

□2023年9月2Q 売上高 619億円、経常利益 12.6億円 EPS 38.5円

□2023年12月3Q 売上高 961億円、経常利益 24.8億円 EPS 76.4円(1/30)

2023年9月中間期の売上高はYoY▲3.6%の619億円、経常利益はYoY▲11.3%の12.6億円となり、予算比で売上未達・利益過達となりました。小売事業については、残暑等の天候影響があったものの、食品PBやペット用品等のオリジナル商材が好調に推移し、既存店売上高(SSS)は101.3%を確保したほか、利益面についても電気代の高騰一巡やPB構成比増といったミックス良化で2桁増益となりました。他方で建築事業については、資材流通の安定化による仮需剥落で期初受注残が低調(182億円)だったこともあり、大幅減となりました。


なお2024年3月期通期見通しは期初のものを据え置いており、売上高がYoY+2.8%の1,380億円、経常利益YoY+2.0%の31.2億円を見込んでいます。開示済の11ヵ月累計の小売事業SSSは、生活防衛意識の高まりから客数減が継続しているものの、単価増で100.4%と横ばい圏となっています。上期低調だった建築事業については、前期反動減と住宅市況の低迷もあり、期を通じて低調に推移します。開示済の3Qの売上高は961億円&経常益24.8億円で進捗しており、ベースアップをこなして利益は予算線を確保する見通しです。


当社は物価上昇や電気代高騰といった事業環境激変を理由に、2022年に策定した中計を僅か1年で減額修正しています。ロール後の数字は2027年3月期までの4箇年で売上高を1,342億円→1,500億円に、経常利益を30.5億円→45.0億円まで引き上げる計画です(経常利益率は2.3%→3.0%)。取組事項については①暖簾(商品力向上ほか)、②地域(地産品取扱拡大他)、③環境(6次産業化)の3点を掲げています。

 

①の暖簾については、高品質・低価格製品の開発が主な取組事項であり、食品を中心とする人気シリーズ“社長に内緒で”の拡充にくわえ、レジャー用品の開発を推進しています。実際にPB品の取扱点数を同4,500SKU→7,900SKUまで拡充させており、PB商品の売上構成比は2020年3月の3.9%から足許ベースで10.3%まで上昇し、15%到達を目指します。また2020年には最大級店舗となる上田店や、調剤薬局を擁する都心型店舗の権堂店を新規開業し、新フォーマットへの挑戦も進めています。

 

M&Aについては、2021年には組立家具屋の大洋(島田市、年商10億円)、夢ハウス(新潟、年商80億円、経常利益3億円程度)を相次いで買収しています。また、2022年には不動産のAIC(新宿、年商20億円)を買収したほか、昨年は住宅資材販売や木材加工を手掛ける征矢野建材(松本市、年商50億円)の全株式を取得しています。同社は長野県や塩尻市が推進する木質バイオマス発電プロジェクトで不採算となり、既に民事再生入りしていますが、当社がスポンサー成りした格好です。

 

なおB/S計上ののれんは残額は10億円程であり、償却が進んでいるため、およそ2年半後には年4億円程度の営業利益上乗せが目されます。財務の状況については、自己資本比率は27.5%とまずまずの水準を維持しているものの、買収余力維持の観点から、株主還元は1円増配の年23円配(配当性向24.7%)を予想しています。


*参考記事① 2023-08-28 1,350円 NT

【3199】綿半ホールディングス/物価・電気代高騰で中計を下方修正、建築事業も反落。

 

*参考記事② 2023-02-08  1,838円 NT 

【3199】綿半ホールディングス/巣ごもり反動と電気代重いが、好調な建設事業で打ち返す。

 

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