【3199】綿半ホールディングス/物価・電気代高騰で中計を下方修正、建築事業も反落。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3199】綿半ホールディングス(東証プライム)  NT

現在値 1,350円 P/E 14.5  P/B 1.29  3月配当 9月株主優待

長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の23円配当のため、配当利回りは1.70%となります。

綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する9月末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.18%となります(※権利確定半年前までに株主名簿確認あり)。

業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 1,147億円、経常利益 35.2億円 EPS 96.5円 

■2022年3月期 売上高 1,145億円、経常利益 29.3億円 EPS 111.0円 

■2023年3月期 売上高 1,342億円、経常利益 30.5億円 EPS 83.1円

■2024年3月期 売上高 1,380億円、経常利益 31.2億円 EPS 92.9円 ce
□2023年6月1Q 売上高 297億円、経常利益 3.9億円 EPS 11.4円(7/27)

□2023年9月2Q 売上高 657億円、経常利益 10.4億円 EPS 31.6円 ce

2023年3月期の売上高はYoY+17.3%の1,342億円、経常利益はYoY+4.1%の30.5億円となり、増収増益ながらも予算割れとなりました。小売事業については、上期に巣ごもり反動減がみられたほか、4Q期間の暖冬影響で既存店売上高(SSS)は99.8%に留まったほか、売上ミックスの悪化や電気代の高騰影響で利益は大幅減となりました。他方、建築事業については、豊富な期初受注残(289億円)を確保していたほか、昨年4月に稼働を開始した新飯田工場の寄与により鉄骨分野が伸長し、大幅な増収増益となりました。


進行期である2024年3月期通期予算については、売上高がYoY+2.8%の1,380億円、経常利益YoY+2.0%の31.2億円を見込んでいます。開示済の4ヵ月累計の小売事業SSSは物価高に伴う生活防衛意識の高まりで客数減少が継続しているものの、単価増で102.0%とまずまずの水準で進捗しています。他方、資材流通の安定化に伴なって仮需が剥落する建築事業の受注残は182億円と低調に推移しているほか、全社ベアによる人件費増加で全社利益も微増どまりとなります。なお開示済の1Qの売上高は297億円&経常益3.9億円で進捗しており、計画ビハインドとみられます。


当社は物価上昇や電気代高騰といった事業環境の激変を理由に、昨年策定した中計を僅か1年で減額ローリングしています。今次策定の新中計では、2027年3月期までの4箇年で売上高を1,342億円→1,500億円に、経常利益を30.5億円→45.0億円まで引き上げるほか、(経常)利益率自体も2.3%→3.0%まで改善させる計画です。但し、ロール後の中計でも取組事項については据え置いており、①暖簾(商品力向上他)、②地域(地産品取扱拡大他)、③環境(6次産業化)の3点を掲げています。

 

①暖簾については、高品質・低価格製品の開発が主な取組事項となり、ヒット商品となった“社長に内緒で”シリーズのような独自性のあるPB品の開発を推進しています。生活防衛意識の高まりもあり、PB商品構成比を1年前の8.3%から11.3%まで引き上げたものの、進行期では取扱点数を7,500SKU→14,000SKUまで拡充させ、15%到達を目指します。また、昨年8月には最大級となる上田店を開業したほか、9月には初の都心型店舗の権堂店を開業し、新フォーマットへの挑戦も進めています。

 

他方でM&Aについては、2019年に木造戸建事業のサイエンスホーム(静岡、年商23億円&経常利益2億円程)と製茶卸売・菓子製販の三原商店を、2020年にはネット家具通販のリグナ、佐久市の調剤薬局ほしまんを、2021年には組立家具屋の大洋(島田市、年商10億円)、夢ハウス(新潟、年商80億円、経常利益3億円程度)を相次いで買収しています。また、2022年には不動産のAIC(新宿、年商20億円)を買収しており、綿半リアルエステートに改組しています。

 

現状、B/S計上ののれんは13億円程であり、年間4億円弱償却していることから、3~4年後には年4億円程度の営業利益上乗せが目されます。財務の状況については、自己資本比率は25.2%とまずまずの水準であるものの、買収余力を確保する必要があることから、株主還元は1円増配の年23円配を予想しています。

 

*参考記事① 2023-02-08  1,838円 NT 

【3199】綿半ホールディングス/巣ごもり反動と電気代重いが、好調な建設事業で打ち返す。

 

*参考記事② 2022-02-04 1,304円 NT

【3199】綿半ホールディングス/小売反動減と建設低調だが、M&Aののれん償却は高水準で進捗。

 

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